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風邪やインフルエンザ予防には緑茶をこまめに飲むのがおすすめ!日本茶のプロが実践的なコツをご紹介

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター

急に涼しくなり、今、風邪やインフルエンザがとても流行っているようです。

手洗いやうがいをして気を付けてはいるけど、何か身近なもので予防できたら・・・。

そんな方におすすめなのが「緑茶」!

実は緑茶も風邪やインフルエンザの予防に効果があると研究されているのです。

今回は、風邪やインフルエンザ予防に緑茶を飲むと良い理由と、日常に緑茶をうまく取り入れるコツをまとめてご紹介します。

毎日おいしく飲んで予防ができるなら、飲まない手はありません。

緑茶が風邪やインフルエンザ予防に良いって本当?

緑茶が風邪予防やインフルエンザ予防に良いと昔から言われてるけど、本当?とよく聞かれます。

緑茶は嗜好品なので薬ではありませんが、緑茶の成分のカテキンはインフルエンザなどのウイルスを抑制すると言われています。

熱いお湯で淹れるとエピガロカテキンガレートが抽出されやすい
熱いお湯で淹れるとエピガロカテキンガレートが抽出されやすい

緑茶に含まれるカテキンには4種類あるのですが、特に「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は、インフルエンザ予防に効果があるとされる研究結果が出ています。

緑茶はお湯の温度で抽出される成分が違ってきます。

エピガロカテキンガレートは特に熱湯でいれた緑茶に多く含まれます。

熱湯でいれた緑茶は苦渋味が強くなります。この苦渋味がエピガロカテキンガレートの味の特徴です。

インフルエンザ予防のために飲む場合は、熱湯でいれた苦渋味の強い緑茶が効果的です。

しかし、おいしく飲みたい場合は80度くらいのお湯でいれてもエピガロカテキンガレートはそれなりに抽出されていますので、その時の気分で温度を変えていれると良いでしょう。

※詳しいデータは伊藤園のサイト「緑茶成分によるインフルエンザ予防」(外部サイト)をご覧ください。

紅茶でもいいの?

紅茶にはカテキンが葉の酸化発酵により変化したテアフラビンという成分が含まれており、こちらもカテキン同様インフルエンザ予防に良いとされています。

手前が紅茶。最近は和紅茶(国産紅茶)も人気
手前が紅茶。最近は和紅茶(国産紅茶)も人気

烏龍茶にもテアフラビンが含まれています。

緑茶が家にない方や緑茶を飲む習慣がない方は紅茶や烏龍茶を飲むことをおすすめします。

※詳しい研究内容はこちらの資料「紅茶のインフルエンザに対する感染伝播阻止効果」(外部サイト)をご参照ください。

免疫力アップには水出し緑茶がおすすめ!

インフルエンザ予防には熱湯でいれた緑茶がおすすめですが、体の中から健康に!と免疫力アップを目指している方には「水出し緑茶」が良いと言われています。

水出し緑茶はお湯を使わず簡単に作れ、苦渋味が少なく甘味やうま味のあるお茶になります
水出し緑茶はお湯を使わず簡単に作れ、苦渋味が少なく甘味やうま味のあるお茶になります

水出し緑茶では、エピガロカテキンガレート(EGCG)の抽出が抑えられ、エピガロカテキン(EGC)が多く含まれます。

エピガロカテキンは免疫力をアップさせる働きがあると研究されています。

過去記事「夏にピッタリ「水出し緑茶」の作り方!お家で簡単、飲みやすく健康に!」では、水出し緑茶をおいしく作るコツをご紹介しています。

寒い日に水出し緑茶は飲みたくないという場合は、水出し緑茶にお湯を足して飲むという方法もあります(その場合も効果は変わらないそうです)。

※水出し緑茶についての詳しいデータは農林水産省のサイト「緑茶の美味しさと機能性を両立する水出し緑茶」(外部サイト)に書かれています。

緑茶を毎日飲むには?

