Yahoo!ニュース

首都圏で福岡の「八女茶」イベントが2月まで続々開催!参加費無料で八女茶の魅力を知るワークショップ

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター

八女茶(やめちゃ)が無料で楽しめるイベント??

福岡の日本茶インストラクターの方から耳よりな情報が!

なんと、11月から来年2月にかけて、八女茶発祥600年を記念して東京や神奈川の日本茶専門店でも八女茶を楽しむ無料イベントが続々開催されるそう。

首都圏で八女茶にこれだけフォーカスしたイベントは今までになかった!

ぜひこの機会に「八女茶って良いね!」「お茶ってこんなにおいしいんだ!」と感じていただきたい!上品なうま味を感じる八女茶の味を一度体験していただきたい!

今回は首都圏で開催される八女茶のお得なイベントをご紹介します。

「八女茶」とは

主に福岡県の八女市を中心に栽培されたお茶のことを「八女茶(やめちゃ)」と言います。

特に玉露は「八女伝統本玉露」が大変有名で贈答用にも喜ばれるものとなっており、鮮やかな緑色が特徴の煎茶もとても人気があります。

八女茶は苦味が少なくうま味や甘味が多いお茶が多く、飲みやすいという声も多数。

今年は八女茶発祥600年を記念して、福岡県を中心に沢山のPRイベントが開催されているそうです。

八女茶の歴史

福岡県茶業振興推進協議会のサイトによると、

今から約600年前の日本は室町時代の中頃にあたり(応永30年、1423年)、明国(現・中国)で禅の修行を終えた栄林周瑞禅師が、筑後国鹿子尾村(現・八女市黒木町笠原)庄屋・松尾太郎五郎久家に、持ち帰った  茶の種子を与え製茶技法とともに一般に伝え広めたことが「八女茶」のはじまりとされ、2023年で600年を迎えます

とあります。

玉露の産地となるまでの歴史も、福岡県茶業振興推進協議会のサイト(外部サイト)に書かれています。

八女の茶畑(写真:福岡県農林水産部園芸振興課)
八女の茶畑(写真:福岡県農林水産部園芸振興課)

GI登録の「八女伝統本玉露」

「GI登録」とは?

八女茶の中でも玉露については特にGI(地理的表示)登録された「八女伝統本玉露」が有名です。

地理的表示産品情報発信サイト(外部サイト)によると

農林水産物・食品等の名称であって、その名称から当該産品の産地を特定でき、産品の品質等の確立した特性が当該産地と結びついているということを特定できるものです。地理的表示として登録が認められた産品には、地理的表示と併せて登録標章(GIマーク)を付すことができます。

つまりGIとは、その地域を代表する個性のある品質保証された産物・食品ということでしょうか。

地域には長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在します。これら産品のうち、品質、社会的評価その他の確立した特性が産地と結び付いている産品について、その名称を知的財産として保護する制度が「地理的表示保護制度」です。

地域の活性化、地方創生にも繋がる認定制度なのですね。

稲わらを使って日光を遮る被覆栽培の茶畑(写真:福岡県農林水産部園芸振興課)
稲わらを使って日光を遮る被覆栽培の茶畑(写真:福岡県農林水産部園芸振興課)

「八女伝統本玉露」の定義

八女伝統本玉露と名乗ることができるのは下記の条件を満たすものだけです。

  • 「自然仕立て」・・・茶樹の枝を剪定せず自然に芽を伸ばす栽培方法
  • 「棚被覆」・・・茶樹を16日以上、稲わらなどの天然資材で覆う
  • 「手摘み」・・・年に1回、丁寧に新芽を摘む
被覆栽培の茶畑で茶摘みをする様子(写真:福岡県農林水産部園芸振興課)
被覆栽培の茶畑で茶摘みをする様子(写真:福岡県農林水産部園芸振興課)

八女での玉露の栽培は約120年間このような形で生産されており、高品質なブランドとして付加価値の高いお茶となっています。

「八女茶」イベントに行ってきました!

つい先日、11月3日、4日に原宿で開催された八女茶PRイベントに行ってきました。

会場は原宿駅すぐ。

エスカレーターを上がると、八女茶の文字が躍るイベントスペースが!

