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【男性更年期障害と漢方】「補腎剤」で若さ・性機能を取り戻す

永田京子

更年期トータルケアインストラクター

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「男性更年期障害」という言葉。最近よくメディアで聞かれるようになりました。とはいえ、もし男性更年期障害が自分に起こったら、いったいどう対処すればよいのか、不安に思っている人も多いのではないでしょうか。前回お伝えした日常生活での対処法に続き、今回は男性の更年期の不調の緩和によく使われる漢方薬を紹介します。

今回の記事の内容です。

  • 東洋医学でみる男性更年期
  • 積極的なケアが必要な男性更年期障害
  • 漢方薬はそもそも体質改善のための薬
  • 男性更年期の不調の緩和には「補腎剤」がよく使われる

東洋医学でみる男性更年期

「男性更年期障害(LOH症候群)」は、男性ホルモン(テストステロン)の低下によって起こる様々な不調のことです。

東洋医学の教科書と言われている、『黄帝内経(こうていだいけい)』という中国で最も昔にできた医学書には、「女性は7の倍数」、「男性は8の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れると書かれています。

東洋医学の視点でいえば、男性の場合は、8×7の「56歳」前後から「男性更年期」 の不調が出やすくなるようです。とはいえ年代に関わらず「ストレス」や生活習慣の乱れによって、若くても男性ホルモンの「テストステロン」が減少して更年期の不調に悩まされることがあります。強いストレスが続くと、脳から精巣への「男性ホルモンを分泌してくださいね」という指令が出にくくなり、男性ホルモンが減少してしまうのです。

積極的なケアが必要な男性更年期障害

男性ホルモンが減少すると、筋力や骨が弱くなったり、不安感が強まったり、行動力、やる気、性欲などが低下します。 さらに、男性ホルモンが急激に減ると、自律神経が乱れ、 急な発汗やほてり、 不眠、 めまいや動悸といった、女性の更年期の不調と同じような症状が出てきます。それだけでなく、男性ホルモンが減少すると、鬱々とした気分が続いたり、内臓脂肪が増えてメタボリックシンドロームになりやすくなり、さらには 高血圧や、糖尿病などの生活習慣病心筋梗塞など命に関わる病気のリスクも高くなるので注意が必要です。

女性の更年期障害には終わりがあります。だから、我慢してやり過ごしたとしてもなんとか乗り切れる場合もあります(もちろん、つらい症状を我慢する必要はありませんが!)。しかし男性の場合は時間が経っても回復しません。こちらの記事で紹介したとおり、男性ホルモンは緩やかに減り“続ける”からです。そのため、男性更年期障害は、 積極的にケアをしていくことが必要です。

漢方薬はそもそも体質改善のための薬

前置きが長くなりましたが、この男性更年期障害の治療に使われることがあるのが、「漢方薬」です。

漢方薬とは、2種類以上の生薬(しょうやく)を組み合わせたお薬のこと。生薬は、植物の葉・茎・根っこ、鉱物や貝殻や動物のなかで薬のききめがあるとされるものを蒸したり、乾燥させたりと加工して作ったものです。

この漢方薬は、体質改善のための薬であり、人間が本来持っている自然治癒力を高めたり、体を整えることが期待できます。 漢方薬の多くは、その人の症状や体質に合ったものを選んで使うことが大切になりますが、その体質を分かりやすくした表現した考え方を、「証(しょう)」といいます。

「証」の分け方のひとつに「虚・実(きょ・じつ)」があります。 ごくかんたんに説明すると、 体力がある、暑がり、体格ががっちりしている、活動的である場合を「実証(じっしょう)」といい、体力がない、寒がり、かぼそい、静的である場合を「虚証(きょしょう)」、どちらでもない状態を「中間証」と言います。

同じ症状が出ていても、ある漢方薬が合うか合わないかは、その人の体質によって異なります。 そのため、漢方薬は自分の体質に合ったものを選ぶことがポイントなのです。

今は、インターネットで「漢方 体質チェック」などと検索をすれば、様々なサイトで、体質チェックが簡単にできます。よくわからない場合や、実際に症状で悩んでいる場合などは医療機関や漢方の専門医を受診することをおすすめします。男性の場合は、更年期障害で医療機関を受診する場合は、泌尿器科を受診するとよいでしょう。

男性更年期の不調の緩和には「補腎剤」がよく使われる

では、男性更年期障害の治療でよく処方される漢方薬を紹介しましょう。

男性更年期障害の治療では、よく「補腎剤(ほじんざい)」という、五臓六腑(ごぞうろっぷ)における“腎(じん)”のはたらきの低下を改善させるための漢方が使われます。 補腎剤(ほじんざい)とか腎(じん)とか言われても、なんのことやら!?と思われるかもしれません。わかりやすい表現にすると「老化の進行を抑えて若々しく保つための薬」です。

この補腎剤のなかでも、男性更年期障害に使われる最も代表的な漢方薬を3つ挙げると、

●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを助け、「気」を養います。筋力がすくなく、倦怠感が強く疲れが取れない虚証の方向けの漢方薬です。急な発汗、むくみ、皮膚のトラブル、性機能の低下などに使われます。

●八味地黄丸(はちみじおうがん)
生命力の源でもある“腎”を補う漢方薬。手足が冷えたり、むくんだりしやすい虚証から中間証の人向けです。老化の予防。泌尿生殖器・腎の機能低下などに使われます。

●牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)と似た役割ですが、浮腫やしびれのある虚証の人向け。泌尿生殖器・腎の機能低下などに使われます。

そのほかにも、症状によって以下のような漢方薬が用いられることがあります。

●抑うつ傾向
香蘇散(こうそさん)(虚証)
大柴胡湯(だいさいことう)(実証)

●冷えのぼせ、頭痛、不安感・イライラ
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)(虚証)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)(実証)

医療機関では、こうした漢方薬による治療以外に、男性ホルモン補充療法などを行うこともあります。

一方で、男性ホルモンのテストステロンは、生活習慣を変えたり、毎日の生活の少しの工夫で増やせる可能性があります。例えば、適度な運動や食事、睡眠などの 基本的な生活習慣を整えたり、気の合う仲間との時間を楽しんだり、趣味をもつなど、自分が楽しいと感じられる「生きがい」をみつけて実践することは、男性ホルモンを増やす作用があると考えられています。

更年期は 英語で、「The change of life 」と言われます。 ぜひ、生活を見直したり、自分に合った対策ケア方法を見つけて、一度きりの人生をより楽しんでいくための心と体の土台をつくるきっかけにしていきましょう!

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