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【富田林市】運行終了となった路線のバス停がまだ残っていた!バスが来ることのない幻の中山バス停はどこ?

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

富田林市内の東側にある南河内郡の町村(太子町、河南町、千早赤阪村)に公共交通で行く場合は、近鉄の喜志駅か富田林駅で金剛バスに乗ります。特に富田林駅からは河南町や千早赤阪村に加え、富田林市内の東側のエリアにもバスで行けるので大変便利ですね。

その富田林の東部にかつて中山バス停がありました。しかし2017年4月3日以降はこのバス停に停車するバスが運行が終了した状態で、事実上の廃止路線です。

ところが今でも中山バス停の痕跡らしきものがまだ残っていることが判明。どのあたりにそのバス停があるのか見てきました。

こちらは金剛バスのバス路線図です。かつて存在していた中山バス停は、ブルー色をした東條線の支線のような路線だったようです。

路線図を拡大しました。この中のブルーの路線(東條線)に中佐備というバス停があると思いますが、かつて中佐備バス停から支線が東方向に向かって運行されていました。

この路線は、途中、中山バス停を経由して、右側にある赤い路線の森屋西口バス停につながっていました。

わかりやすく手を加えると、以前に運行されていた頃は、この丸印をつけている青い線の路線でした。

ちなみに森屋西口に来たバスは、次の森屋バス停からさらに東方向、水分神社口バス停を通った後、緑色の河南町の白木線を通る路線方面に向かい、水分バス停で合流。その次の東水分バス停まであったそうです。

金剛バスは富田林駅を中心に放射線状に路線がありますが、その路線を横断するように支線が走っていたんですね。

ということで幻の中山バス停に行くために富田林駅に行きました。ここで駅前バスターミナルにある路線運行系統図を見たのですが、ここで驚くことが。

何と中山バス停が健在です。緑の東條線の支線が最終的に東水分バス停に向かっているのがわかります。運行終了して5年、事実上、路線廃止のような扱いになっていますが、正式にはまだ残っているのかもしれません。

ちなみに森屋から東水分の路線は、赤い千早線の支線が運行されているので、バス停は健在です。ただ中山バス停だけバスが走らなくなったわけですね。

東條線は、富田林駅の南側、金剛バス乗り場の4番から乗れます。

こちらが東條線の時刻表です。当然ながら、運行が終了している東水分バス停方面の時刻表はありません。

ということで実際に幻の中山バス停の近くに行ってみましょう。

東條線で中佐備バス停にでも良かったのですが、個人的に富田林駅から遠いバス停に先に行ってからより距離的に近いバス停に歩く方が気分的に楽かなということで千早線に乗り、千早赤阪村の森屋西口バス停から目指すことにします。

ということで森屋西口バス停に到着しました。

地図の右下にある千早線の森屋西口バス停から西に向かい、富田林市内にあった旧中山バス停を目指します。その後に富田林駅に戻るため東條線の中佐備バス停に向かって歩いてみることにしました。(緑色のルート)

森屋西口バス停から北側をみたところですが、西楽寺交差点からみて、いちばん右側は今バスで走ってきた道路です。その左、坂道になっているルートがかつて中佐備から中山バス停を経由してバスが走っていた道路です。

坂を上ってみましょう。森屋狭山線という名前がついています。

下を見ると、「太平記の村」と書かれたものがありました。

その坂道を登って行くと、みかん畑が広がっていました。

やがて工場が見えました。この工場を過ぎたあたりが、千早赤阪村と富田林市の境目です。

このゲートのようなものを越えたあたりです。

このように千早赤阪村の標識があります。なぜか富田林市と書かれた標識は見つけられませんでした。

今度は、なだらかな下り坂を歩いて行きます。ここを、かつてバスが走っていたんですね。

このようにとっぴーが描かれているということは、ここが富田林市である証です。

下っていくと懐かしい所に来ました。以前訪問したきらく農園さんです。

今回の訪問時はスイカなどを販売していました。さて、きらく農園さんの右隣、石垣のようなものが見えますね。実はここが旧中山バス停だったところのようです。

こちらです。ここにかつて中山バス停があったんですね。

拡大しました。今の緑色をテーマカラーのように使っていたのではない、古いデザインのものです。

さらに拡大。バス停の丸い部分を金具のようなもので吊り下げていました。5年前に運行が終了しているので、時刻表などはもちろんありません。

旧中山バス停から千早赤阪方向に撮影してみました。なんとなくですが、もうバスが来ることがないのに、「またバスが来てくれるはずだ」と信じて、待ちわびているかのようですね。

旧中山バス停から、中佐備バス停方向に少し歩くと蜜蜂の模型が見えてきました。ここはみつばち博物館さんですね。後はこの道をまっすぐに行けば中佐備バス停に到着します。

ということで、幻の中山バス停を歩いて見てきました。もうバス停としての役目は終わりましたが、かつてバスが走っていたという歴史的な証拠としてこれからも残してほしい気がしました。

旧中山バス停
住所:大阪府富田林市佐備
アクセス:近鉄富田林駅からバス 中佐備バス停または森屋西口バス停から徒歩2・30分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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