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どのくらい知ってる?温泉でのNG行為

温泉旅バカひかさ温泉入浴指導員、YouTube動画クリエイター

記事を開いてくださりありがとうございます。温泉バカひかさでございます!

さて、今回のテーマは「温泉でのNG行為」です。前提としてお伝えしておきますが、温泉法などで別に温泉に関するルールが定められているわけではありません。なんならルールは各温泉施設によって異なります。したがって、これからご紹介する禁止事項が決して全ての温泉施設に該当するわけではないということをご理解ください。

また、最近ルールで縛りすぎることもどうなのかというご意見も様々な場所で見受けられますが、温泉については、「他のお客様に迷惑をかけない」という点が守れていれば正直良いのかなと思っています。そのため、今回ご紹介するのはあくまでも「他のお客様に迷惑がかかる行為」ということになりますので、その点ご理解をよろしくお願いします!

それでは、順番に見ていきましょう!

その1 携帯電話を脱衣所・浴室で使用する

概要

温泉施設の脱衣所や浴室において、携帯電話の使用を禁じている場所が大変多くあります。またその中でも多く掲示されているのが「撮影禁止」です。分かりきっていることかもしれませんが、その理由を確認しておきましょう。

理由

もちろんこれは、盗撮被害の防止ということになります。脱衣所や浴室で撮影をすると、人の裸体が意図なく映り込む可能性があります。これをやってしまうと完全に法律問題です。今までは各都道府県の迷惑防止条例に違反するという考えでしたが、2023年7月13日に「性的姿態撮影等処罰法(正式名称:性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律)」という法律が施行されました。これは、性的な部位をその人の同意なく撮影すると罰せられるという法律です。迷惑防止条例よりも罰は重く、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」となっています。

性的姿態撮影等処罰法
第二条 
次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

したがって、これに疑われる行為を禁止するという目的でも今後各施設では撮影禁止が広がる可能性はあるのかなと思います。

どうしても撮影したいとき

僕なんかもそうですが、例えばどうしても浴室内を撮影したかったり、脱衣所に掲示されている温泉分析書を撮影したかったりする方もいらっしゃるでしょう。その場合は必ず「許可」を得てください。無断撮影はもちろんNGです。

浴室内の撮影については、貸切風呂ではOKだったり、他のお客様がいなければOKだったりすることがあります。また温泉分析書の撮影については、スタッフの方同行で撮影なんてこともあり得ます。

どの施設でもこのような対応をしていただけるわけではありませんが、もしどうしてもという場合は必ず許可を得て行いましょう。

その2 浴室にハンドタオルを持ち込まない

概要

浴室内にタオルを持ち込まずに、手ぶらで入浴することもNG行為と考えてもいいかと思います。一見すると持ち込みしないことはいいことじゃないの?と思われるかもしれませんが、ハンドタオルは脱衣所で他のお客様に迷惑をかけないためにとても大切なものです。特に若い人に多いこのNG行為。(僕も若者ですが。)理由を確認してみましょう!

理由

温泉に入るときにバスタオルとハンドタオルを使うと思いますが、ハンドタオルは体を洗うためにあるから、自分は手で洗うのでいらないです!という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ハンドタオルにはとても大切な役割があります。それは「体を拭く」です。

浴室から脱衣所に戻るとき、体についている水滴をしっかりと拭き取ってから脱衣所に戻るのがとても大切なマナーになります。その理由ですが、足元が濡れるだけでなく、臭いにも大きく影響します。

浴室入り口などにバスマットが置かれていることが多いと思いますが、そこに水分を多く含んでしまうとどうしても臭い状態になるのです。臭い脱衣所って嫌じゃないですか?だからこそしっかり拭いてから脱衣所に戻るのです。

その3 かけ湯をしない/シャワーで洗わない

概要

温泉に入浴する前にお湯やシャワーで体を洗い流さない行為です。これもなんとなく理由はわかりそうですね。

理由

結論をお伝えしますと、「汚いから」ですね。かけ湯は溜められた湯や浴槽からお湯をすくって体にかけて汚れを取ることです。この目的だけを考えれば正直、シャワーで洗い流すでもOKだと考えています。特に泥まみれとか、汗だらけ、あとは海に入った後など様々な人がいると思いますが、少しでもそのような汚れが温泉に浮くとやはり嫌だという人も多いことでしょう。しっかりと洗い流すことを忘れないでください。

かけ湯の方が実は好ましい?

