Yahoo!ニュース

お正月の縁起物「大福茶」を買い忘れた人に朗報!日本茶のプロが家にあるもので作る大福茶のレシピを公開

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター
元旦にお茶に梅干しや昆布を入れて飲む縁起の良い「大福茶(おおふくちゃ)」

今年も残すところあとわずか。

お正月飾りも鏡餅もお節料理の準備もOK!

あっ!元旦に飲む「大福茶(おおふくちゃ)」買ってない・・・。

どうしよう、もうお茶屋さんも開いてないし、ネットショップで今注文しても届くのはかなり後。困った!!!

そんな人のために、家にあるものやスーパーなどで手に入るもので作れる大福茶の作り方をこの道20年の日本茶インストラクターがご紹介します!

そもそも「大福茶」って何?

大福茶と書いて、おおぶくちゃ、おおふくちゃ、と読みます。

地域により習慣も異なりますが、この時期限定の縁起の良いお茶「大福茶」。

京都が発祥の地とされ、お茶に梅干しや昆布を入れて飲むのが主流です。

梅干しは寒さに負けず花を咲かせる「長寿」の意味、昆布は「喜ぶ」という意味もあります。

一説によると、951年に都で疫病が流行った際に、六波羅蜜寺の僧であった空也上人が祈祷とともに薬用として梅干しを添えたお茶を人々に飲ませたところ疫病が治まり、時の村上天皇がこれにあやかり毎年お正月にお茶を服されるようになったそうです。

それで「王服茶」や「皇服茶」と呼ばれるようになり、その後庶民にも広がり、縁起の良いもの「大福茶」に字が変わったとされています。

今では茶葉と梅干しと結び昆布の入った大福茶セットもいろいろなお店で売られています。

詳しくは過去記事「お正月は「大福茶」を飲んで運気アップ!日本茶マニアおすすめの縁起のいいお茶で新年をスタート」をご覧ください。

大福茶を家にあるもので作ってみよう!

用意するものは、煎茶または玄米茶の茶葉、昆布、梅干しのみ。

茶葉の準備

煎茶や玄米茶はどちらでも良いです。

玄米が五穀豊穣の意味を持つと考えると玄米茶の方が良いかもしれませんが、味の好みで決めても。

玄米茶の茶葉。お正月用なのでお祝いの意味を込めてクオリティの高い煎茶と炒り米をブレンド。もちろん市販の玄米茶でもOK
玄米茶の茶葉。お正月用なのでお祝いの意味を込めてクオリティの高い煎茶と炒り米をブレンド。もちろん市販の玄米茶でもOK

お家に急須がある方は茶葉を、ない方はティーバッグのお茶でも大丈夫です。

昆布の準備

昆布はだし用のものを3~4センチに切り、ぬるま湯に1~2分つけておくとやわらかくなるので、ペーパータオルで水分を拭きとります。

昆布を浸けておいたお水はだし汁としてお料理に使っても。そのまま飲んでもうま味たっぷりでおいしいです。
昆布を浸けておいたお水はだし汁としてお料理に使っても。そのまま飲んでもうま味たっぷりでおいしいです。

水分を切った昆布を3ミリくらいの幅で切ります。

ちょっといびつな形のものもありますが、できるだけきれいなものを使います。
ちょっといびつな形のものもありますが、できるだけきれいなものを使います。

ひと結びしてできあがり!

肉厚のものは解けやすいのでしっかり結びます。沢山作って少し乾燥させてジップロックに入れ、冷凍しておくと元旦にすぐに使えます。
肉厚のものは解けやすいのでしっかり結びます。沢山作って少し乾燥させてジップロックに入れ、冷凍しておくと元旦にすぐに使えます。

梅干しと昆布をお茶碗にセット

梅干しは小さいものがおすすめです。

普通の梅干しでもカリカリ梅でもどちらでもお好みで。

梅干しに汁気がある場合はキッチンペーパーで水分を拭きとっておくと良いです
梅干しに汁気がある場合はキッチンペーパーで水分を拭きとっておくと良いです

お茶を注いでできあがり!