でも、緑茶や紅茶など、毎日飲む習慣のない方にはちょっとハードルが高いかもしれません。

もちろんペットボトルでもよいのですが、急須やティーバッグでいれたお茶の方が成分は多く抽出されると言われています。

最近は日本茶専門店などのちょっと高価でおいしいティーバッグも多く販売されています(おいしいので私も旅行などに持って行くことが多いです)。

そして、せっかく飲むならもっとおいしく飲みたい!という方は、こちらのお茶のいれ方を参考にチャレンジしてみてください。

1.急須がなくても大丈夫!「100均のだしパックで簡単にお茶をいれる方法」

急須が家にない方やお茶をいれるのがちょっと面倒な時は、100均のだしパックと茶葉があれば簡単にお茶がいれられます。

いれ方は過去記事「マグカップと100均グッズを使って日本茶をいれる「時短ドリップバッグ」!」に詳しく書いてありますので、ご覧ください。

マグカップにだしパックをセットして茶葉を入れ、上から熱湯を注ぐだけ!
マグカップにだしパックをセットして茶葉を入れ、上から熱湯を注ぐだけ!

こちらの記事には熱湯でのいれ方が書かれていますが、もし水出し緑茶を作りたい場合はお湯を水に変えてしばらく置いておくと水出し緑茶ができあがります。

2.急須でお茶をいれてみよう

急須が家にある方は、ちょっと丁寧に、急須でお茶をいれてみるのはいかがでしょうか。

ゆっくりとお茶をいれる時間もリラックスにつながります。

時間があるときは急須でゆっくりお茶をいれてリラックス
時間があるときは急須でゆっくりお茶をいれてリラックス

過去記事「新茶の季節に知りたい「お茶のいれ方」!日本茶のプロがおいしくいれるコツをご紹介」では煎茶のおいしいいれ方とコツをまとめていますが、風邪やインフルエンザ予防には熱湯でいれてエピガロカテキンガレート(EGCG)を多く抽出するのがよいでしょう。

緑茶でうがいも効果あり

お茶をいれた後は、二煎、三煎とお湯をさして楽しめます。

薄くなってきたらそれをうがい用にしたり、あまり好みではないお茶や安いお茶をうがい用にする、というのも1つの案です。

ただし、作り置きのお茶を利用する場合は雑菌が増殖する可能性もあるので、冷蔵庫に入れておくなどしてその日のうちに使い切るようにしてください。

※花王のサイト研究データから知る「花王 衛生科学情報」(外部サイト)にも緑茶でのうがいについての記述があります。

カフェインの摂りすぎには気を付けて

小さなお子様やカフェインを控えている方は、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの「チャノキ(カメリアシネンシス)」の葉を加工したお茶にはカフェインが含まれていますので、飲みすぎには注意してください。

農林水産省のサイト「カフェインの過剰摂取について」(外部サイト)によると、コーヒーに比べると緑茶などの方がカフェイン量は少ないとされていますが、成人は1日に400mg以下を目安にするのが良いそうです。

そして、紅茶の方が緑茶や烏龍茶よりカフェインがやや多いとのこと。

1日のカフェイン量を400mg以下に抑えるには、マグカップで紅茶なら6杯以下、緑茶や烏龍茶なら10杯以下が目安ですが、カフェインはチョコレートの原料であるカカオ豆にも含まれるので、全体のバランスを見てお茶の量も考えた方が良さそうです。

ちなみに、麦茶はカフェインも含まれていませんが、カテキンも含まれていないため、風邪やインフルエンザ予防への効果は特に期待できません。

しかし喉を潤して乾燥を防ぐという点では、緑茶に限らずお水や麦茶などの飲み物をこまめに飲むことが重要だそうです。

緑茶をこまめに飲もう!

喉が常に潤っているとインフルエンザウイルスなどが喉の粘膜に入るのを防ぐことができるそうです。

緑茶、紅茶、烏龍茶をこまめに飲むとなお良し!です。

これからの季節に上手く取り入れて、元気に過ごしたいですね!

※緑茶のカテキンについては様々な研究がなされていますが、緑茶は薬ではなく嗜好品であることを理解したうえで生活に取り入れることをおすすめします。

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。日本茶の商品開発やカフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導。NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。

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