実はかけ湯の方が好ましいケースがあります。それは、温泉で特に刺激の強い温泉に入るときです(例:硫黄泉、酸性泉)。かけ湯は汚れを洗い流すだけではなく、体を慣れさせるという目的もあるのです。そのため、温泉成分が強い場合にはまず体全体を温泉に浸すのではなく、足元から順番に心臓に向けてかけていくということで、体への負担を減らすことができるのです。ちなみに溜められた湯壺が真湯の場合もあれば温泉の場合もあります。温泉の場合には浴室や脱衣所にその旨が書いていると思うので、確認しておきましょう。真湯の場合には今お伝えしたような体を成分に慣らすという効果は考えられないため、湯船からお湯をすくって行うと良いかと思います。

また、秘境温泉施設などではシャワーもなく湯船だけなんていうこともありますから、ぜひ湯船からのかけ湯も知っておいていただきたいなと思います。

その4 場所を占領する

概要

特に洗う場所(シャワー)を占領する行為ですね。その場所に居座るだけではなく、自分の持ち物(飲み物、桶、タオル、シャンプーなど)を置くことも含みます。これもダメな理由はすぐ分かりそうですね。

理由

簡単です。他の人が使えないからです。それ以上に言うことはありません。ただし、僕は理由はそれだけではないなと勝手に思っております。それは「湯船を清潔に保つ」です。

全く関係ないやんと思われた方もいらっしゃると思うのですが、これは先ほどのその3に関連します。シャワーがあると浴室内に入った人はシャワーの方へ流れていくことが多いです。一方、シャワーが満席だと、洗う場所がないから先に風呂に入ろうとなるわけですが、このときにどの程度「かけ湯」をしているかなんですよね。

流石にほとんどの方がかけ湯をして入浴されているかと思いますが、そうでない方も一部いらっしゃるわけです。残念ながら一人でもそういう方がいると皆さんが守ってきた清潔な浴槽が台無しになってしまいます。

そのため、シャワーエリアでは場所を占領せずに、回転率を上げていくことがとても大切かと思います。

補足

もちろんですが、人数があまり入れない浴槽、サウナ、イスなどでも同じことが言えます。

その5 髪やタオルをお湯につけない

概要

入浴中に、髪を温泉に浸けてしまっている(潜ることも含む)、手持ちのタオルを浸けてしまっている行為です。髪でもダメなの?というところですが、理由をしっかり考えてみましょう。

理由

こちらも簡単で温泉を汚してしまうからです。髪についている埃や汚れ、タオルについている汚れなどがそのまま浴槽内に入ると、当然温泉内で溶け出して汚れてしまうわけですよね。これもよく注意しなければなりません。

また、自分のためでもあります。アルカリ性の温泉については髪にダメージを与えてしまう可能性があるのです。どうやらパーマ液と同等くらいの刺激があるようなので、パーマをしたことがある人はその痛み具合がわかるかもしれません。

まとめ

今回は超基本的なルールを5つに絞ってお伝えしました。どのくらい知っていましたか?これはまだ万人向けのものですが、実は温泉好きの中でも暗黙の了解的な感じのマニアックなルールがあります。それはまた今度記事にさせていただきます!

マナーは自分も他人も快適に過ごすためにみんなが守るべきものです。もちろん法的拘束力があるわけではありませんが、マナー違反を見つけてしまうのも、マナー違反だ!と逆に指摘されるのも嫌な気分になることは間違いないかと思います。

だからこそ、みんなで再度マナーを意識してみませんか?

温泉入浴指導員、YouTube動画クリエイター

温泉入浴指導員、温泉ソムリエ、温泉保養士、温泉観光士の温泉バカです。YouTubeチャンネル「温泉旅バカひかさ」「マイ政経予備校」で活動しています。温泉については、温泉分析書を正しく読み、その人にあった入浴法をアドバイスできるように勉強中です。

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