外にはテラスもあり、テイクアウトした八女茶ドリンクをテラスで飲むこともできます。

八女茶の販売ブースもあり、いくつか試飲もできました。

JAふくおか八女のブース。玉露や煎茶が並んでいます
JAふくおか八女のブース。玉露や煎茶が並んでいます

ワークショップで使用しているのと同じ茶葉も限定販売
ワークショップで使用しているのと同じ茶葉も限定販売

こちらのイベントではお菓子も購入可能でした。

和菓子屋さんでこんなにポップなかわいいお店は珍しいですね。

福岡のお菓子のお店「ひつじや」さん。東京の仙川にも支店ができたそう。お茶まんじゅうは福岡の本店限定で八女茶の餡子が入っています
福岡のお菓子のお店「ひつじや」さん。東京の仙川にも支店ができたそう。お茶まんじゅうは福岡の本店限定で八女茶の餡子が入っています

八女茶をいれるワークショップに参加

会場では奥のブースで八女茶をいれるワークショップが開かれていました。

予約の方を中心に、大人の方や親子連れなど、幅広い年代の方々が参加して八女茶を楽しんでいましたよ。

八女の煎茶を楽しむ

最初にまず最初に参加したのは八女の煎茶のいれ方講座です。

こちらのワークショップでは、日本茶インストラクターの講師の方の説明とデモンストレーションを見た後に、手元の茶器を使って自分でお茶をいれるスタイルです。

日本茶インストラクターの早川博子さん。八女茶とは?から丁寧に解説された後、デモンストレーションがスタート!
日本茶インストラクターの早川博子さん。八女茶とは?から丁寧に解説された後、デモンストレーションがスタート!

茶葉は1人分3グラム、急須に入れておきます。

まず、60mlのお湯を70度まで冷ますために、湯冷ましに入れ、さらにお茶碗にお湯を移します。

器から器へお湯を移すごとに、冬は約10度、夏は5度程度お湯が冷めます。

湯冷ましからお茶碗にお湯を移してお湯の温度を下げています
湯冷ましからお茶碗にお湯を移してお湯の温度を下げています

70度に冷ましたお湯を急須に入れて約1分待ち、お茶碗に注ぎます。

70度に冷ましたお湯で丁寧にいれることで八女の煎茶の甘味やうま味が引き出せます
70度に冷ましたお湯で丁寧にいれることで八女の煎茶の甘味やうま味が引き出せます

デモンストレーションの後は、参加者も各自、手元の茶器でいざ実践!

みなさん、丁寧にゆっくりとお茶をいれています。

お茶を注いだとき、蓋を開けたときの香りに「あ~いい香り!癒される!」と。

一煎目のお茶はそのまま飲んで、二煎目と一緒にお菓子をいただきます。

二煎目、三煎目とお湯の温度を上げて、待つ時間は短くしていきます。急須を開けた時の香りも楽しみの一つ。お茶請けは福岡の「ひつじや」さんの吹き寄せです
二煎目、三煎目とお湯の温度を上げて、待つ時間は短くしていきます。急須を開けた時の香りも楽しみの一つ。お茶請けは福岡の「ひつじや」さんの吹き寄せです

八女茶の香りとほんのり甘みのあるお茶の味にほっとします。

お菓子も甘すぎず、お茶の味を引き立てていてとてもよく合います。

他の参加者の方々と八女茶の味の感想をシェアしたり講師の方とのお話も盛り上がり、和気藹藹と楽しい時間をすごすことができました。

八女伝統本玉露を「すすり茶」で楽しむ

お次は、八女伝統本玉露のワークショップです。

「すすり茶」(別名しずく茶)は、蓋つきのお碗の中に茶葉を入れ、50度ほどの少量のお湯を入れて蓋を閉め、2分ほど待ってから蓋を少しずらして「しずく」だけを舌の上で転がして味わう「究極の楽しみ方」です。

茶葉が浸るほどの少量のお湯を入れます
茶葉が浸るほどの少量のお湯を入れます

あまり馴染みのない飲み方ですが、うま味の強いお茶が好きな方にはぜひ試していただきたいです。

ふたを閉めて2分待ってから、蓋を閉めたまま少しずらして、天井を仰ぐようにしてしずくを飲みます
ふたを閉めて2分待ってから、蓋を閉めたまま少しずらして、天井を仰ぐようにしてしずくを飲みます

しずくに凝縮された香りとうま味と甘味が口の中に広がり、初めての方はかなり驚いていました!(私も昔、初めて飲んだ時はとにかくびっくり!しばらくこの飲み方にはまりました)

二煎目、三煎目と少しずつ温度を上げていきます。お湯はいつもひたひたにします
二煎目、三煎目と少しずつ温度を上げていきます。お湯はいつもひたひたにします

三煎目で茶葉が開いてきたら、茶殻を塩やポン酢につけて味わいます。

左は珍しい透明感のあるポン酢、右は岩塩です
左は珍しい透明感のあるポン酢、右は岩塩です

八女伝統本玉露の茶殻は苦味がほとんどなくうま味があり柔らかく、野菜のようにおいしく食べられます。

茶殻にもビタミンEや食物繊維などが含まれているので、最後までおいしくて一石二鳥ですね!

