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【京都市】山科区 『鏡山地蔵尊』は「山科砥ノ粉」生産者が「良恩寺」より譲っていただいたお地蔵尊!

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都にはあちこちにお地蔵さんが見られます。

地下鉄「御陵」駅から琵琶湖疎水に行く途中にいらっしゃる『鏡山地蔵尊』。

お地蔵尊は、特にその地域や子供を守るために信仰されており、京都の「地蔵盆」は各町内ベースで行われるのです。

私も、小さい頃から「地蔵盆」でお地蔵さんの前でお参りさせてもらってます。

良恩寺
良恩寺

「鏡山地蔵尊」は、もともと粟田口の「良恩寺」に鎮座されていたそう。かつては粟田口村の惣堂でした。天台宗青蓮院の境内地にあり、念仏堂として発祥した「良恩寺」は浄土宗西山禅林寺派。

常在光院の遺仏といわれ、足利尊氏の守本尊であった「導引地蔵」がいらっしゃいます。

「導引地蔵」と呼ばれるのは、もと当寺の背後の華頂山中に火葬場があって、葬列がこの前を通るときに葬者に地蔵尊の前で引導を渡していた事からだそうです。

山科は日本有数の砥の粉の産地であり、現在も製造工場が残ってます。砥の粉とは、風化した岩石を加工し粉末にしたもので、漆塗りの下地や木製品の表面の仕上げなどに使われ、木工芸には不可欠な材料のこと。

「砥の粉」生産者であった片山藤治郎が、地域の繁栄,町内の安全,子供達の. 健康と幸福を願って,元東山区栗田口の良. 恩寺にあったお地蔵さんを住職にお願いした、とあります。

粟田口から日ノ岡峠を歩いて、お地蔵様を大切に運ばれたそうです。

この「鏡山地蔵尊」の前を通って東海道を三条方面へ渡ったとも。

日本映画の歴史や発展にも多大な影響を与えた「琵琶湖疎水」の方へ進むと、その先には、「山科豊川稲荷社」や「永興寺」があります。

桜がまだ楽しめるこの時期に是非、山科界隈の探索をしてみてはいかがでしょう。

鏡山地蔵尊

京都府京都市山科区御陵山ノ谷5-2.

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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