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期間限定!清涼感あふれる紫陽花の絶品和菓子

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター

この時期だけの美しい紫陽花の和菓子を求めて、いざ鎌倉へ。

梅雨のすっきりしないお天気が続く中、清涼感あふれる絶品和菓子をいただきました。

今回はこちらの和菓子と購入したお店をご紹介します。

6月の定番の和菓子でもあるので、お近くのお店で見かけたらぜひご賞味を!

これまでは日本茶の魅力を中心に記事を書いてきましたが、お茶と言えば外せないのが和菓子です。今後は時々おすすめの和菓子についても書いていこうと思います。

和菓子の名店!鎌倉の穴場スポット

鎌倉というと、メディアでよく取り上げられるのは鎌倉駅周辺です。徒歩圏内に鶴岡八幡宮や鎌倉の大仏、長谷寺など名所も多いため、観光地として賑わっています。

しかし、少し落ち着いた雰囲気が好きな方には、北鎌倉をおすすめします。

JR横須賀線の鎌倉駅の隣の静かな小さな駅。紫陽花の季節や紅葉の季節は混みますが、通常はそれほどでもありません。観光地風情というよりお寺を訪れる人が立ち寄る場所、ちょっとゆっくり緑の中を散策したいときにもおすすめです。

そんな北鎌倉駅の円覚寺や明月院とは反対側の出口を出てすぐ左、線路沿いに建つ古風な建物が、今回ご紹介する和菓子屋「こまき」さんです。

北鎌倉の老舗和菓子屋「こまき」

「こまき」さんに初めて訪れたのは15年ほど前。北鎌倉を時々散策していたころ知ったお店です。

静かで小さなお店で、テーブル席もあり10名ほど座れます。店内のメニューは、季節の上生菓子と抹茶のセット、あんみつ、小倉白玉、などです。

2月の立春からひな祭りまでの期間限定の桜餅も有名です(とっても美味しいです)。

こちらの和菓子は近隣のお寺のお茶席や、茶道のお稽古やお茶会にも使われたりと、北鎌倉界隈ではとても人気なのですが、目立たない店構えのためか行列ができているのはこれまで見たことがありません。

ご家族できりもりされているようで、いつ訪れても親切で丁寧な対応をしてくださいます。注文してから少し待つこともありますが、ゆったりとした気持ちになれる店内は落ち着きます。

6月の和菓子「紫陽花」

つい先日、北鎌倉に行く用事があり、久しぶりに「こまき」さんに立ち寄ることができました。

和菓子6個入を1箱、持ち帰りで予約。受取時間をお伝えして、用事をすませてからまたお店へ戻りました。電話での予約も受け付けているそうです(お急ぎの方は前もって予約を。人気の和菓子は予約が確実です)。

季節により和菓子は変わりますので、お店の方に聞くか棚に置いてあるサンプル(本物)を確認するかしてから予約するのが良いでしょう。

紫陽花の和菓子は6月限定で、7月からは別の和菓子になります。

帰宅まで揺れたり斜めになったりしながらも、紫陽花の和菓子は無事でした。
帰宅まで揺れたり斜めになったりしながらも、紫陽花の和菓子は無事でした。

この日は休憩も兼ねて、白玉ぜんざいを店内でいただきました。

ご家族で切り盛りされているお店なので、注文してから白玉をゆででくれます(ほんのり温かい白玉♪)。

少し待つことになりますが、窓際の席なら外の庭園が見えたりゆったり寛げます。

できたてのやわらかい白玉に粒あん。箸休めに塩味の紫蘇の実が付いています。
できたてのやわらかい白玉に粒あん。箸休めに塩味の紫蘇の実が付いています。

今回は和菓子は持ち帰りにしたため、抹茶とのセットの写真はありませんが、以前店内でいただいた際は抹茶は素敵な器にふんわりと丁寧に点てられていて感激しました。

お家で和菓子と冷抹茶

帰宅後にお家で冷抹茶を点て、紫陽花の和菓子をいただきました。

周りの紫陽花の花弁は錦玉という硬めの寒天でできています。中心には白あんがあり、美しく均一に錦玉が施され、どこから見ても綺麗です。

あまりに美しいので、食べるのがもったいなくてしばらく鑑賞してからいただきました。

葉っぱは桜の葉です。桜の香りはありません。ちなみに、本物の紫陽花の葉には毒があるため食べてはいけません。
葉っぱは桜の葉です。桜の香りはありません。ちなみに、本物の紫陽花の葉には毒があるため食べてはいけません。

表面の錦玉がツルンとした食感で、上品な甘さの白あんと溶け合ってとてもおいしいです。

そして、梅雨時にはすっきりと楽しめる冷抹茶もおすすめです。

点て方は以前の抹茶についての記事をご参考に。お湯を冷水に変えて点てて氷を浮かべて出来上がり。

※抹茶をあらかじめ濾しておくと冷水で点ててもダマにはなりにくいです。しかし冷水で点てると泡は立ちにくいです。

写真は氷の入った冷抹茶。茶道では夏は平茶碗を使うことも。口径が広いと温かい抹茶は冷めやすく、暑い日でも飲みやすい温度になります。平茶碗に見立てているのは実は波佐見焼「白山陶器」の平茶碗(飯茶碗)。
写真は氷の入った冷抹茶。茶道では夏は平茶碗を使うことも。口径が広いと温かい抹茶は冷めやすく、暑い日でも飲みやすい温度になります。平茶碗に見立てているのは実は波佐見焼「白山陶器」の平茶碗(飯茶碗)。

紫陽花の和菓子を求めて

このタイプの紫陽花の和菓子は他の和菓子屋さんでも作っています。

あまり多くは見かけませんが、もしお店で見かけたらぜひ召し上がってみてくださいね。

この時期、お茶のお稽古やお茶会があると、毎年楽しみにしている和菓子です。

夏は紫陽花に限らず、寒天などを使った清涼感あふれるツルンとした舌触りの良い和菓子が沢山出るので、和菓子屋さんチェックは欠かせません。

今年の夏も暑くなるとの予報ですが、和菓子と冷たいお茶で涼しく過ごして乗り切りましょう。

今回の和菓子屋さん「御菓子司こまき」

お店の入口付近の棚には、5センチ未満の小さなミニチュア茶道具が!萌えポイントです。

お店の方に尋ねたら随分前に京都で購入したのだとか。日本茶マニアにはたまらないアイテムです!
お店の方に尋ねたら随分前に京都で購入したのだとか。日本茶マニアにはたまらないアイテムです!

こちらでは秋にはこのような和菓子も♪

黄味餡を使った「秋の山」という和菓子ともう一種。
黄味餡を使った「秋の山」という和菓子ともう一種。

煎茶とともに。どちらも上品でとてもおいしかったです!四季折々の和菓子もぜひ。
煎茶とともに。どちらも上品でとてもおいしかったです!四季折々の和菓子もぜひ。

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。日本茶の商品開発やカフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導。NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。

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