【横浜市青葉区】人気クリスマス菓子「シュトーレン」をベーカリーカフェで。おいしさの理由をインタビュー
クリスマスを待つアドベント(イエス・キリストの降誕を待つ期間)の間に食べるドイツの伝統菓子「シュトーレン」。毎年パン屋さんや洋菓子店で発売され、季節の人気スイーツとなっています。
クリスマス前のこの時季に気になったのは濃厚なバターの風味とフルーツの香りが豊かな「ラ・ベルコリーヌ」(横浜市青葉区美しが丘1丁目)さんの「シュトーレン」。その「シュトーレン」は手にしたときずっしりとした重みと固さを感じるスタイルです。
たまプラーザに2000年にオープンして以来、ヨーロッパスタイルのパンを作り続けているこのお店の「シュトーレン」はなぜずっしりと重みがあり固いのか、どうして日持ちがするのか知りたくなり、お話を伺いました。また、記事後半では2021年シュトーレンの味わいをお伝えします。
たまプラーザ「ラ・ベルコリーヌ」さんの濃厚バター香る逸品「シュトーレン」。ずっしりとした重みと日持ちする理由とは。
今シーズン初の「シュトーレン」が発売されたばかりの「ラ・ベルコリーヌ」さんに知りたかったことをインタビューしました。
ー店頭で手にとって、そのずっしり感にびっくりしました。ここまで重みのあるシュトーレンはあまりないような気がします。どうしてこんなに重み、そして固さがあるのでしょうか。
「シュトーレンは焼き上がったあとすぐに、バターに漬け込みます。このときに柔らかい生地だと表面に油分を多く感じる仕上がりになってしまいます。例えるなら、ドーナッツみたいな質感になってしまいますが、密で重めの仕上がりの生地だとそうはならないのです。」
ーバターを吸収させたときに違いが出るとはびっくりです。だからずっしりと感じるくらいの生地に作り上げたんですね。
「発酵のコントロールで変わります。いろいろなシュトーレンがあると思いますが、「ラ・ベルコリーヌ」ではこういうのがいいかな、と思って作っています。」
ー日持ちが一ヵ月程度と伺ったのですが、どうしてそんなに長く保存できるのでしょうか。
「本来、牛乳やバターはカビが発生しやすいものですよね。焼き上がった生地をすぐにバターに漬け込んで、粉砂糖をまぶすことにより、膜ができます。空気が遮断されるので長持ちするのです。また、生地を作るときアルカリに傾くと傷みやすくなります。発酵により酸性に近づけて傷みにくくしているのです。ただ、実際に食べると酸っぱいという感じはしないと思いますよ。」
ーなるほど。伝統的な製法で作られたお酒や漬物も発酵がすすむと酸っぱくなりますよね。お話を聞いて、発酵のコントロールが重要だということがわかってきました。
「それにパンはアルカリに傾いていると、ぼそぼそしてあまりおいしくないです。酸性にバランスをとると、傷みにくいだけでなく、口どけもよい生地ができます。」
「クリスマス前の時季に一年ぶりで作りますから、ドキドキして作っているんです。」
ーやはり薄くカットして食べたほうがいいですか?
「それでいいと思います。でも、このシュトーレンは薄くスライスするようにカットするとボロボロ崩れやすい生地ですよね」
ーそういえば、お皿にボロボロ落ちた生地を集めて食べています(笑)。
「このシュトーレンはしっかり作ってあるので、時間の経過で少しずつ味の変化も楽しめます」
ーそれは楽しみです! ぜひ少しづつ食べてみたいと思います。
シュトーレンはベテランのパン屋さんでもクリスマス前の時季だけに作るもの。実はシーズン最初に作るときは「前の年に作ったことを思い出しながら、ちょっとドキドキして作るのです」だそう。
濃厚バターの味わいとフルーツとナッツ。滋味ある「ラ・ベルコリーヌ」さんの「シュトーレン」
そんな緊張感を持ちながら、今シーズン初回に作られたという「シュトーレン」。購入して食べてみることにしました。
スライスすると、ふわりとフルーティーな香りが。頬張ると濃厚なバターの味わい。滋味があるチーズのような酸味をわずかに感じます。フルーツやナッツが入るのでポロッと外れると生地は崩れやすいですが、口に入れた食感はきめ細かで、粉砂糖と混ざり、口どけがいいです。
しっかりとした焼き目からは小麦粉の香ばしさが漂います。濃く入れた紅茶や酸味のあるコーヒーにぴったり。深蒸しの緑茶にも合いそうです。
時間の経過による風味の変化を楽しみたいので 、もう少し食べたいところを我慢し、数日間かけて楽しむことにしました。
このずっしりとした「シュトーレン」(税込1,620円)は自宅で計ってみると340グラム! 大型の食事パンより重いではないですか! 少量のスライスで満足感があるのにも納得です。
「ラ・ベルコリーヌ」の場所は? テラス席でのカフェ利用も人気です。
東急田園都市線たまプラーザ駅中央改札を出て、「東急百貨店たまプラーザ店」方面に向かいます。横断歩道を渡り、左手側に進み、「たまプラーザ駅西側」交差点を右折、イトーヨーカドーと「東急百貨店たまプラーザ店」の間の坂道を昇り切り、三叉路の横断歩道を渡ると、目の前が「ラ・ベルコリーヌ」さんです。
サンドイッチとドリンクでランチをするのもおすすめです。人気のクロワッサンとブレンドコーヒーとのティータイムも◎
「シュトーレン」(税込1,620円)は11月中には完売してしまうことも多いそう。確実に手に入れるのなら「予約がおすすめ」とのことです。
贈答品としても人気がある「シュトーレン」ですが、わが家では自宅用に買い置いて、冬のあいだのティータイムに少しつ食べるのを楽しみにしています。11月から年末にかけては日々、目まぐるしく忙しい時期ですよね。
家事や仕事のあとにごほうびのようにお茶を入れて「シュトーレン」を食べるといい切り替えができるとともに、季節も感じられてうれしくなります。
寒さも本格的になると売り切れてしまうことが多い「シュトーレン」。2021年はお目当てを購入できて良かったです。
「ラ・ベルコリーヌ」様、「号外NET緑区・青葉区エリア版」の取材にご協力いただきありがとうございました。
※商品・サービス内容や価格は取材時点のものです。実際と異なる場合もあります。感想は個人のものです。
※店内で飲食する場合と持ち帰り商品では税率が違うため、価格が異なります。
【店舗情報】
店名:La Belle Colline(ラ・ベルコリーヌ)
住所:横浜市青葉区美しが丘1-9-1平野ビル1階
電話:045-901-4142
営業時間:10:00〜18:00 ※売り切れ次第終了
定休日:火曜日・ 第3水曜日