Yahoo!ニュース

【土浦市】初代考案vs3代目考案のあんパン食べ比べ。100年以上続く老舗パン屋の人気商品もチェック!

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

「カレーのまち」「自転車のまち」といわれる土浦ですが、もうひとつ「元祖パンのまち」という顔も持ちあわせていて、街中を歩いていると随所で小さなパン屋さんを発見することができます。今回は数あるパン屋さんの中でも長い歴史があって、品数も充実した人気のお店「石窯パン工房 千勝堂本店」にお邪魔してお店の雰囲気や超ロングセラーのパン、人気のパンも教えてもらいました。

1920年創業の老舗パン屋はレンガ調の外観が目印

土浦駅西口より徒歩約5分。モール505中央付近のほぼ真向かいに面した場所に「石窯パン工房 千勝堂本店(以降、千勝堂本店)」はあります。店頭に置かれたテーブル&チェア、そしてレンガ造りの外壁が目印です。

お店の外壁には千勝堂本店が1920年に創業したことを表すボードが飾られています。今から102年前に和菓子屋さんとして始まった千勝堂本店。その当時から変わらずこの場所で土浦の歴史を見守ってきました。

パンは最も品数が揃う午前11時頃の来店がおすすめです

千勝堂本店は朝7時30分からオープンしていて、通勤前に朝食を楽しもうと立ち寄る方やお昼用のパンを買い求めにいらっしゃるビジネスマンの姿も多く見られます。オープンの段階でもさまざまな種類のパンが揃いますが、最も品数が揃うベストタイムは11時頃です。夕方になると品薄になるので、早めに訪れることをおすすめします。

千勝堂本店の工房は、店の奥にありますが焼き場となる石窯はレジのすぐ近く、店内のどこからでも見られる場所に設置されています。

「焼きたてのパンをすぐにお客様にお出しできるように少しでも近くに置きたかったんです。うちの石窯は富士山溶岩窯といって一万年以上前の溶岩で作った石窯で焼き上げています。普通のオーブンで焼くパンに比べてふっくらもちもちしているのが特徴です。パン独特のおいしい香りも楽しんでもらえたらうれしいですね」と話すのは、鈴木淳一さん。

初代のお祖父様、2代目のお父様が守り続けたパンへの情熱を受け継ぐ、この道35年のパン職人兼オーナーです。

老舗パン屋さんというと、あんパンやクリームパンなどの「ザ・パン屋さん」メニューが多いイメージがありますが、千勝堂本店はそうした懐かしいメニューはもちろん、インスタ映えする今どきパンもたくさん作っています。

いろんなパンを作ってみたいと鈴木さんは意欲旺盛です。例えばドーナツは、王道のあんドーナツ(写真左/151円)だけでなく、中国スイーツを思わせるごまドーナツ(写真中央/130円)、クリームチーズ入りのドーナツ(写真右/130円)と和洋中の揃い踏み。

ルーたっぷりでからりと揚げた「昭和のカレーパン」(173円)は、揚げたてが並ぶとすぐに売れてしまう人気ぶりです。

カレーパンには「焼きカレーパン」(184円)もあります。

チーズをたっぷりと使ったパンも人気です。

具だくさんの食事系パンは、ほのかに甘いコッペパンにメンチや玉子サラダ、焼きそばをサンドした昔ながらのドッグ系のほかに、バゲットを使ってキャロットラペなどをサンドしたおしゃれなパンもたくさん!

石窯で焼いたフランスパンは、表面はかりっとしていて、中はしっとり、もちもち。出来立てを求めてやってくるファンが多いというのもうなずける味わいです。

噛むほどに小麦の甘みが口の中に広がる食パン(280円)やあっさりとした味わいのイギリスパン(耳までおいしいです!/280円)、小さめのパンはほのかな甘みが楽しめる白パン(238円)やコーヒーマーブル(205円)など、おやつにもぴったりのスイーツ系もあります。

初代考案のあんパンと3代目考案のあんパンの食べ比べが楽しい!

千勝堂本店では、2種類のあんパンが販売されています。シールにあるように「こしあん」と「つぶあん」と小豆の炊き方や濾し方が違うだけでなく、「こしあん」は初代から続く100年近くもの間愛されるあんパンで、「つぶあん」は3代目が考案したあんパン。見た目も味わいもすべてが違うので食べ比べするのが楽しいです。

まずは千勝堂本店の超ロングセラー商品である「こしあん」(151円)。最後までおいしく味わえるように甘さ控えめに炊いた小豆を丁寧に濾してあります。ふんわりとしながらも味わうとしっとりとしているパン生地との相性抜群です。

こちらは「つぶあん」で商品名は「三代目あんパン」(184円)です。ブリオッシュのパン生地の中にはつぶあんと生クリームがたっぷり。ふわふわとしているので、少し手で押さえただけでその手の形状に沿って形が変わっていきます。

どちらも甲乙つけがたいぐらいおいしいのですが、あえて評価をするなら「こしあん」は食べ応えがあって飽きのこない味わいなので小腹が空いた時の食事代わりに、また「三代目あんパン」はスイーツのような見た目と味わいなのでおやつに最適です。

独断と偏見で選ぶ、千勝堂本店でぜひ食べてみてほしいパン3選

取材やプライベートでもパンを食べる機会が多く、自称パンマニアのライター・コイケが千勝堂本店でこれは食べてみてほしいパンを選んでみました!

【おすすめパン①】バジルトマトピッザ(216円)

手のひらを大きく広げたくらいの小ぶりサイズのピザで、溶岩窯でじわりと焼いたパン生地はクリスピー感がありながらふっくら感も楽しめます。

トマトの甘みが効いていて、自家製バジルソースとたっぷりのチーズの塩気とあわさることで格別なおいしさに。かりかりに焼けたチーズの部分が絶品です。

【おすすめパン②】ミートパイ(324円)

さくさくのパイ生地の中から姿を見せる具材はトマトとひき肉。自家製ミートソースたっぷりでランチにぴったりです。

出来立てのさくさく感もおいしいですが、私は実は1日置いてしっとりとしたミートパイをいただくのが好きです。味が全体的に染みわたって食べ応えがあります。

【おすすめパン③】ずんだあんパン(216円)

夏に旬を迎える枝豆をすり、砂糖と煉り合せた「ずんだあん」を使ったパンで、ころんとした四角いフォルムがかわいいです。

ずんだあんパンの断面の表情は1つ1つが異なります。上の写真の左と右のずんだあんパンは、切る角度も違うのでこんなに異なる表情に。右のパンは一見ずんだあんが少なく見えますが、切り口を変えるとまた違う表情が楽しめます。

季節限定のパンはずんだあんパン以外にもあります。夏の訪れを感じる味わいをぜひ。

また、千勝堂本店では具材にレンコンの入った「土浦のカレーパン」が人気なのですが、レンコンの時期がこれからのため、販売は8月を予定しています。土浦のカレーパンはまた別の機会にしっかりとレポートいたしますので、その時を楽しみにお待ちくださいませ!

<店舗情報>

石窯パン工房 千勝堂本店

場所:茨城県土浦市大和町5-14 MAP

電話番号:029-821-0896

営業時間:7:30~18:30

定休日:日曜・祝日

駐車場:あり(無料)

ホームページ:なし

Instagram:chikatsudo

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

コイケケイコの最近の記事