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Back to 1981 松濤美術館が開館した頃の渋谷の街ってどんな感じだった?  

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

1981年に開館した松濤美術館で 設計者の白井晟一を特集した展覧会「白井晟一入門」の第2部「Back to 1981 建物公開 」が1月30日まで開催中です。そのレポートは【渋谷の名建築】1981年開館時の松涛美術館にタイムトリップ。白井晟一の美意識に浸る でご紹介しましたが、建物の外に目を向けると、1981年当時の渋谷の街はどんな様子だったのでしょう?

『白井晟一入門』(青幻社)図録より 
『白井晟一入門』(青幻社)図録より 

↑ これが1981年開館当時の松涛美術館周辺の空撮。背景には今のような高層ビルが皆無。これだけ見ると、渋谷というよりどこか地方の街のスナップのようにも見えますよね。

↓こちらは角度が全く逆方向だけれど、2021年秋にスクランブルスクエア屋上のSHIBUYA SKYから撮影したスナップ。オレンジで丸く囲った辺りが松濤美術館や鍋島松濤公園のあるエリア(曇天で写真があまりクリアでなく恐縮です)。

松濤界隈は住宅地なので今も超高層ビルはないけれど、渋谷中心部は激変している(戦前戦後の変化も別の意味で凄いけれど)。1981年 松濤美術館が開館する直前の1978年に「東急ハンズ渋谷店」がオープンし、翌1979年には「SHIBUYA109」が開店と、渋谷のランドマークとして親しまれてきた建物の多くはこの頃に産声をあげていたわけですね。

松濤美術館が開館した1981年には「タワーレコード渋谷店」が宇田川町にオープン。タワーレコード渋谷店さんのFBによると「タワーレコードとしては、前年の1980年、ジョン・レノンが射殺されたり、YMOの“テクノポリス”のリリース、山口百恵さんの引退などが話題となった年に札幌に1号店を出店。その成功を受けての国内2店舗目の出店でした」と、なんだかもうくらくらするような昭和末期の時代感(遠い目)。。。

ちなみに1987年には「渋谷ロフト」が開店、1989年には「Bunkamura」がオープン。1990年代にはいわゆる“渋谷系”ムーブメントが席捲し、1995年に渋谷タワレコさんが今の神南にショップ移転しています。いろいろ挙げ出すともうきりがないけれど、どれもこれも、今まで大変お世話になった思い出深い場所。みんなほんとうにありがとう(礼) 。

変幻自在ないきもののようにメタモルフォーゼし続ける渋谷の街は、栄枯盛衰を繰り返しつつ、これからもしたたかに変化し続けていくのでしょう。まあ自分もその端っこに生息しているわけですが。

激変する渋谷の街の移り変わりを思いつつ、改めて松濤美術館の「白井晟一入門 Back to 1981 建物公開」を反芻すると、時空を超えて大切にされてきた松涛美術館という貴重な存在をしみじみ愛おしく感じます。

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渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
アクセス::京王井の頭線「神泉駅」より徒歩約5分、JR・東急電鉄・東京メトロ「渋谷駅」より徒歩約15分
開館時間:10時~18時

渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門第2部/Back to 1981 建物公開
開催期間: 2022年1月4日(火)~1月30日(日)
※土・日曜日、祝日および最終週(1/25-1/30)は「日時指定制」 予約

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writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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