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美容整形で失敗してしまった!リカバリー方法について解説(二重・ヒアルロン酸・ボトックス編)

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者

エイジングケアや、ちょっとしたプチ整形で昨今注目を浴びている美容整形。

その中でも注入系の処置や二重の埋没法などは、非常に短時間でその日のうちに日常生活に戻れるということもあり、年代問わず人気の美容整形です。

しかし、手の出しやすさから、その分

  • 「うまくいかなかった」
  • 「満足いく仕上がりにならなかった」

というような患者様のご要望とのミスマッチが生じやすい処置でもあります。

そんな時にどうしたらリカバリーできるのか、修正はうまくいくのかという部分について知っておくと、美容整形を賢く活用することができるでしょう。

今回は美容整形で人気のプチ整形「二重の埋没法・ヒアルロン酸注射・ポトックス注射」で起こる、万が一の場合のリカバリー方法について解説します。

1.二重のラインが気に食わない!「埋没法」は糸を取り除くことでリカバリーできる

二重の埋没法は、カウンセリングで医師と二重の幅を決めた後、糸を埋め込む手術をします。

【手術の流れ】

麻酔の目薬をする
顔全体を消毒する
手術用の布を顔にかける
上瞼をひっくり返し瞼の裏側に局所麻酔の注射をする
麻酔が効いたことを確認して手術開始
瞼をひっくり返しながら糸を通していく(希望の埋没回数繰り返す)
糸が全て止まった段階で目を開けて二重幅のチェック
問題なければ余分な糸をカットする

全部合わせても長くて15分程度。早い医師なら5分程度で手術が終了します。

最近では、ファッション感覚で埋没法の二重施術を受ける人もいます。

全体的な件数が多くなるほど、「修正してほしい」というお声も増えてきます。埋没法をリカバリーするのはそんなに難しくはありません。

「埋まっている糸を取り除けば良い」もしくは「追加で糸を埋没する」どちらかの方法を選択します。

患者さんのご希望と医師の診察結果により取れる手段は異なりますが、糸を追加する場合には、初回の手術の時と同様、同じ方法で糸の本数を追加します。

糸を取り除いて修正する場合は、先の手術で埋没した糸をピンセットで探し当て引き出してハサミでカット、取り除きます。

手術後半年程度であれば比較的容易に取り出せますが、数年たったものは取り出すのが困難な場合も少なくありません。

埋没した糸の色が抜けてしまい、透明化して探すのが困難な場合もあるのです。

探すのに時間がかかれば、その分麻酔や手術操作による腫れも生じます。

「糸を取り除きたい」と考える場合は、手術後できるだけ早く、できれば手術をした医師に取ってもらうのがよいでしょう。

2.ヒアルロン酸の凸凹が気になる!注射ですぐに溶かして即リカバリー

ヒアルロン酸の種類や量・注入箇所のミスにより想定以上に...

  • 整形っぽくなってしまった...
  • 顔がパンパンに...
  • 笑った時に凸凹している

など、思わぬトラブルが生じることも...

実はヒアルロン酸注射は、思ったよりも簡単にリカバリーができてしまいます。

ヒアルロン酸注射をリカバリーするために使われるのは「ヒアルロニダーゼ」という薬剤。ヒアルロン酸を分解するので、注射したヒアルロン酸を溶かして「なかったこと」にできます。

その効果は、注射した直後からみるみる溶けていくのですから驚き。

ヒアルロン酸注射をするのに数万円かけて注射したものがあっという間になくなるので、文字通り「お金を溶かした」と感じてしまいます…

ちなみにヒアルロニダーゼを使ってヒアルロン酸を溶かした後、すぐにヒアルロン酸注射を行うことはできません。

ヒアルロニダーゼが残存していた場合、せっかく新しく注射したヒアルロン酸も溶けてしまう可能性があるからです。

注入量や医師の診察により、追加注入が可能な時期は異なりますが、だいたい1週間後から1ヶ月後以内に再処置許可の診断が下りるケースが多いようです。

3.ボトックス注射は何もしなくても遅くても半年で効果は切れる。少しでも早くリカバリーしたいなら筋肉の動きをサポートする注射で早めのリカバリーを狙う

ボトックス注射は、表情の変化によるしわの形成を、表情筋の動きを抑制することによって低減させる治療です。

しかし、注入量や注入部位、患者さんごとに普段どのくらい表情筋を使って日常を過ごしているかなどの見極め不足により

  • 目があげにくい
  • 笑えなくなった
  • 人相が悪くなった

など、処置後の違和感を強く訴えられてボトックスの効果を修正したいとご希望される患者様もいらっしゃいます。

基本的にボトックス製剤は可逆的な処置なので、長くても半年ぐらい放置していれば自然と効果は切れます。

無駄な手数やお金をかけずに修正したいならただ黙って待っているのが一番ベストですが、見た目印象の変化や日常生活における違和感を払拭するために「半年間も待ってられない」とおっしゃる患者様も少なからずいらっしゃいます。

そんな場合には、ボトックスの筋肉の動きを弱める作用に反する注射を活用します。

注射製剤としては、「アセチルコリン塩化物」を注射します。

ボトックスはアセチルコリンと呼ばれる物質が、筋肉に作用して筋肉が動く働きの中でアセチルコリンの受容体と結びつき、その作用を減弱させる効果を持ちます。

アセチルコリン塩化物はその名の通り、アセチルコリンの働きを示す作用が期待できるため、ボトックスにより抑制されていた筋肉の動きを再び取り戻すことができるのです。

しかし、アセチルコリン塩化物の効果が減弱してくると、ボトックスの作用が切れていない限りはまた筋肉の動きが止まってしまいます。

時として何度か繰り返す必要もありますが、ボトックスによる違和感を早めに解決したいと考える場合にはこちらの薬の使用が非常に有効です。

まとめ

今回は、比較的安価でトライできる美容整形に対して「うまくいかなかった」と感じる場合にできる対処法について解説しました。

美容整形の中では、比較的手の出しやすい3つの処置について紹介しました。実際に診療現場で働いていると、絶対数が多い分患者様の修正依頼も多い処置の一つと言えます。

今回紹介した3つの処置は何かしらのリカバリー方法があるため、美容整形を試してみたいと考えている場合には、比較的手の出しやすい処置と言えるでしょう。

最初から自分の理想通りに仕上げるのがもちろんベストですが、医師とのコミュニケーションが不十分だったり、美的センスが自分とは異なっていたりする場合に、思った通りの仕上がりにならなかったというケースも少なからず生じています。

最初から最高の仕上がりを求めたいところですが、万が一のことを考えてリカバリーできるものから手を出していくのも1つの賢い美容整形活用方法です。

美容整形のいいところばかりにとらわれず、悪いところやリスクなどにもしっかりと目を向けて万が一のことを想定し、「自分でも対処する方法があるのかどうか」を知っておいたうえで選択するのが、賢い活用法と言えそうですね。

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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