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【藤沢市】住宅街の神社に祀られた「幸神」。そのご利益に女子中学生が「マジか。本気で拝む!」

ころんころライター(藤沢市)

【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~

藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。50カ所目は藤沢市渡内の『渡内日枝神社(わたうちひえじんじゃ)』です。

2022年12月31日撮影
2022年12月31日撮影

渡内の小高い住宅街にある『渡内日枝神社』。こぢんまりとした神社ですが、比較的新しくてきれいな神社です。年末にうかがった際は、お正月の飾りつけがされていました。

神社の由来については、境内の立て看板に次のように記してあります。

日枝神社の由来
渡内の日枝神社は渡内の鎮守となっておりますが、発祥は裏山の台地宮山に平良文が京都より延長年間 (九二三〜九四〇)宅の守護神として日吉山王大権現 (大山咋命)を勧請したと伝えられています。その後応永二十七年(一四二〇)に福原家のご先祖、福原左衛門平忠次が現在地に移し、そのおり平良文の霊を合祀しました。尚、慶長十二年六月(一六〇七)福原孫十郎重種が再建する旨の棟札があります。社前の石段上り口に神鏡石燈籠があり、「村岡山王大権現御宝前石燈二基、平良文の遠縁村岡良毅、天保六年正月吉日(一八三五)建立」とあります。 尚、現在の本社覆殿は、天保九年十一月(一八三八) 福原家のご先祖、福原高峰が発願主となり、村の有志達によって再建されたものであります。その後、地域の開発が行われ、渡内東土地区画整理事業(平成十七〜二十一年)によって周辺の環境の変化に伴い、土地の造成工事が行われ、合わせて神殿の増改築を行い、現在に至っております。 設置年月 平成二十一年八月 渡内日枝神社

拝殿へ向かう階段右下には、宅地造成によって移された庚申塔や道祖神塔が並んでいます。その中で注目したいのが、藤沢市では珍しい「幸神(さいのかみ・さえのかみ)」と彫られた道祖神塔(道端にまつられた、外来の疫病や悪霊を防ぐ神様。全国でも神奈川県は道祖神が多いと言われています)。

左から4番目が「幸神」
左から4番目が「幸神」

「幸神」
「幸神」

「幸神」について調べると、良縁の神・夫婦和合の神(豊穣という連想から、豊穣の神ともいわれる)・子宝の神など、縁結びの神様といわれているのだとか。私が「幸神」の写真を何枚も撮っていると、たまたま参拝に来ていた家族連れに「この石碑に何かあるのですか?」と声をかけられました。先に記したようなご利益を伝えると、一緒に来ていた女子中学生が「縁結び?マジか!」と本気で拝んでいましたよ(かわいいですね。笑)。うっかり見逃して拝殿へ向かいそうになりますが、ぜひこちらでも足を止めてみてくださいね。

それでは拝殿をめざして、階段をのぼります。

階段の中腹には、御手水や祠があります。その御手水の手水鉢ですが、よく見ると神社らしからぬ意味深な「星マーク」がついています。これは一体…?

『渡内日枝神社』の手水鉢について、藤沢市郷土歴史課の担当者さんに詳細をお聞きすると、日露戦争の凱旋を記念(4名の従軍者を記念)して奉納されたものとのこと。そのため「陸軍を表す星章」が記されているのだとか。ほかではあまり見かけることのない「星章」が刻まれた手水鉢もチェックポイントですよ。

従軍者の名前も刻まれている
従軍者の名前も刻まれている

そしてこの手水鉢の奥には、3つの祠があります。祠について、案内板には以下のように記されています。

右側の祠は渡内四丁目一番(県道小袋谷・藤沢線沿いの「渡内」バス停北側)辺りにあったもので、平成十年(一九九八)区画整理事業に伴い移設したものです。中央の祠は峯渡内村の名主家にあったもので、その位置は現在地より東に七〇メートル程行った所です。平成二十年(二〇〇八)区画整理事業に伴い移設したものです。左の祠は坪井三社大権現で、現在地より北東に一四〇メートル程行った藤沢市本在寺公園の山頂に祀ってあったものです。坪井三社大権現とは、源頼義・義家父子の二人に加えて徳川家康の分霊を祀った祠のことをいいます。

さらに拝殿へ続く階段をのぼります。

階段を登りきると、村岡の住宅街が見下ろせる
階段を登りきると、村岡の住宅街が見下ろせる

そしてこちらが拝殿。

拝殿の左側には「弁財天」の姿。

「弁財天」についても、案内板が建てられています。

藤沢市の東部に位置する村岡地区(七地区)の歴史をたどると、古事記に縁があると云われます。 由緒あるこの地域に平成八年の暮れ、村岡郷土史研究会のお導きで、お寺や神社に七福神を祭って「和と幸せをもたらすように」との地域の人たちの願いを込めて、新たに七福神が各地区に設置されました。この渡内日枝神社に設置された弁財天は、インドの河の 神「サラスヴァティ-」が起源とされています。この神は世界創造の際、言葉や音楽を作ったとされ、また中国に伝わり、人々に弁財を与え、天災を徐滅させる仏神に変わり、日本に伝わったと言われています。芸能、芸術、文学、学問の才能、金銀財宝授与にご利益があります。 設置年月 平成二十一年八月 渡内日枝神社

また、拝殿の右側には鳥居と赤い祠があります。右側の鳥居の先は道路につながっており、さきほどの正面の階段をのぼらずとも、こちらから楽に拝殿に向かえます。

地域の歴史を刻む『渡内日枝神社』。「拝殿」だけでなく「幸神」や「手水鉢」にも注目したい神社でした。

基本情報
『渡内日枝神社』
住所:藤沢市渡内3丁目8-10

取材協力 藤沢市郷土歴史課 様

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ライター(藤沢市)

湘南エリアの複数メディアや紙面、昭文社「まっぷるトラベルガイド」などで、記事執筆&撮影を担当。取材スポットは1000ヶ所近く。そんな取材後記や、徒然なるままのゆるゆる日暮らしを、Instagramに綴っています。ほわっとあたたかくなる「神奈川県藤沢市」の情報をお届けできたら幸いです。※「毎週日曜の20時10分」に約1週間分の記事をまとめてお届けする「LINEでの配信」がスタートしました。ご登録いただくと藤沢市の話題(特に美味しいもの情報)に困りません。

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