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どの野菜がおすすめ?栄養価の高い野菜ランキング~食物繊維・ミネラル編~【管理栄養士監修】

成松由佳快腸ナビゲーター/管理栄養士

前回より、食事相談でよくある質問

「野菜って、何を食べてもいいんですか?」
「特におすすめの野菜はありますか?」

にお答えして、

栄養価の高い野菜ランキング」をお届けしています。

野菜からとれる主な栄養素は、ビタミン・ミネラル・食物繊維
ビタミンではA・C・E・K・葉酸、ミネラルではカリウム・カルシウム・鉄の主な摂取源になります。

前回のビタミン編に続いて、今回は食物繊維とミネラルについて、多く含む野菜トップ10を栄養素ごとに発表します。
それぞれの栄養素の働きと、1日に必要な摂取量も合わせて解説しますので、参考にしてみてくださいね。

食物繊維

食物繊維は体内に吸収されませんが、腸で健康のために働く栄養素です。便通をよくする、大腸がんのリスクを減らす、コレステロールや血糖値の上昇を抑え生活習慣病を予防するなどの作用が知られています。

成人の1日の摂取目標量は、男性18~64歳で21g以上、65歳では20g以上。女性では18~64歳は18g以上、65歳以上では17g以上とされています。

食物繊維の多い野菜

1位:らっきょう(20.7g)
2位:グリンピース(7.7g)
3位:にんにく(6.2g)
4位:ごぼう(5.7g)
5位:ブロッコリー(5.1g)
6位:枝豆(5.0g)
6位:オクラ(5.0g)
8位:ししとう(3.6g)
9位:かぼちゃ(3.5g)
10位:春菊(3.2g)
(可食部100gあたり)

らっきょうがダントツ1位!グリンピースとにんにくが続きます。しかし、この3つはどれもたくさん食べるのが難しいため、4位以下の野菜の摂取量を増やすとよいでしょう。

カリウム

人間の細胞内に存在し、水分を保つのに役立っています。また腎臓での塩分排泄を促進し、血圧を下げる効果があります。その他、神経伝達や心臓・筋肉の機能調節にも関わる成分です。

成人の1日の摂取目標量は、男性では3,000mg、女性では2,600mgと設定されています。

カリウムの多い野菜ランキング

1位:ほうれん草(690mg)
2位:みつば(640mg)
3位:枝豆(590mg)
4位:にら(510mg)
4位:にんにく(510mg)
6位:小松菜(500mg)
7位:水菜(480mg)
8位:春菊(460mg)
8位:ブロッコリー(460mg)
10位:そら豆(440mg)
(可食部100gあたり)

ほうれん草やみつば、小松菜、水菜など、葉物野菜に多い傾向があります。

カルシウム

人間の体の1~2%はカルシウムであり、そのほとんど(99%)が骨や歯に存在しています。残りの1%は筋肉で収縮を助ける、神経で興奮を抑制するなど、身体の働きを助けています。

成人の1日の摂取推奨量は、男性18~29歳で800mg、30~74歳で750mg、75歳以上で700mg。女性では18~74歳で650mg、75歳以上で600mgです。

カルシウムの多い野菜ランキング

1位:水菜(210mg)
2位:小松菜(170mg)
3位:春菊(120mg)
4位:チンゲン葉(100mg)
5位:オクラ(92mg)
6位:わけぎ(59mg)
7位:枝豆(58mg)
8位:さやいんげん(50mg)
8位:ブロッコリー(50mg)
10位:ほうれん草(49mg)
(可食部100gあたり)

カルシウムと言えば牛乳という印象がありますが、実は野菜類にも豊富に含まれます。こちらも葉物野菜が多くランクインしました。

赤血球の色素であるヘモグロビンに存在し、全身の組織に酸素を運ぶ役割を担っています。

成人の1日の摂取推奨量は、男性では18~74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです。
女性では月経の有無で推奨量が異なります。月経ありの場合、18~49歳で10.5mg、50~64歳で11.0mg。月経なしの場合、18~64歳で6.5mg、65歳以上で6.0mgです。さらに妊婦や授乳婦では、この基準に加えてとることが推奨される「付加量」が設定されています(妊娠初期:+2.5mg、妊娠中期・後期:9.5mg、授乳婦:+2.5mg)。

鉄の多い野菜ランキング

1位:小松菜(2.8mg)
2位:枝豆(2.7mg)
3位:そら豆(2.3mg)
4位:水菜(2.1mg)
5位:ほうれん草(2.0mg)
6位:グリンピース(1.7mg)
7位:春菊(1.7mg)
8位:ブロッコリー(1.3mg)
9位:チンゲン菜(1.1mg)
10位:さやえんどう(0.9mg)
(可食部100gあたり)

鉄分=ほうれん草というイメージが強いかもしれませんが、実は小松菜や水菜のほうが多く含まれています!また枝豆、そら豆にも多いのが特徴的です。

【まとめ】どの栄養素も多い野菜は?

前回と合わせて、9つの栄養素についてのランキングトップ10を発表してきました。
登場回数が多い、つまりどの栄養素も多い野菜はどれでしょうか?こちらもランキングにしてみました。

ランキングへの登場回数

1位(9回):ブロッコリー
2位(8回):春菊・水菜
4位(7回):ほうれん草・小松菜
6位(5回):枝豆・オクラ
8位(4回):かぼちゃ・チンゲン菜・にら・わけぎ

なんとすべてに登場したのは、ブロッコリーでした!
ブロッコリーはちょうど今が旬。他にも春菊・水菜・ほうれん草など、今がおいしい野菜がたくさんあります。この中で普段食べていないものがあれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。

※今回ランキングの対象とした野菜は、日本で特に多く消費されるものとして農林水産省に指定された「指定野菜」14品目・「特定野菜」35品目のうち、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で野菜類に分類される41品目です。

【参考】
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
農林水産省「野菜の指定野菜と指定産地についておしえてください。
中国四国農政局「特定野菜等の対象産地の選定状況

快腸ナビゲーター/管理栄養士

大学院修士課程修了後、製薬メーカーでの勤務を経て、特定保健指導に従事。自身も食事改善によって長年悩んでいた便秘や肌荒れを克服。「自分で自分を変えられる」実感から、心も前向きに変化するのを感じる。現在は健診専門クリニックでの保健指導を行いながら、フリーランスとしても活動。食事に悩む時間や精神的なストレスを減らし、自信を持ってやりたいことにチャレンジする土台を食で作れるようサポートしている。

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