東京国立博物館の茶室「応挙館」で日本の食文化を再発見!本物にこだわる特別メニューをご紹介
食欲の秋!
ご飯もスイーツもお茶もお酒も、あらゆるものがおいしく感じる季節です。
え?東京国立博物館の貴重な建築物「応挙館」の中で美食も楽しめる??
まさか、そんな贅沢、あるわけない・・・
ええっ!あるんですか??本当ですか???
あの幻のお酒も飲めちゃうんですか???
前回の記事、行楽の秋!東京国立博物館の茶室「応挙館」が期間限定で日本文化が体験できるカフェに!では、応挙館で開催中の「TOHAKU茶館」で楽しむ抹茶体験など日本文化体験をレポートしました。
今回は同じ空間で楽しむ「本物」の日本の食文化にクローズアップ!
10月27日からスタートする魅惑の秋メニューや限定商品をうかがってきました!
「TOHAKU茶館」で本物を味わう!
あの応挙館がカフェになるなんて信じられませんでしたが、一歩中に入るとそこは江戸時代にタイムスリップしたかのような空間。
それもそのはず、主人公が江戸時代にタイムスリップして活躍するTBS のドラマ「JIN 仁」のロケ地としても利用されたことがあるのです。
280年前に書院として作られ、広々とした広間が2つ続き、奥には江戸時代の画家円山応挙による松竹梅の墨絵が描かれています。
本物は東博内に保管されているそうですが、応挙館で見られる複製画はうっすらとした染みに至るまで再現された精巧なものだそうです。
室内でゆったりと応挙の絵を楽しむもよし、縁側でのんびりと庭園を眺めながら食事やスイーツ、飲み物を楽しむもよし、居心地の良い素敵な空間です。
食器はもちろん、テーブルや座布団に至るまで「日本の本物」に触れる機会を作りたいという想いで集められた品々は見る価値、使う価値ありの素敵なものばかり!
テーブルは京都の骨とう品店で集めたものだそうで、1つ1つ作りや塗りが違っているのを見るのも楽しいです。
この雰囲気の中で飲食するにはやはり本物でないと!と、TOHAKU茶館の制作協力に携わる株式会社Air Media(エアーメディア)の金綾子(こんあやこ)さんが京都を中心に全国各地の選りすぐりのものをセレクト。
中には大変貴重なものや、交渉に交渉を重ねてようやく採用できたもの、それから「TOHAKU茶館」オリジナルデザインの限定のものまで、その本気度と熱量のすごさに驚きました。
では、その「アツい」メニューの一部をご紹介します。
豊富な日本茶メニュー!
まず最初に驚いたのが、日本茶メニューの多さです!
抹茶と煎茶は京都の老舗「一保堂茶舗」のものを使用しているそうです。
一保堂茶舗は京都でも信頼度の厚い名店の一つで、私も本店の喫茶を利用したり、茶葉を購入したことがあります。
ほうじ茶は金沢の「丸八製茶場」の「献上加賀棒茶」。
すっきりした香ばしさで全国にファンが多い、こちらも名店です。
他に屋久島の和紅茶(国産紅茶)もあります。
和紅茶はここ数年クオリティもどんどん上がり人気も高まっているので、メニューにあるのは嬉しいですね。
秋メニューからは福岡の吉田園の八女伝統本玉露も登場するとか!今からとても楽しみです。
その他に日本茶のアレンジメニューが豊富なのも嬉しいポイントです。
「飲むわらび餅(抹茶またはほうじ茶)」や「抹茶ラテ」「ほうじ茶ラテ」もとても人気があるそうです。
これだけたくさんの日本茶メニューがあると、どれにしようか迷ってしまいます。
ぜいたくな悩みです!
目で楽しむ季節の和菓子
和菓子は上生菓子の単品から、2 種盛り、4 種盛りなど、お腹のすき具合やその日の気分で選ぶことができるのも嬉しいポイントです!
上生菓子は京都から取り寄せたもので、甘さ控えめでくちどけのよい練り切りです(2個くらいぺろっと食べられそう)。
季節により和菓子の意匠が変わるのも日本の食文化の特徴の一つで、季節を変えて何度も訪れたくなります。
上生菓子は京都の菓匠たにぐち、クッキー2 種類と無花果のパウンドケーキは富山の「T&T Waffle」のもの。甘さ控えめでこちらも本当においしい!
白い短冊形のものは紅玉りんごの琥珀(こはく)糖。
京都の永楽屋のものでこちらは期間限定品だそう。
日本茶にもとてもよく合いますが、日本酒にも合いそう!
栗蒸し羊羹は東京の清月堂のもの。こちらも絶妙なお味。
どれを取ってもおいしくて、和洋折衷で大満足の内容です!