玄米茶または煎茶をお茶碗に注ぎます。

一煎目で梅干しと昆布を食べて、二煎目以降はお茶をお楽しみください
一煎目で梅干しと昆布を食べて、二煎目以降はお茶をお楽しみください

これでできあがりです。

梅干しの塩味と酸味に昆布のうま味の加わったお茶の味。

スープのような感じのお茶です。

金粉があれば一層縁起良いものになります。

お家にあるものでぜひお試しください!

玄米茶を飲みたいけど煎茶しかない!という方に

煎茶や番茶は家にあるけど玄米茶が飲みたい!でもわざわざそれだけ買いに行くのも・・・という方には、家にあるもので簡単に作れる玄米茶レシピをご紹介します。

お米を炒る!

え?玄米茶なのにお米?白米でいいの?

はい。市販されている玄米茶の玄米もほとんどは白米を炒ったものなのです。

無洗米ならそのまま、そうでない場合は一度洗って乾燥させたお米を使います。

焙烙(ほうろく)という茶葉を炒ってほうじ茶にしたりごまを炒るのにも使える焙煎の道具もありますが、油のひいていないフライパンでも大丈夫です。

お米は大さじ2杯くらいが作りやすいです(大きなフライパンの場合はもっと多めが良いです)。

焙烙に入れた白米(無洗米)
焙烙に入れた白米(無洗米)

火にかけて振って混ぜつつ、焦げないように10分程度炒ります。

だんだんお米が茶色っぽくなり、パチパチ音をたててお米がはぜてきます(ポップコーンのよう)。

パチパチと音を立ててはぜるお米。飛び散ることはありません
パチパチと音を立ててはぜるお米。飛び散ることはありません

だいたいが茶色になってきたら火を止めてしばらく冷ましてから器に入れます。

自家製なので色むらはありますが、ほんのり香ばしい香り。冷めたらジップロックに入れて保管し、早めに使い切ってください。玄米茶用の炒り米も市販のものがあり、そちらはとても香ばしいです
自家製なので色むらはありますが、ほんのり香ばしい香り。冷めたらジップロックに入れて保管し、早めに使い切ってください。玄米茶用の炒り米も市販のものがあり、そちらはとても香ばしいです

茶葉と混ぜて玄米茶を作る

茶葉が2、炒り米が1くらいの割合で混ぜます。

香ばしいのが好きな方は炒り米の割合を多くしても(市販の玄米茶は割合が半々くらいです)。

炒り米が1,煎茶の茶葉が2(茶葉は約4グラム)。これで2人分の玄米茶になります。
炒り米が1,煎茶の茶葉が2(茶葉は約4グラム)。これで2人分の玄米茶になります。

混ぜてから急須にいれてお湯を注ぎましょう。

このくらいだとほんのり香ばしい玄米茶になります
このくらいだとほんのり香ばしい玄米茶になります

お正月ということで、今回はちょっと贅沢に良い茶葉を使用しました。

宇治の「売茶中村」さんの颯々(さつさつ)
宇治の「売茶中村」さんの颯々(さつさつ)

上級の煎茶なので玄米茶にするにはもったいないのですが、お正月はハレの日なので特別に。もちろんそのまま煎茶としてもいただきます。

元旦は大福茶でスタート!

元旦の朝にはぜひ、縁起の良い大福茶を。

皆様にとって2024年も素晴らしい年になりますように!

年末の大掃除で古い茶葉が出てきて困っている方は、こちらの記事「その茶葉まだ捨てないで!年末の大掃除で発掘された古い茶葉を活用するアイディア3選」をご覧ください。
お正月のお餅の簡単アレンジ「お餅をアレンジ!お家で簡単に作れる「抹茶ぜんざい」のレシピをご紹介」もおすすめです。

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。日本茶の商品開発やカフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導。NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。

日本茶ナビゲーター Tomokoの最近の記事