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【富田林市】大人も楽しい、感動の嵐!PLの塔のおひざ元で劇団カッパ座「しあわせの王子」を観てきました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

子どもはもちろん、大人も癒される、ゆるキャラは大人気ですね。

富田林の「とっぴー」をはじめ、隣接する河内長野の「モックル」や大阪狭山の「さやりん」、太子町の「たいし君」、河南町の「カナちゃん」、そして千早赤阪村の「まさしげくん」など、各自治体にいろんなゆるキャラがいます。

しかし、弱点というわけではありませんが、ゆるキャラができることといえば、手をつないでもらって歩くか、踊れても適当に体を動かすことしかできません。

また目が瞬(まばた)きをすることもないでしょう。それは「着ぐるみ」という制約条件があるからなのです。

そんなゆるキャラとは明らかに一線を画した、着ぐるみがしっかりと演技をし、さらに目が瞬きをするという人形劇団が富田林にあります。それは劇団カッパ座です。

劇団カッパ座とは、今年は創立55周年の等身大ぬいぐるみ(着ぐるみ)人形劇団です。

劇団カッパ座の劇場プラットは、富田林市内ならほぼどこからでも見られるPLの塔こと大平和祈念塔のすぐ手前にあります。

どんな演技がみられるのかとても気になりましたので、初日の昨日さっそく見に行ってきました。

公演が行われる場所は、劇団のホームグラウンドでもある「劇場ぷらっと」です。

大平和祈念塔のあるPL教団の敷地内です。まだ咲き始めたばかりでこれから満開を迎えようとしている桜並木がありますね。

ところで、劇団カッパ座の劇場がなぜPL教団の敷地内にあるのでしょうか?それはPL教団の御木徳近(みきとくちか)第二代教祖の発案により結成された劇団だからです。

余談ですが、第二代教祖は富田林を聖地として大平和祈念塔をはじめPL学園やPL病院を設立した人なのだそうです。さて塔の手前下に見えるピンク色をしたものは、これも有名で、昨年も拝見したしだれ桜です。

劇団カッパ座は1968年6月に富田林で創立され、結成から5~6年後にアメリカ公演を果たし、これまでに何回もの海外公演を行っています。今では全国のぬいぐるみ劇団の代表格といえる存在です。

参考までにこちらにカッパ座さんの動画があります。

現在の座長は三代目の西山英臣さんで、劇団の代表も兼ねておられます。また西山座長のお父さまもカッパ座の劇団員だったそうです。

リンク先を見てくださればわかりますが、昨年は天気が良かったのですが、今年はあいにくの曇り空。こればかりはどうしようもありません。

それでも今年も無事に桜が咲いてくれたことを感謝したいですね。

桜だけではありません、雪柳もきれいでした
桜だけではありません、雪柳もきれいでした

さて劇団カッパ座ですが、全国に友の会があります。発足当時から少しずつ広げていったそうで、2019年までは主に全国のいろんな施設からお呼びがかかり、公演しながら回っていました。

北海道から九州まで、各地域の人が「うちのところに来て公演してください」と引っ張りだこだったそうです。

しかし、2020年からのコロナ禍により、全国をまわっての公演が難しくなりました。この時に、創業の地である富田林での公演に主軸を置くことになるのですが、その際に意外に地元が手薄になっていたことに気づいたそうです。

劇団カッパ座は全国的に名前も有名で大人気だったのに、実は富田林にあることを意外に知られていない気がするのは、そういうところがあったようですね。

こうして劇団カッパ座のホーム劇場でもある富田林ぷらっとでの演劇が主軸となり、これからもその方向で運営していくそうです。ただ今年くらいから、また地方公演の話がまた戻ってきているので、それは並行して行っていくとのこと。

さて、しだれ桜を堪能したので劇場ぷらっとに向かいましょう。

劇場ぷらっとは20年前に完成しました。ここはかつてPLランドがあった敷地内なので、その時代からあったのかなと思いましたが、PLランドは1989(平成元)年9月に完全閉鎖したので違うとのことです。

劇場ぷらっとの前です。公演は11時からで、カフェ営業は10時から。私が到着したのが10時ちょっとすぎだったので、どうやらこの日のいちばん客だったようです。

こちらがメニューです。カフェ担当の井上さんによれば、今回、真ん中のさくらクレープに特に自信があるというのです。

菓子工房yamao
菓子工房yamao

それは、菓子工房yamaoさんに作り方を指導をしてもらったからだそうです。非常に厳しい指導だったそうですが、おかげで昨年よりもクオリティの高いクレープが完成したとのこと。