本格的な京料理を味わう「季節のおまかせ御膳」
帝国ホテルにも入る「京料理伊勢長」監修の「TOHAKU茶館季節のおまかせ御膳」は、素材の良さを活かしたお料理の数々が重箱に美しく盛り付けられています。
京風のお出汁が香りどれも塩分が控えめなので子どもから大人まで楽しめそうです。
ごま豆腐や生麩など、京料理らしい種類豊富な素材が少量ずつ食べられます。
和菓子4 種盛りも付いてかなり満足感のある内容なので、2人でシェアするのにちょうど良い量かもしれません。
※こちらのおまかせ御膳は準備の関係から3日前までの予約が必須です。
京都の白みそのお味噌汁
お味噌汁が単品メニューであるのは珍しいですね。
「本格的な料亭ののお味噌汁」という表現がぴったりの白みそのお味噌汁は、上品なお出汁にほんのり甘い京都の白みそがなめらか。
生麩やお餅も入っているので、お味噌汁とはいえボリュームがあります。
おにぎりやいなり寿司とのセットもあるそう。軽いお食事にぴったりです。
お味噌は日替わりで、今は白みそと赤みそとのことですが、10月27日からはまた違ったものが登場するとか。
秋メニューのお味噌汁も楽しみですね。
お酒のあてに「缶つま」をどうぞ!
「缶つま」ってご存じですか?
私は今回初めて知ったのですが「お酒に合う肴を缶詰にしたこだわりのおつまみ」なのだそうで、超高級缶詰めなのです。
1缶500 円前後から1000 円を超えるものまであり、新鮮な素材のおいしさをぎゅっと閉じ込めているのだそう(中には1 万円を超えるものまであるとか!)。
こちらを少し味見させていただいてびっくり。
これ、本当に缶詰め?
それくらい自然な味付けでとてもおいしいのです。
繊細な香りの日本酒もこちらなら相性がよさそうです。
日本酒とウィスキーには並々ならぬこだわりあり!
実はTOHAKU茶館の企画は当初から「お酒ありき」の企画だったそう。
秋田の「新政(あらまさ)酒造」のお酒はTOHAKU茶館プロデューサーの米澤伸子さんがほれ込み、何度も交渉した末にTOHAKU茶館に置くことができるようになった逸品!
日本酒マニアの方に聞くと「それはそれは希少でなかなか手に入らない幻のお酒!」なのだとか。
無農薬のお米を使い木桶で発酵させるという日本酒の原点に帰るような製法で作られたお酒は、希少性もさることながら、その香りと味のとりこになる人が続出しているのだそう。
TOHAKU茶館では新政酒造のお酒を数種類置き、1 杯1500円から提供しているとのこと。
専用のグラスもそれぞれの銘柄に合う新政酒造オリジナル。
そのお酒の個性、香りと味がしっかり感じられるよう、グラスの形もそれぞれ違うのです!
グラスの柄にはボトルと同じ色の漆が塗られていて、和の雰囲気が感じられます。
私は残念ながらほぼ下戸なので香りだけ確認させていただきました。
日本酒の概念が覆されるワインのようなフルーティーな香りにびっくり!
これは相当おいしいはず(飲めないのが残念すぎる!)。
10月27日からは超希少と言われる新政酒造の「No.6」もメニューに登場するそうですよ!
こちらもお酒に詳しい方は小躍りする逸品とのこと。楽しみですね。
秋の新メニュー「ハイティーセット」となぜか「土偶」が登場?
ここで注目の2つのスイーツをご紹介します!
1つ目は「ハイティーセット」です。
TOHAKU茶館のインスタグラムでは既に予告されている「ハイティー」、つまりアフタヌーンティーのセットも10月27日からスタートするそうです。
こちらも3 日前までの予約必須だそうで日本茶3 種またはクラフトビールから選べるドリンク付きで2 人分8600円。
おまかせ御膳よりボリュームがあるそうです。
お酒が好きな方にはシャンパンのような新政酒造の「雨蛙」を合わせるのもおすすめだそうですよ。
そして、TOHAKU茶館オリジナルの「土偶(どぐう)」の和三盆干菓子も10月27日からお目見えします。
こちらはお土産として購入も可能とのこと。
木型から特注の和三盆干菓子で、京都の「甘春堂」謹製。
甘春堂さんは素材の良さと美しさに定評のある和菓子の老舗です。
干菓子の種類もとても豊富なのですが、まさか土偶を・・・木型から特注で・・・笑
しかし、なぜ縄文時代の土偶??
TOHAKU茶館オリジナルということで東博にちなみ、東京国立博物館所蔵の超有名な「遮光器土偶」をモチーフとしているのです!
教科書にも必ず載っているあのどこか宇宙人を彷彿とさせるお顔とフォルム。
何を隠そう私も土偶ファンなので土偶の和三盆に大興奮!
