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【土浦市】何もかもがカワイすぎる!それでいて体に優しい。豆腐と米粉を中心に作る焼きドーナツ&クッキー

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

つくば駅周辺で自転車での移動販売をしていた「Kümmel(キュンメル)」が、とても小さいけれどかわいいお店をオープンしました。「なるべく多くの人が笑顔で一緒に食べられる、おいしくて、安心なお菓子」。それがキュンメルのお菓子作りの信念です。

閑静な住宅街にある、4畳半の小さな工房&お店

荒川沖にある「ジョイフルアスレティッククラブ土浦店」の少し先を歩いて行くと「焼き菓子工房 Kümmel(キュンメル)」(以降キュンメル)の看板が見えてきます。

一軒家の一角にあった和室を大改装してオープンしたという「キュンメル」は、工房を兼ねた小さなお店。店頭では、代表の篠原杏菜(しのはらあんな)さんが満面の笑顔で迎え入れてくれます。

2021年にお店をオープンした「キュンメル」ですが、その前はつくば駅周辺で移動販売を行っていました。キッチンカーではなく、なんと自転車。こちらの写真は杏菜さんにお借りしたもので移動販売当時の“お店”です。

ドイツ菓子が大好きな杏菜さんは、好きが興じて洋菓子店の工房に勤務。その後、研鑽を積んで独立しました。

キュンメルの店名はそんな大好きなドイツ語で、ハーブティなどにも用いられるヒメウイキョウ(英語:キャラウェー)を意味します。

ヒメウイキョウには、「人と人との縁を繋いでくれる」という言い伝えがあり、そんな意味合いも気に入ってキュンメルと名付けたそうです。

豆腐と米粉・米油を中心に作り上げる「豆っ米焼きドーナツ」

キュンメルの工房で作っているのは、焼きドーナツとクッキーです。洋菓子店に従事していた頃はバターや卵を使ったお菓子作りに励んでいましたが、現在は小麦や卵、乳製品を一切使用せずに身体に優しい材料を中心にしています(使用している原材料には、同じ工場で製造しているものもあるので、コンタミネーションの可能性はあります)。

「移動販売を始めたばかりの頃に、お客様から“白砂糖は使っていますか?”と聞かれて、自信満々に“はい、使っています”と答えたら、とても残念そうにお帰りになられて。よくよくお伺いしたら体質で食べることが難しいことを知りました。その他にもさまざまな理由でお菓子が食べたくても食べられない方がいることを知って、みんなが安心して楽しく味わえるお菓子作りを目指すことにしたんです」と、杏菜さん。

材料にこだわったお菓子作りを目指すきっかけはもうひとつ。つくば市にある自然食にこだわったカフェレストランを訪れた際に豆腐を主原料にしたチョコレートケーキのおいしさに感動したことも起因しています。「私も豆腐を使ったお菓子を作りたい!」と触発されたそう。

キュンメルの焼きドーナツで使っているのは、国産米粉と米油、そしてつくば市谷田部に工場を構える「稲本豆腐店」のもの。国産無農薬大豆を使った木綿豆腐は、1丁230円ぐらいと高めですが「これでないと甘みが出せない」ということでこだわっています。

(つくばで取り扱っているお店に自転車で買い物に買いだしているそう!)

初「キュンメル」ならプレーン味の豆っ米焼きドーナツをぜひ!

店頭には常時10種類以上の「豆っ米焼きドーナツ」が並んでいますが、その週に仕入れる材料によってメニューが変わります。そう、「キュンメル」のメニューは、杏菜さんの感性によるところ、いわゆる気まぐれメニュー。だからこそ、今週はなにがあるかなとつい足を運んでしまいます。

初めて「キュンメル」を訪れるなら、ぜひプレーン(150円)を試してみてください。豆腐の素となる大豆の甘みや米粉、米油の旨みが口の中に広がり、そのおいしさが心身に優しく巡っていくようです。

ヴィーガンの方には、プレーンの焼きドーナツに使用しているはちみつやアーモンドの粉末を使わずに焼き上げる「ポレンタ」(130円)がおすすめです。黒糖でコクを、そしてとうもろこしの粉で香ばしさを出した焼きドーナツ。ナッツ類にアレルギーを持つ方でも安心して味わうことができます。

週替わりのクッキーはおいしいだけでなく「かわいい」

焼きドーナツのほかにクッキーも毎週1~2種類焼いています。取材に訪れたその週は生地にチャイを練り込んだクッキー。ハリネズミモチーフで食べるのがおしくなるかわいらしいビジュアルです。あたりとしてお花柄や星柄を仕込む遊び心も杏菜さんらしいです。

クッキーもまたその時の材料や杏菜さんのひらめきで、これまでにいろんなクッキーが店頭に並びました。写真に撮らせていただいたクッキー名はほんの一部。まだまだたくさんあります。

「キュンメル」は、杏菜さんがひとりで作ってひとりで販売しているお店です。仕入れもひとりで行っているので、お店を開けるのは頑張って週に2日程度になってしまいます。また、商品がなくなり次第終了となりますが、杏菜さんの人柄を現したような優しくておいしいお菓子をぜひ一度試してみてください。きっとハマりますよ。

店舗情報
焼き菓子工房 Kümmel(キュンメル)
住所:茨城県土浦市中村南4-5-32 MAP
電話番号:非公開
営業時間:金・土曜11:00~17:30(商品なくなり次第終了/イベント出店などで変更する場合もありますので、お出かけ前にSNSで情報をご確認ください)
定休日:日~木曜(不定休あり)
駐車場:あり(店舗前に2台、斜め向かいに広めの駐車場があります/営業日に旗が立ちます)
ホームページ:http://kumkumkummel.blog.jp/
Instagram:kumkumkummel

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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