ということで、期間限定桜クレープ(600円)を注文しました。あと朝食を兼ねてホットドック(400円)も注文します。

さらにコーヒーまで頼んでしまいました。

コーヒーを頼んだのは正解だったようです。画像のカフェの受付の右側にコーヒー豆を挽く機械が置いてありました。オーダーを受けてからコーヒー豆を挽き、それからコーヒーを淹れて提供されており、その味わいも本格的なうまさでした。

さて、クレープとホットドックを待っている間、気になるものを見つけました。これはカッパ座のグッズ販売コーナーです。

ぬいぐるみのキャラクターを販売しています。

さらにキャラクターの土人形です。劇団カッパ座さんの着ぐるみは、お話を聞くと本当に驚きました。なんと1000体近くもあるのです。

その理由は、作品によって新しい着ぐるみのキャラクターを作る、また流行りもあるからだそうで、55年間の蓄積の結果そうなったそうです。

さて、出来上がった桜クレープとホットドックです。

こちらがyamaoさんの指導のもとに作られたさくらクレープです。桜をイメージした赤い粒々は当初チョコレートのような甘いものだと思いました。

ところが食べてみると、意外なことに、しょっぱい!それなのに、周りの甘い味と混ざるとそのしょっぱさがとてもいいアクセントになっているのです。

さらに食べ進めるとクレープの生地の間にクリームと餡子が両方塗られています。しかも底の方までたっぷりと!それぞれの味わいが口の中で合わさり絶妙な美味しさ、あっという間に平らげられました。

このクレープ、甘いものが苦手な人でもきっと大丈夫なのではという気もしました。

次はホットドックです。こちらも美味しくいただきました。

これを言ってしまうと劇団カッパ座さんに大変失礼かもしれませんが、カフェだけ利用しても十分楽しめるのではと思ったほどです。

さて、お腹がいっぱいになったところで、いよいよ劇場に入りましょう。今回の「しあわせの王子」は、前売が1500円で、当日券は2000円(いずれも税込み)。前売りの場合は前日までの予約で、支払いは当日行います。

幼児以下の場合、大人の膝の上で観覧する場合は料金不要(席が必要であれば年齢関係なく同一料金)とのことです。カフェも含めて現金のほか、PayPayの利用もできます。

こちらがチケットです。

公演は日によって変わりますが、昨日は11時と14時からの2回公演でした。

劇場内に入りました。子どもが喜びそうなものが並んでいますね。

よく見ると天井からも。空を飛んでいます。

ところで、当初、劇団カッパ座さんは小さな子供とその保護者(親御さん)が来るような演劇のように思っていたのですが、そうではありませんでした。

西山座長によれば55年も続けているため、当時子供だった人が大人になってからもまた見に来てくださるとのことです。昨日は実際に親子連れが多かったとはいえ、何組も大人だけの観覧者がいらっしゃいました。

トイレは入り口の奥、左側です。

トイレもちゃんと子供用がありました。やっぱり安心ですよね。

また母子室があります。これは劇中に子どもが泣いてしまうときに使える部屋ということで、中にオムツ台があります。

さて、トイレを出たときに気づきました。埴輪(ハニワ)がいますね。これは今回の演目「しあわせの王子」に埴輪が登場するのでしょうか?

そうではなく、劇団カッパ座さんはNHKとも深いかかわりがあるそうで、1983年から88年まで教育テレビで放送された「おーい!はに丸」(外部リンク)のキャラクターはカッパ座さんだったそうです。

このほか「お母さんといっしょ」にも登場したことがあるそうで、現在はななみちゃん(外部リンク)が、カッパ座さんなのだそうです。

余談ですが、今回の「しあわせの王子」主人公のツバちゃんと、かつてテレビで活躍した「はに丸君」は、劇団員の楠原公助さんという中の人関係で共通点があるとかないとか......

