Yahoo!ニュース

ブチ切れを防ぐ!謝罪の菓子折りマナー

太田章代新人育成トレーナー

仕事をしていると、どうしても「ミス」が起こってしまうことがあります。相手が怒ってしまった場合、今後の関係のためにも大切になってくるのが、「謝罪の仕方」です。

直接謝罪で足を運ぶ際には、時と場合によりますが、菓子折りを持参することをおすすめします。謝罪の菓子折りをお持ちする際には、いつもにも増したマナーが必要になってきます。

そこで、今回は謝罪で誠意を示すための「謝罪の菓子折りマナー」についてご紹介します。起こってしまったミスを挽回し、よりよい関係づくりにつなげていきましょう。

初動3時間!ミスの謝罪は当日すぐに

怒らせてしまった相手を訪ねるのは、勇気が要ります。「できれば先延ばしにしたい」と思うのが人情ですが、謝罪は少しでも早く行うことが大切です。

ミスの対応については、「初動3時間」という言葉があります。ミスが発覚した当日、なるべく早く相手を訪ね、直接誠意をもって謝罪をします。

とはいえ、急ぐあまりアポも取らず、いきなり訪問しては、さらに相手の心象を悪くしてしまいかねません。上司や周囲と相談し、適切な行動をとりましょう。

初回の謝罪訪問では手土産を持参しない

当然のことですが、謝罪の場において特に重要なのは、「お詫びの態度」であり、「菓子折り」ではありません。「お詫びに伺う際は、必ず手土産を持参しなければならない」というマナーはないのです。

さらに、お詫びの品を渡すことで、「モノで済ます気なのか」「菓子折りを選ぶ時間があるなら、その分早く来い」と、かえって気分を損ねることもあり得ます。しかし、反対に「手ぶらで謝りに来たのか」と思う人もいるのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

私のおすすめは、初回の謝罪では手土産を持参せず、ミスの対応が済み、改めて訪問する際に「謝罪」と「今後ともよろしくお願いいたします」の両方の意味を込めて、菓子折りをお渡しする、という方法です。

謝罪の菓子折りは「無難」が一番

では、誠意が伝わる「菓子折りの選び方」についてです。

あまり軽いお菓子よりも、やや重みのあるお菓子の方が、「事態を重くとらえています」ということを感覚的に伝えられます。羊羹やゼリーのほか、硬めの化粧箱に入った上品なお菓子が良いでしょう。また、広く知られた有名店や老舗の和菓子なども適切です。

また、包装紙や紙袋が派手でない、落ち着いた色味のお店を選びましょう。たとえば、赤地に白の水玉模様の包装紙の菓子折りは、ポップ過ぎて謝罪の場にふさわしくないですよね。

謝罪の場においては、印象に残らない無難な菓子折りの選択がベストです。

高過ぎも注意!謝罪菓子折りの相場

価格はどれくらいのものが良いのでしょうか。

クレームの内容や、相手との取引状況によっても変わってきますが、「3,000円~10,000円くらい」が目安です。会社の考え方によっても異なるので、周囲の意見を聞きましょう。あまりにも高価なものだと、「モノで済ませようとしている?」と疑念を抱かれることもあるので気をつけましょう。

菓子折りを渡すのは「謝罪を受け入れられた後」

菓子折りを渡すタイミングは、謝罪の後です。誠心誠意話し合い、相手が「わかりました」とお詫びを受け入れてくれた後に手渡します。

話の運び方によっては、謝罪を受け入れてくれないことも考えられます。その場合は、お詫びの品も受け取ってもらえないこともあり得ます。無理矢理に渡すことはせず、持ち帰りましょう。

お詫びの言葉と一緒に渡す

渡す際に「つまらないものですが」は避けましょう。「こんな時につまらないものを持ってきたのか!」と、かえって怒らせてしまう可能性があります。以下のような言葉が適切です。

「この度はご迷惑をお掛けして、申し訳ございませんでした。心ばかりではございますが、どうぞお納めください」

この場の主題はあくまでも「お詫び」です。謝罪に一言プラスして、お渡しするようにしましょう。

菓子折りの渡し方は、基本のビジネスマナーと同じ

お詫びの品の渡し方は、「基本の手土産のビジネスマナー」と一緒です。

紙袋は、持ち運ぶ際に品物に汚れやホコリが付くのを防止するものなので、渡す時には紙袋から出し、品物だけを手渡します。紙袋はそのまま持ち帰りましょう。

また、包装紙に絵柄やのしが付いている際は、相手から見て絵柄やのしが正しく見られる向きにして渡します。

「謝罪の菓子折りマナー」のまとめ

●初回の訪問には「菓子折りは持参しない」。対応終了後、改めての訪問時に持参

●菓子折りは、「少し重み」があり、「目立たない紙袋・包装紙」のお菓子を選ぶ

●菓子折りは、「相手が謝罪を受け入れてくれた後」に渡す

●渡す際の言葉は、「謝罪」+「一言添える」

ミスの対応は、今後の関係や取引の状況を左右する大切なものです。菓子折りを持参するのは、あくまで謝罪の補助的な役割をしています。誠意を持って真摯に謝罪を行いましょう。

------------------------------------------------------------------

【Youtubeで学ぶビジネスコミュニケーション術】

今日から使えるビジネススキルを動画で配信中
⇒ 研修トレーナー太田章代の公式Youtubeチャンネルはこちら

------------------------------------------------------------------

■企業研修・講演・執筆・取材のお問合せ

アイキャリア株式会社
太田 章代

新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

太田章代の最近の記事