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【姫路市】生姜醤油でいただく姫路おでんのダシはどんなタネをも包み込む懐の深さ。クラフトジンを相棒に

千姫文筆家・ライター講座講師・モデル(姫路市)

おやっ。魚町通りを歩いていると窓越しに湯気と人の姿が見えます。入ると、おでんの店! きっと、たいていの人が、このプロセスを踏むでしょう。扉には小さく「クラフトジンとおでん専門店 maruya」の表記があるけれども。

お客さんは入れ代わり立ち代わりで常に満席。食べ始める前に次の予約をする常連客、帰り際に2日後に来ると告げる人、「一度食べたらファンになる」というウワサは本当だった。

滋味豊かなダシに感激

10月中旬にオープン。飲食業界に20年身を置き、バーテンダーとして15年の経験がある小谷建治さんが店主です。「独立するなら、『おでん』でと思っていました。練り物店で働き、調理師免許を取得していた母の影響もあって。家でもダシをひいたおでんを食べていましたから」

7席のカウンターのどの位置からも16種ほどが、くつくつ煮えているのが見えます。ここでいう「おでん」は「姫路おでん」で、生姜醤油でいただくのが基本。しかもmaruyaではミニおろし器を使って生姜を自分ですりおろすスタイルです。
隣の人の様子を撮影。

すりたての香りが「おでんの口」にさせ、期待感が高まります。
「5種盛り」といいながら、なんか多い!? おまけ付き。

「おでん5種盛りおまかせ」(1600円)。この日はレンコン、ちくわなど。単品は300円~
「おでん5種盛りおまかせ」(1600円)。この日はレンコン、ちくわなど。単品は300円~

最初にダシだけを味わってみると、生姜醤油との兼ね合いを考えて濃さは控えめ。だけど滋味豊か。羅臼昆布、しび節、かつお節を使用し、長時間かけて作られたものです。ダシと生姜、たつの市の本醸造醤油の融合が、それぞれのタネを一段上の味に持っていきます。
「牛すじ」は単品のほか、「おでん8種盛りおまかせ」にも含まれています。

「牛すじ」(650円)
「牛すじ」(650円)

下処理が丁寧なため、爽やかに食べ進められました。

おでんのパートナーはクラフトジン

店内を見渡すとジン、ジン、ジン。約45種類、すべて国産のクラフトジンです。

「和のボタニカルや焼酎ベースのものもあって、和ダシとよく合うんですよ」と教えてもらいました。今回は小谷さんが、おでんのパートナーとしてクラフトジンを選んだきっかけになった京都蒸溜所の「季の美」を。

おでんとジン、もっと早くにこの組み合わせを知りたかった――。お米のスピリッツに緑茶、柚子、笹の葉といった日本のボタニカルを取り入れているから、相性がいい。いろいろなジンとのコラボを試してみたくなりました。

目指しているのは「日本一、お客さんを幸せにするおでん屋」。

おでんとジンと小谷さんの軽妙洒脱なトークでバランスの良い正三角形が生まれていて、千姫はハッピーに。お客さん同士が和気あいあいと過ごす要素も加わって、三角形は次第に円形へと。まさしく丸く収めるという意味を込めた店名「maruya」になり、ハッピーハッピーに。

クラフトジンとおでん専門店 maruya
住所:兵庫県姫路市立町55-2
電話番号:050-1091-5009
営業時間:平日と日曜17:30~24:00 / 金、土曜17:30~25:00
定休日:月曜 ※そのほか月に1度の火曜。年末年始休業などはインスタグラムで確認を
※予約は2日前までに
※土鍋でおでんが楽しめる2階(最大6人)の貸し切り予約は1週間前までに

文筆家・ライター講座講師・モデル(姫路市)

大好きな姫路のまちを、さらに元気に―。その一心で執筆をしています。千姫自身の率直な感想と取材で得たこぼれ話などを通して「ここに行きたい!」と心が動く場所を紹介していきます。元新聞記者、モデルとしてはファッションショー・ヘアショーに出演。 Yahoo!ニュースエキスパート2023年10月、11月、2024年3月 地域クリエイターMVA受賞

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