さて、公演会場(劇場)に入ってみましょう。

こちらが劇場内で、うれしいことに劇場内にカフェの食べ物や飲み物の持ち込みもできます。

正面から見たところです。まだ劇場が開場した直後に入ったので、お客さんの数が少なく見えますが、この後次々と入ってきました。

多くのキャラクターがいますね。劇団カッパ座さんは現在11名の団員さんで構成されていて、声優と演じるぬいぐるみを兼任しています。

それだけでなく、裏方も劇団員が担当するそうで、そういえばカフェでのお客さんの対応も劇団員の方たちがされていました。

さて、劇場内を見るといろんなところに舞台装置があります。

素人なのでこれらの機材を見てもなんに使うのかわかりませんが、いざ上演が始まってからどう使われるのか楽しみですね。

さあ、劇が始まりました。いきなり本編が始まるのではなく、前説のようなものからスタートします。

こちらは、カッパ座の代表キャラクター「きまるくん」です。本編のしあわせの王子とは無関係ですが、彼の役目は最初に3つの合言葉をみんなで唱えあうこと。

3つの約束とは次の通りです。

  • 「やくそくまもろう」
  • 「なかよくしよう」
  • 「あいさつしよう」

さて、前の画像のきまるくんは目が開いていますが、こちらの画像のきまるくんは目が閉じていますね。この瞬き(まばたき)ができることが、他のゆるキャラとカッパ座さんの大きな違いです。

次に演奏が始まりました。このキャラクターも本編とは直接関係ありません。

演奏が終わっていよいよ本編が始まります。

いきなり本編ではなくこういった前説のようなものがついていると、なんとなく得した気分になるから不思議です。

こうして舞台本編が始まりました。ところで先ほどから私は舞台を撮影していますが、これは撮影許可をもらって撮影しているのではありません。

実はカッパ座さんの舞台公演は、フラッシュをしなければ許可なく自由に撮影ができるとのこと。これは非常にありがたいですね。

さらに面白いのはこちらです。正面の舞台だけで演じるのではありません。このように両側横にスクリーンがあり、そこで演じるキャラクターもいるのです。

だからより臨場感があるんですね。

しばらくして主役のツバちゃんが登場しました。実はこの時も驚きました。それはツバちゃんの足元です。

なんとローラースケートを履いて登場しました。そのためステージ上では自在に動き回ります。これはゆるキャラでは絶対にまねのできない芸当ですね。

真ん中にいるのは「王子」です。ツバちゃんと王子がメインでストーリーが進行していきますが、これ以上ストーリーについては触れません。気になる方は劇場まで足を運んでみてください。

またときおりスクリーンをつかってこのような演出がなされています。つまりツバちゃんが遠くに飛んでいることを意味しています。

いろんなキャラクターが登場します。キャラクターの名前はチラシに書いてありますが、左からマシュー、お母さん、ジーヤ大臣という名前なのだそうです。

こちらはオットー大臣、中々コミカルなキャラクターでした。

またこのように、目の前にリアルに演じているキャラクターと、スクリーンに映し出されているキャラクターとのやり取りなど、高次元の効果がすごくて、大人もとても楽しめました。

それ以上に小さな子供が多くいるのに、どの子たちも飽きて椅子から動くなどはいっさいなく、演劇にくぎ付けになっている点もすごいと思いました。

それからこちらに代表されるように、レーザー光線を駆使している点も驚きました。始まる前に左右にいろんなカメラのようなものがありましたが、あの機材の中にレーザー光線を発するものがあったんですね。

こうして1時間弱の舞台は終わりました。

あまり書くとネタバレになるかもしれませんが、途中で観客との掛け合いのようなシーンがいくつかありました。最初は恥ずかしがっていた子どもも大人も、最後は大きな声で掛け合いに応じていました。

歌に合わせて手拍子をしたりする場面もあって、身体を使って楽しめるところも、カッパ座さんの魅力のひとつです。

舞台が終わると最後のお楽しみということで、主役のツバちゃんとの記念撮影ができます。

最初は恥ずかしがっていた子供たちですが、

最後はこうやって記念撮影をして終わりました。

ということで、劇団カッパ座55周年記念公園「しあわせの王子」を観賞しました。子供向けの内容だと思っていましたが、実は感動で胸がいっぱいになったほど見応えがありました。大人もしっかり楽しめるストーリーで、舞台を使ったいろんな演出効果にも驚きをかくせません。

それに加えてカフェメニューの美味しさも加わり、三拍子そろった劇団だと思いました。創立半世紀以上続き、全国から上演のお声がかかる理由がわかります。

「しあわせの王子」の公演は3月25日から4月9日まで(3/29と4/4・5は休み)とのこと。本当に楽しい舞台だったので、もっと地元富田林の人に知ってほしい、見てほしいと思いつつ、劇場を後にしました。

劇場ぷらっと(劇団カッパ座)(外部リンク)
住所:大阪府富田林市新堂2162番地
電話番号:0721-24-9610、070-6801-8366(電話予約用)
予約受付:10:00~18:00
定休日:水曜日
アクセス:近鉄富田林駅、南海金剛駅からバス PL病院前下車徒歩5分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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