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節分の豆とお茶で作る簡単「奈良茶飯」の香ばしさが食欲をそそる!400年の歴史ある東海道川崎宿の名物

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター

節分の豆まきで残った豆、どうしていますか?

そのままポリポリ食べるのもおいしいですが、ちょっと飽きてきた・・・。

そんな方に、前回は節分の豆を使った「豆茶」をご紹介しました。

うま味アップでいつものお茶がまろやかに変身!(こちらの記事をご覧ください)

しかしそれでもまだ余る豆・・・。

あ、そうだ!子どもが給食に出ると言っていた「奈良茶飯」。

確か大豆とお茶が入っているんじゃなかったっけ?「豆茶」と同じ材料でできちゃうのでは?

と、奈良茶飯を思い出し、節分で余った炒り大豆と家にあるお茶で試してみることにしました。

とっても簡単でおいしくでき、余った節分の豆も消費できるシンプルレシピです!

川崎の郷土料理「奈良茶飯」とは

神奈川県川崎市の郷土料理の「奈良茶飯」は、奈良の東大寺や興福寺で食べられていた茶飯がこの地に伝えられ、今年400年を迎える東海道の「川崎宿(かわさきしゅく)」の万年屋という茶屋で出されていたメニューなのだそうです(参照:農林水産省うちの郷土料理「奈良茶飯」)。

十返舎一九の書いた「東海道中膝栗毛」では弥次さん喜多さんが万年屋の奈良茶飯を食べるシーンがあり、それがきっかけで全国的にその名が知られたそうです。

万年屋は今は残っていませんが、川崎駅近くの多摩川沿いにその跡地があります。

川崎市在住ではありますが川崎出身ではない私は奈良茶飯は食べたことがなく、子どもの給食のメニューで初めてこの郷土料理の存在を知りました。

川崎市内の和菓子屋さんにはこの奈良茶飯を現代風にアレンジした「奈良茶飯風おこわ」もあるそうです。

今回は農林水産省のサイトと全国学校栄養士協議会のレシピ(外部サイト)を参考に、よりシンプルに簡単にアレンジして作ってみました。

材料はお茶と豆と塩のみ!簡単「奈良茶飯」の作り方

お茶の香りと大豆の香りを存分に楽しみたいので限りなくシンプルなレシピにしました。

でもそれが功を奏して、何とも言えない懐かしい味になりました。

では、材料と作り方をご紹介します。

今回はこちらのほうじ茶を使いますが、日本茶なら何でも大丈夫です。

川崎市の水源地の一つ神奈川県西部の山北町で作られている浅炒りのほうじ茶。せっかくなので川崎にゆかりのあるものを使って奈良茶飯を作ります。
川崎市の水源地の一つ神奈川県西部の山北町で作られている浅炒りのほうじ茶。せっかくなので川崎にゆかりのあるものを使って奈良茶飯を作ります。

お茶は普段通りにいれて、冷まして準備しておきましょう。

急須を使わなくても100均のだしパックでお茶をいれることもできます(こちらの過去記事をご覧ください)。この場合一煎では量が足りないので、二煎目も使います。

お茶の味をより感じたい方は、浸出時間を長めに取って濃いめの抽出液を作ると良いでしょう。

茶葉がお湯を吸うため、お茶をいれる際のお湯はレシピの抽出液の分量より多めにしておき、抽出後に計量することをおすすめします。

材料
お米 200g
炒り大豆 15g
茶の抽出液 260ml
塩 ひとつまみ

※今回はほうじ茶を使いましたが煎茶でも番茶でもOK。冷ましたものを使います。

1.お米を洗ってざるにあけておく

2.炊飯器に1のお米と茶の抽出液を入れ、塩をひとつまみと節分の炒り大豆を入れて30分ほど置いておく

3.炊飯器の通常モードで炊く(炊いている間に大豆の香りが香ばしく漂ってきます)

豆とほうじ茶のどちらも香りも漂って食欲をそそります!
豆とほうじ茶のどちらも香りも漂って食欲をそそります!

できあがりはこんな感じです。少し硬めに炊き上がり、もち米ではありませんがおこわのようなつやがあります。

しゃもじで軽く混ぜてから盛り付けます。

お茶の香りと豆の香りの両方が楽しめます

では実際に食べてみます。

お赤飯みたいにちょっといい器を使ってみました
お赤飯みたいにちょっといい器を使ってみました

ご飯はほうじ茶の色に染まり、ご飯だけ食べるとお茶の香りがします。

大豆は水分を含みふっくらとやわらかくなって、豆の香りとうま味を感じます。

癖がないので、どんなおかずにも合いそうです。みそ汁や焼き魚があれば最高ですね。

赤飯の小豆が苦手な人もこれなら食べられるのではないでしょうか。

豆、お茶、塩だけでできる香ばしい奈良茶飯。

川崎の郷土料理をぜひお試しください。

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。日本茶の商品開発やカフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導。NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。

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