昔ながらの喫茶店というものは、老朽化やオーナーさんのご高齢によりなくなるところがあとを絶えなくなってきています。ですが、そんな中でもひっそりと楽しみながら運営されている温かいお店を見つけたので、ご紹介したいと思います。

自転車でお店の前を通ったときに、扉が開いていてその隙間からたくさんの食器（コップ）が棚に並べられているのが目に入り、気になったので入ってみることにしました。

それでは早速入ってみたいと思います。

店内はカウンター席のみとなっていました。

見た目にも可愛い食器や小物が並べられていました。

そして私が気になったという棚は・・・

一枚の写真におさまりきらないほどのたくさんのコップが並べられていました。

写真で撮るとそれほどすごくないと思うかもしれませんが、目の前で見ると本当にものすごい量で驚きます。

どれもとても可愛いのですが、こちらはすべてオーナーさんが買い付けに行ってきたものばかり。

主にヨーロッパが多いそうです。全部で300ぐらいあるそうなので圧巻です。

「どれが一番のおきにいりですか？」と尋ねると、「みんなそれ聞くのよ〜」と言われてしまいました。

愚問な質問で失礼いたしました。

それでも優しく、「買った時はこれが良いと思って買っているからどれが一番かなんてつけれない」

と答えてくださいました。

そりゃそうですよね。どれもお気に入り。分かるような気がします。

こちらは二段になっている珍しい食器です。

馬車に乗っている時に使用するそうです。揺れてこぼれたとしても大きなお皿が中身をキャッチしてくれるようにできています。

こちらはケーキ皿とセットになっているという食器です。蓋もついていておしゃれだと感じました。

コップ愛に溢れているオーナーさんは、一つ質問するとあれもこれもとたくさん答えてくれました。

少しの時間しかいなかったのですが、コップの見方が変わったような気がします。

そして「忙しいのよ」と言いながらすずめにご飯もあげていました。毎日の習慣になっているようです。

毎日を楽しんでいるという様子がひしひしと伝わってきました。

さて、私が注文したのは、ホットコーヒーです。

大きなコップにたくさん入れてくれました。でもカフェオレにして飲みたいなと思ったので、用意してくださったミルクを入れて飲もうとすると・・・

「温めなおしてあげるからちょっと待ってて」と言って一旦下げて作り直してくれることに！

こんなサービス生まれて初めてです。

嬉しいなと思って待っている間にヨーグルトをいただきました。

メニューをきちんと見ていなかったので気付いていなかったのですが、ヨーグルトはセットだったようです。

フルーツたっぷりでとても美味しかったです。

すると、「お腹すいていない？大丈夫？」と何度も声を掛けて気遣ってくださるオーナーさん。

今日のモーニングで余ったのものだけど・・・とゆで卵を出してくださいました。

そうこうしているうちに、カフェオレも完成です。

マシュマロを乗せてくれるというサービスに感無量。

はじめての体験にドキドキでしたが、これがめちゃくちゃ美味しかったです。

アツアツのカフェオレの中に入れているので、一瞬でマシュマロが溶けてしまい、原形は残らなかったのですが、甘さが口の中一杯に広がりました。

こんな方法でもマシュマロが活躍するなんて、新しい発見でした。

そして話が弾み、今度はチョコレートも出してくれました。

次から次へと色々なものを出してくださる、本当にサービス満点なお店でした。

オーナーさんは「お店が営業できるだけでもとってもありがたいの」と語ってくれました。コロナがあり、営業が難しい時もあったようです。

お母様の代から続いているこちらのお店。もう半世紀以上続いているそうです。

【ローマは一日にして成らず】という言葉があるように、コツコツ集めたという食器たち。

「集めることが好きだっただけ。でも貯金はできなかったけどね。でもね、不思議なことに、回りまわってまた入ってくるもんだよ」

と人生の先輩ならではの教訓も教えてくれました。

第二の人生を楽しんでいるというオーナーさん。オシャレで元気もたくさん分けてもらいました。

食器の数も魅力的でしたが、オーナーさんもそれ以上に魅力的な方でした。

ぜひそんな魅力的なオーナーさんに会いに行ってみてください。

オーナーさん、いろいろとありがとうございました。