【姫路市】丁寧な打ち合わせと制作途中の見学で納品時にはすでに愛着が湧いている!木製品いろいろオーダー
とある店舗での取材中、たまたま出会ったのが姫路市内に木工・家具工房「木犀(もくせい)」を構える藤原秀俊さんでした。取材先のオーナーはカウンターを指差し、「天板を作ってくださった人なんです」と目を輝かせて紹介。すでに各方面から藤原さんの評判を聞いていた千姫、これはご縁と工房へ。
オーダーもリメイクも工夫を重ねて
2023年5月に開業。それまで飲食業界に身を置くこと計16年。大手飲食チェーンの出店責任者として全国を回り、その後は京都の和菓子店でエリアマネージャーに。社会情勢の影響で故郷姫路に戻り、銘木店へ勤務。藤原さん個人への家具の受注が独立する大きなきっかけとなりました。
オーダーが主流ですが、リメイクも手がけています。
使い込まれたイスが――、
劇的に、生まれ変わった。
トチの縮み杢が美しい。座面は自然そのまま、斜めで粋。座面も背もたれも、木の表面の皮を残した耳付きです。
納品間近のワークデスクは、ほぞ組み。見えない部分に優れた技術が詰まっている。
藤原さんが一人で、木材の仕入れから制作物の販売までを。
オーダー時にイメージが固まっていなくても、打ち合わせの際、使用する場所や使い方、適する木の種類や予算などを総合して提案してもらえます。
オーダーした物が作られている過程を見学できることで、“納品したときには、すでに愛着が湧いている”のです。
身近に置きたい自分だけの木製小物も
家具と同様、小物類もすべて無垢材。経年変化で味わいが増します。ウォールナットは赤みを帯びていき、ブラックチェリーは飴色に育っていく、というふうに。
一見、木の塊に見えるスライド式のカードケースは、台形にくり抜かれた特殊な仕掛け。
蓋が選べるペンケース。木の種類によって、ずいぶん印象が変わりますからね。
アクセサリーケースは強度を増すためのかんざし留め接ぎが、おしゃれ。
かんざしは、スタッキングトレーにも。雰囲気があるので、飲食店で重宝しそう。
板皿には3種ほど前菜をのせたいな。
毎月第3土曜(4月は20日)に姫路駅西エリアで開催されている「旧市のきさき朝市」の出店では小物類が並びます。
YouTubeや本で「なぜこの形になっているのか」といった技法の背景を研究し続けている藤原さん。「素早く簡単に作れる方法もある。でも10年後、20年後はどうかを見据えて取り組んでいる」と話します。飲食業界時代に培ったきめ細やかな説明の仕方は、千姫にも十分に届いた。誠実な人柄で、相談もしやすいフランクさ。評判の人になるはずです。