女将の金さんも土偶大好き!とのことで土偶トークで盛り上がりました。
さらには土偶モチーフの小物やアクセサリーも販売を予定しているとか。
しかも以前から私がインスタグラムで注目している京都の「蘇嶐釜(そうりゅうがま)」の陶器の土偶グッズ!これは欲しい!!!(気になる方は検索してみてくださいね。とっても可愛いです!)
全国の土偶ファンの皆さん!土偶の和三盆干菓子はTOHAKU茶館にしかありませんよー!!
ぜひこの機会に!
「TOHAKU茶館」ができるまで(秘話)
これまで東京国立博物館の茶室はお茶会の為の貸出しやテレビや雑誌の撮影のロケ地としての利用、そして、ボランティア茶会などの博物館主催のイベントでの利用が主だったそうです。
そんな折、今年度インバウンド観光客向けに東博が期間限定で「TOHAKU茶館」を実施することになり、株式会社Air Media(エアーメディア)が制作協力として関わることに。
金綾子さんいわく、睡眠時間を削りながら京都を中心に各所を回り奔走し、調度品から食器、食材、日本茶や日本酒など、様々な「本物」を調達したそう。
1つ1つの説明をうかがうにつけ、その熱量と本気度をひしひしと感じました。
また東博の担当者の方々のお話しもうかがい、「この東京国立博物館内の素晴らしい建築物を広く多くの人にもっと気軽な気持ちで見ていただき、ここでの体験をこれからの学びや楽しみに繋げていってほしい」という想いを受け取りました。
「TOHAKU茶館」は、都内とは思えない緑豊かな自然の中、鳥のさえずりを聞きながら日本の食文化が楽しめ、ずっとここにいたくなるような気取らず落ち着いた空間(素晴らしい空間なのになぜか落ち着く不思議)、まさに「本物」を体感できる貴重な場となっているのです。
「訪日外国人の方々に届ける東京国立博物館で本物の日本文化、コト体験」というコンセプトではありますが、国籍を問わず日本文化に触れられるTOHAKU茶館には、日本人の私も知らなかった世界がたくさんあり、多くの人に日本の良いものを紹介したい!という気持ちになりました。
TOHAKU茶館は日本文化が五感で楽しめる場所です。
ぜひご家族や友人、外国人のお友達を誘って出かけてみてはいかがでしょうか。
満足度の高い本物の体験ができますよ。
※現在、土日祝はかなりの混雑が予想されるとのこと。
平日の午前中であれば比較的余裕があるそうです。
体験や御膳などのご予約優先となるので、確実に利用したい方はご予約をおすすめします。
【11 月のイベント情報】
TOHAKU茶館では、時々イベントも開催しており、11 月10 日と11 日の夕方には東博のアンバサダーでもある文学座の俳優の山崎美貴氏との連携企画として、山崎氏が所属する文学座の俳優陣による朗読劇の上演「TOHAKU茶館の朗読会」を開催するそうです。
参加には事前申込が必要です。
日程:
2023 年11 月10 日(金)
2023 年11 月11 日(土)
時間:
17 時30 分開場、18 時00 分開演
朗読劇の鑑賞後には日本全国の厳選食材で作るおにぎりとおばんざいのセットやお飲み物をお楽しみいただけます。
秋の夜長に、趣あふれる「TOHAKU茶館」で芸術に触れるひと時をお過ごしください。
【東京国立博物館公式ウェブサイト「TOHAKU 茶館の朗読会」】(外部サイト)
詳しくはTOHAKU 茶館のインスタグラム(外部サイト)にも掲載されています。
その他最新情報も掲載されるそうなので、チェックしてみてくださいね。
東京国立博物館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
東京国立博物館ウェブサイト(外部サイト)
TOHAKU茶館(TOHAKU CHAKAN)
Japanese Authentic TEA CAFÉ
Okyokan Tokyo National Museum
―東京で本物の日本、コト体験―
【O P E N】
2023年7月14日(金)10:00
【期 間】
2023年7月14日~2024 年1月28日
【定 休 日】
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月23日〜1月1日、ほか休業日あり。
【営業時間】
10:00〜16:30(ラストオーダー16:00)
※10月13日より毎週金・土は18:00まで営業時間を延長
【場 所】
東京国立博物館 応挙館
【住 所】
東京都台東区上野公園13-9
【交 通】
JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分
お問合せはこちら↓
t-chakan@airmedia1.com
・英語による接客対応
・FreeWifiの使用可能
※直接お店に来られて空きがある場合は体験可能です。
TOHAKU茶館の入場には東京国立博物館の観覧料が必要です。
(大人1,000円/1人、大学生500円/1人)
TOHAKU 茶館ホームページ(外部サイト)
TOHAKU 茶館インスタグラム(外部サイト)
※TOHAKU茶館ホームページより引用。2023年10月現在の情報です。
取材ではTOHAKU 茶館様にご協力いただきいくつかのメニューをサンプルとして撮影させていただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。