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まるでアジアンリゾート。隈研吾設計「明治神宮ミュージアム」で晩夏のひとときを【東京都渋谷区】

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

原宿駅にほど近い明治神宮の第一鳥居が今夏 百年ぶりに刷新されました(そのことに触れた記事はこちら)。

この鳥居をくぐり、参道を少し進むと
見えてくるのが「神橋」。

神橋を渡って間もなく右手奥に見えるのが「明治神宮ミュージアム」。設計は 隈研吾氏。…というまでもなく、隈さんらしい意匠があちこちに。

ゆったりしたひさしは隈研吾建築の代名詞。以前、隈さんのインタビューをした時も、ひさしは内と外の境界を曖昧にする役目を果たすもので、自然とのグラデーションとなる重要な要素だとおっしゃっていました。

明治神宮の森を主役ととらえ、その中に溶け込ませるようにした建物は、まさに隈さんならではの“自然に抗わない“負ける建築”。

どこのアジアンリゾートに迷い込んだのかしらん…という雰囲気。
どこのアジアンリゾートに迷い込んだのかしらん…という雰囲気。

中に入ると、さらに別世界が――

メインロビーは明治神宮の森と地続きのような一体感!

建物を作るにあたり伐採したケヤキやクスノキは、内装や家具にアップサイクルされています。

このベンチに腰掛けて、明治神宮の森をしばし眺めていると、なんだか瞑想しているような心地に…。

2階にのぼると、さらに浮遊感が。。

この時は折しも雨模様でしたが、この空間から明治神宮の森を眺めるのは至福以外の何ものでもなく。。

自然に寄り沿う ゆるやかな勾配の屋根。

ミュージアムの展示物の撮影は不可なのでご紹介できませんが、9/4まで明治天皇百十年祭記念・明治天皇御誕生百七十年街記念展 前期「みかどの御召物」と題した展覧会が開催されています。平安時代から着用されている天皇の装束は、決して豪華絢爛ではないけれど、ため息が出るほど優美で心地よさげでした。

展示物はもちろん、建築を堪能するだけでも一興なので、明治神宮を訪れる際はぜひ足を運んでみてください。

*****
明治神宮ミュージアム
明治天皇百十年祭記念・明治天皇御誕生百七十年街記念展
前期「みかどの御召物」7/9~9/4
後期「みかどの御英姿」9/23~12/4

住所:東京都渋谷区代々木神園町1-1
電話:03-3379-5875
開館:10時~16時半
休館:木曜(木曜が祝日の場合は開館)、展示替期間
入館料:一般1000円、高校生以下900円、小学生未満 無料
アクセス:JR原宿駅西口・東京メトロ千代田線、副都心線 明治神宮駅2番出口より徒歩5分

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writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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