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人前で話すときにやってはいけない!ありがちNG7選

太田章代新人育成トレーナー

仕事をしていると、「朝礼で話す」「お客様にプレゼンをする」「会の司会をする」など人前で話す機会があります。

しかし「人前で話すのはどうも苦手」という方、多いのではないでしょうか。

ここでは人前で話す時に「やってしまいがちなNG例」7選と、その改善策をお伝えします。

NG1「言い訳から入る」

人前で話す際の最初に

「このような場は、不慣れではございますが」


「初めての大役をおおせつかり、上手に話せるか心配ではございますが」


と自信のなさを伝えている人をお見受けします。

人前で話すことは緊張や不安があるので言いたい気持ちはわかりますが、上手く話せなくても仕方がないでしょという「言い訳」に聞こえてしまいます。

ほとんどの人は人前で話すことに慣れていないため、自信がつくまで繰り返し練習が必要です。ネガティブな言葉を使うことで、印象が良くなることはありません。

●改善策

ネガティブな言葉は言わず、「精一杯務めます」と前向きな言葉から始める

NG2「ずっと原稿を見て話す」

原稿やスライドを用意していたとしても、紙やスクリーンばかりを見ながら話していては、「練習不足感」や「自信のなさ」が出てしまいます。

聞き手は、目を見て話されることで「自分に伝えているんだ」と受け取り、話の内容を聞こうという気になります。話しながら、聞き手の目を見ることで、自分の熱意を伝えることも重要です。

また、原稿やスライドに書いてある文字をただ読むだけでは聞き手は退屈していまいますので、やめておきましょう。

●改善策

顔をあげて、聞き手の目を見て話す

NG3「話と表情が合わない」

「明るい内容を話しているのに、表情が暗い」など、話している内容と表情が合っていないときがあります。

例えば「本年度は皆様のお陰で、過去最高の成果を上げることができました」と嬉しい報告をしているのに、表情が険しいと気持ちが伝わってきません。『本当は嬉しくないのかな?』と思われてしまいます。

嬉しい話をするなら笑顔、真面目な話をするなら真顔、悪い話をするなら神妙な顔で話しをすると相手に気持ちが伝わります。言葉だけでなく、表情などの「非言語コミュニケーション」にも気をつけましょう。

●改善策

話の内容と合った表情で話す

NG4「専門用語やカタカナ語を多用する」

『話し上手な人』はどんな人だと思いますか。話の上手な人は、人に伝わるように「わかりやすく話すことができる」人です。

個人的なお話で恐縮ですが、カタカナ語を多用する人と会話すると、何を言っているかわからないことがあります。聞き手が知らない言葉を使うと、結局は何も伝わりません。

専門用語でわかりにくい例:

×「この電話は、ブランチ接続してあります」

〇「この電話は、1本の回線に複数の電話機を接続してあります」

カタカナ言葉でわかりにくい例:

×「お客様からコンセンサスを取りました」

〇「お客様から同意を得られました」

●改善策

話す相手に合わせた言葉を使う

NG5「偉人の言葉を引用する」

「○○(偉人の名前)が語った言葉があります…」などと、話をする際に偉人の言葉を引用して話す人がいます。

勿論それがいけないわけではありません。私も引用したことはあります。その言葉が自分にとって思い入れがあり、ぜひ伝えたい言葉ならばいいのです。

しかし、人前で話をする場だからと、とってつけたように「孔子の言葉に次のものがあります…」などと引用すると、「本当にこの人はその言葉を伝えたいのだろうか?」と疑問が生じます。聞き手には、人前で話す用の言葉はバレているものです(笑)

誰かの名言を引用するよりも、自身の体験談の方が説得力があるものです。たとえスラスラと話せなくても、心を込めて自分の想いを語れば、聞き手の心を動かすことができます。

●改善策

誰かの名言よりも、自分の体験談や考えを自分の言葉で話す

NG6「話す練習をしていない」

「固くなってしまって、上手に話せなかったよ」とお聞きすることがありますが、本当に緊張だけのせいでしょうか。

話を伺うと、実際には準備不足が上手く話せない原因であることが多いのです。シナリオを準備しただけで満足して、話す練習をせずに人前で話しても上手くに話せるわけがありません。これは私自身も体験済です。

本番は、聞き手の反応や全体の進行など、さまざまなことに意識が向きます。いろいろな要素が絡み、練習よりもコントロールが難しい場なのです。

話が成功するかどうかは「準備が8割」です。入念に準備をして、本番を迎えましょう。

●改善策

納得するまで繰り返し練習をする

NG7「話が長すぎる」

話があっちへ行ったりこっちへ来たり、「長い話」は結局のところ何が言いたいのか相手に伝わりません。

さらに、持ち時間をオーバーして長々と話しているような場合には、聞き手は話を聞いているように見えても「いつ終わるんだろう?」ばかりを気にしています。内容が頭に入ってこないのです。話の長い人は、時間を気にしていないことが多いので注意しましょう。

●改善策

準備段階で時間を決めて、簡潔に話す練習をする

□まとめ

人前で話すときにやってはいけない7選

1言い訳から入る

2ずっと原稿を見て話す

3話と表情が合わない

4専門用語やカタカナ語を多用する

5偉人の言葉を引用する

6話す練習をしていない

7話が長すぎる

人前で話すときは「これを話したい」「次は何を話そう」と自分軸で話しがちです。一方的な話にならないよう、聞き手に心のベクトルを向けて「何を聞きたいのか」「どうしたら伝わるのか」を考え、相手軸で話しましょう。

新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

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