原宿でのイベントは11月3日と4日限定で終了していますが、都内と神奈川県ではまだまだ八女茶イベントは続いています。

来年2月まで開催予定の八女茶イベント

今後開催される八女茶イベントの詳細は「福岡の八女茶を味わう~『お茶を淹れる』楽しみを体験してみませんか~」(外部サイト)に、これから開催の情報も記載されています。

八女茶のイベントを開催しているお店がずらり。お近くのお店を見つけたらぜひ行ってみてください
八女茶のイベントを開催しているお店がずらり。お近くのお店を見つけたらぜひ行ってみてください

都内と神奈川県のお店。メディアなどでも紹介される人気店ばかりです
都内と神奈川県のお店。メディアなどでも紹介される人気店ばかりです

このように、沢山のお店が八女茶のPRイベントを開催しています。

もう終了してしまったイベントもありますが、まだまだこれからのイベントも!

11月4日のイベント会場でお茶スタンドを開設されていた下北沢の日本茶専門スタンド「ヽ-TEN-」さんは、12月10日に八女茶を使ったワークショップを開催されるそうです。

下北沢の日本茶専門スタンド「ヽ-TEN-」の青木さん。一見こわそうに(?)見えますが、話すと楽しいお兄さんです
下北沢の日本茶専門スタンド「ヽ-TEN-」の青木さん。一見こわそうに(?)見えますが、話すと楽しいお兄さんです

お店ではオープン当初からの定番メニューである抹茶と林檎ジュースや季節の食材を使ったオリジナルブレンドティーなど、お茶を使った新感覚のドリンクが楽しめるそう。

この日限定の八女茶と福岡産の柿のドリンク。ほんのり甘い八女茶の中に柿の優しい香りを感じます
この日限定の八女茶と福岡産の柿のドリンク。ほんのり甘い八女茶の中に柿の優しい香りを感じます

こちらでは他にもイベントを予定しているそうですので、「ヽ-TEN-」さんのインスタグラム(外部サイト)でご確認ください。

また、東京お茶の水のRESTAURANT 1899 OCHANOMIZUでは1月に、神奈川県逗子の逗子茶寮 凛堂 -rindo-さんでは2月に、八女茶のイベントが開催されるそうです。

お近くのお店や気になるお店があったらぜひ問い合わせを!

イベントでワークショップを担当するのは日本茶に詳しいプロばかりなので、八女茶の新たな楽しみ方が広がりそうですね。

八女茶をもっと楽しんで!

こちらのイベントを教えてくださったのは、福岡で活躍する日本茶インストラクターの今村由美さん。

今村さんも私と同じ日本茶インストラクター5期生(同期)でInstagramで時々交流しています
今村さんも私と同じ日本茶インストラクター5期生(同期)でInstagramで時々交流しています

福岡だけでなく都内でも八女茶を広める活動を精力的にされています。

実はお目にかかるのは初めてですが、SNSで交流しているからか同じお茶を愛する仲間として親近感が。

今回の八女茶のイベントの企画の他、オリジナルの移動式茶室でイベント会場でお茶をふるまうなど、沢山の普及活動を行っていらっしゃいます。

福岡の和菓子店「ひつじや」さんも今村さんのおすすめだそうで、私もいくつか購入して帰りましたが、どれもおいしくお茶にとてもよく合いました。

今村さんからは「福岡・八女の豊かな自然と伝統的な高い技術で製茶された八女茶の旨味をぜひご堪能下さい!」というメッセージをいただきました。

12月2日と3日には新宿区で開催される「日本茶コレクション(外部サイト)」というイベントで「八女茶セミナー」や「発祥600年記念 八女茶で茶歌舞伎」を担当されるそうです(どちらも有料)。

八女茶が飲みたくなったら

実は八女茶は、首都圏の日本茶専門店やデパート、スーパーなどでも手に入ります。

玉露は50g1500円以上でちょっと高級ですが、煎茶なら普段使いのものから贈答用まで幅広い価格帯で販売されているので、用途に沿ったものを購入して飲んでみてはいかがでしょうか。

オンラインショップなどで様々な生産者の方のお茶を購入するのも楽しいですよ。

今回の煎茶のいれ方や玉露のすすり茶のいれ方もぜひ試してみてくださいね!

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。日本茶の商品開発やカフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導。NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。

日本茶ナビゲーター Tomokoの最近の記事