用意するのは「鏡」だけ!驚くほど簡単に「滑舌」を良くするワザ
人前で話す場合、伝わり方に大きく影響するものが「滑舌」です。
アナウンサーや講師業など「話す」専門職ではなくても、取引先と接する営業職や、来客の応対にあたる事務員職など、「伝わりやすい話し方」は大切です。また、管理職など多くの人の前で話すことがある人なら、滑舌良く言いたいことを相手に伝えたいものです。
滑舌の話をすると、「自分は舌が短いから…」という人がいますが、実は滑舌と舌の長い・短いは関係ないのです。練習さえ積めば、誰でも滑舌良く話すことができるようになります。
今回は、簡単に滑舌を良くする方法をお教えします。
まずはチェック!あなたは母音がしっかり発声できている?
それでは、早速簡単に滑舌を良くする方法をお伝えします。その方法は、「母音をしっかり発声する」です。
「えっ、それだけ?」と思われるかもしれません。しかし、日本語には、どの言葉にも「あ・い・う・え・お」の母音が使われています。ですから、気をつけて母音をはっきりと発音するだけで、誰でも聞き取りやすい言葉を話すことができるようになるのです。
私自身も、母音をしっかりと発声するトレーニングを積んだことで、滑舌が良くなり、こもって聞こえていた声がクリアに聞き取りやすくなりました。
では、母音をしっかり発声できているかどうか、確認してみましょう。
まず、鏡を用意して、「あ・い・う・え・お」と口を動かしてみましょう。正しい口の開け方は、次の通りです。
「あ」:縦に指3本が入るくらい広げる
鏡で見た口の形→丸形
「い」:笑っているように口角を上げる
鏡で見た口の形→楕円形
「う」:指1本を入れて口をすぼめる
鏡で見た口の形→丸形
「え」:「い」の形に指1本を入れる
鏡で見た口の形→楕円形
「お」:「う」の形から指2本分顎を下げる
鏡で見た口の形→丸形
正しく口が開けられていたでしょうか?滑舌が悪い人は、この口の開け方ができていません。口を開けずに話すと滑舌が悪くなります。まず、この「あ・い・う・え・お」の口の開け方をマスターしましょう。
1日5分!簡単に滑舌を改善できるトレーニング
では、いよいよ、滑舌を良くするためのトレーニングです。先ほどの「あ・い・う・え・お」の口の開け方を思い出しながら、次のように練習してみてください。
(1)鏡を見て、「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ…」とゆっくりと発声します。
(2)(1)に慣れたら、次に「こんにちは」「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」など、日常使う言葉を口の開け方を意識して発声します。
(3)日常の会話では口の周りを動かしすぎると不自然なので、口の開け方を意識しながら、徐々に自然な動きに近づけます。
(4)日頃よく電話応対をする人なら、「お電話ありがとうございます。〇〇会社の△△でございます」など、普段話す言葉を練習しましょう。
スマホの録音機能などで、自分の発声を録音して聞いてみると、改善点を見つけることができますよ。
最後の一音まで気を抜かずに発声する
口を正しく開けて話すと、一音一音を発声することができるので、最後の一音までしっかりと聞き取ることができます。
私は多くの人の話を聞く中で、話の最後に力を抜いてしまう人が多いように感じています。話の重要な箇所はビシッと決まったのに、最後に「よろしくお願いいたします」と言うところで、滑舌が悪くなってしまい、言葉がもつれてしまう事があるのです。
緊張していると、話を早く終わらせたいと思うあまり、焦って早口になり、噛んでしまいがちです。長い話をする時こそ、最後の一言まで丁寧に発声する意識を持ちたいものです。
まとめ
滑舌を良くするための方法は、次の通りです。
①「あ・い・う・え・お」の母音をしっかり口を開けて発声する。
②最後の一言まで気を抜かず、丁寧に発声する。
この2つを意識しながら、良く使う言葉を鏡に向かって「毎日5分ずつ」発声してみましょう。仕事の場で、相手が聞き取りやすい話し方ができれば、コミュニケーションも円滑になります。ぜひ練習してみてくださいね。
研修トレーナー太田 章代
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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』