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【元美容ナース体験談】ほうれい線のPRP再生療法後15年経過した老後の変化を写真付きでレポート

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者

私が美容外科に勤めていた20代のころ。再生医療の先駆けである「PRP注入治療」が始まりました。現在主流になっているPRP治療は、患者様の血小板成分に成長因子を含有した方法です。

私は、出始めたころのPRP製剤から現在主流になっている成長因子添加のPRP製剤まで、試験的に全ての製剤を注射しました。

実際に各世代のPRP製剤の効果はバラバラでした。そして、注射してから15年経過した今の状況までを含めてご紹介します。

PRPとは、Platelet-Rich Plasma(多血小板血漿:たけっしょうばんけっしょう)の略称です。

患者様ご自身の血液から、血小板のみを抽出しているのですが、通常の血小板よりも含有されている血小板数を、濃縮して抽出した製剤を使用してエイジングケアを図るものです。

血小板はケガなどをしたときに、欠損した組織を修復するためにさまざまな成長因子を放出して損傷した組織を回復させます。

この働きを美容医療に応用して、しわの原因となっている細胞のダメージ回復を狙った治療がPRPの注入治療です。

1.PRP再生療法の歴史

PRPを美容医療に活用し始めたのは、今から約15〜20年くらい前までにさかのぼるでしょうか。そこから患者様の血液を活用した、美容医療における再生医療の歴史が始まりました。

【第一世代:血小板成分のみのPRP】

当時のPRP皮膚再生療法は、患者様の血液を採取し、遠心分離器にかけて血漿と血球成分にわけ、血漿のみを抽出。

その後、さらに遠心分離にかけ、血小板が多量に含まれているとされている、採血管の下から約1cm程の血漿を採取し、PRP製剤として患部に注入していました。

まさに、患者様の血液成分のみで作られた製剤でしたので、自己血注射といえるべき方法で、現在のPRP治療に見られるしこりや凸凹などのトラブルは皆無でした。

しかしながら、はっきりとした効果の実感も得られず...。顕微鏡レベルで見れば何かしらの変化は確認できたのかもしれませんが、見た目の印象の変化は全くと言っていい程分からない程度でした。

【第二世代白血球を含有したPRP製剤の登場】

PRPの第二世代の治療ともいえる、白血球を含有したPRPの注入治療。

白血球を含有させたことにより成長因子の活性が高まり、より期待できる効果が高まったと理論上での報告があった製剤。

この治療も、やはりはっきりとした効果を実感するには、限定的なものでした。

目の周りのちりめんジワの改善や、お肌が何となくふっくらとした感じがありましたが、ほうれい線のしわや眉間のしわなど、深いしわに対しての効果は…。

ほとんど感じられないほど...。目の下のクマの治療としては、時に効果の実感が得られてお喜びの声を聞くこともありました。

【第三世代以降現在主流の成長因子添加PRP製剤に】

肌細胞のエイジングケアとして注目されていたPRP製剤ですが、エイジングサインを気にする女性たちのお悩みに対応できるほど、優れた効果を発揮できるものではありませんでした。

しかし、この成長因子を添加する世代に入ってきたころ、効果の現れ方に劇的な変化が生じました。

それは、PRP製剤に薬剤としての成長因子「b-FGF」を添加することにより、いよいよくぼみや深いしわまで改善ができるようになったのです。

しかし、効果の現れ方には個人差があり、成長因子の反応が良すぎてしこりや凸凹が生じてしまうケースも少なくなかったのです。

2.元美容ナースのPRP注射後の変化

筆者は、PRP注射をいち早く導入した美容外科に勤めていたので、すべての世代のPRP注射を試し打ちしていました。

はっきり言って、第一世代と第二世代のPRPは「なんじゃこりゃ?」と言わざるを得ないほど、筆者としては全く効果の実感ができませんでした。

注射をされて、ただ痛い思いをしたくらいにしか感じなかったのです。※顕微鏡レベルで見たら何かしらの変化はあったのかもしれませんが...未確認です。

衝撃を受けたのは第三世代の成長因子含有のPRP。当時は20代半ばだったので、ほうれい線を気にしていたわけではありませんでしたが、なんとなくくぼみも出始めていたので予防的な意味も込めて第三世代のPRPを注射

これにはびっくり。処置直後に少しくぼみ始めていたほうれい線がフラットに!

喜びを隠せずにいましたね!

3.しこりができて表情を変えるとふくらみが「ぽこっ」と目立つように...

しかし、半年ぐらいたった後でしょうか...。徐々にほうれい線の下側に注射したPRPの部分がしこりになってきて、笑った時に「ぽこっ」とした1×1cm程度のふくらみが出るようになってしまったのです...

当時、PRPはほうれい線部分を挟んでこのように面で注射しました。注射範囲が赤の点でほうれい線が青の部分です。

ほうれい線を挟んで下側のこの部分が、笑顔になったときに「ぽこっ」と、飛び出るようになってしまいました。

点線で囲った部分が飛び出すように…

今の私の写真なので、このくらいオーバーに表情を変えて出る程度ですが、当時はちょっとした表情の変化でも生じる違和感だったのでかなり気になっていましたね...

ステロイド注射で過剰な肉芽形成を抑えたりもしていましたが...今のように、表情を変えても気にならなくなったのは30代をこえた頃から。5年くらいは違和感に悩んでいたのだと思います。

4.色々あったけど「ほうれい線」の注射治療としてはおすすめ

結論として、途中トラブルはあったものの、結果的には「注射して良かった」と、私は思っています。

しこりができて、表情に一次的に違和感は生じたものの、激しく目立つようなものではなかったですし、幸い誰からも指摘を受けたことはありませんでした。

それ以上に、40代になった今でもPRPの効果を実感できていて、明確なほうれい線ができない状態を維持できています。

【無表情時】

【表情変化】

40代になって、このレベルのほうれい線ならいい状況をキープしていると思います。紹介した一番上の写真のように、つまめばPRPの存在を確認できます。きっとまだまだ効果を発揮してくれることでしょう。

ほうれい線以外に注射をしなかったので、そのほかの部分もしておけばよかったなと思っています。

また、一次的に発生したしこりですが、今のPRP治療はさらに精度のいいものになっているので、もっとタイトな調整を個別性に合わせて施せるはずです。

しこりや凸凹などのリスクを抑えて、気になるお悩みを解決に導くための方法を上手にとり入れ対処できる時代になってきています。

以上のことから、なくなってしまうヒアルロン酸注射や、最近ではあまり効果を感じられないといわれている糸リフトをするくらいなら、私は個人的にPRPがいいかなと思っています。(※個人の感想です!)

美容医療を上手に賢く活用し、効率的なエイジングケアをしたいですね!

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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