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植物性ミルク商品の需要拡大か? 飲料から枠を超えた商品が続々登場!

シズリーナ荒井アイス研究家/リサーチャー

 牛乳の代用品として活用され、豆乳やアーモンドミルクを筆頭に市場を広げている植物性ミルク。近年では健康意識の高まりを背景に人気が高まっている植物性ミルクの新たな選択肢として、飲むだけではなく今や枠を超えた植物性ミルク入りの製品も増え続けていることをご存知ですか?

 スーパーマーケットでも多くの植物性ミルクの商品が陳列されはじめ、“卵不使用”や“ヴィーガン認証の取得”の商品まで幅広いラインアップが登場しています。

※ご紹介する全ての商品が「ヴィーガン認証」の取得商品ではありません。

今まで、5万個以上の乳製品を口にしているアイス研究家であり、食品リサーチャーのシズリーナ荒井が各社の新商品(リニューアル品を含む)をピックアップし、実食することで各社の植物性ミルクを使用した商品のこだわりが明らかになったので、ぜひ参考にしてください。

乳製品ではない! 植物性ミルクなのに“美味しい”を目指した飲むアイスが登場!

●ロッテ「クーリッシュGreen バニラ」

 3月27日(月)に、飲むアイスでおなじみのロッテ「クーリッシュ」ブランドからは新ラインアップとして「クーリッシュGreen」を発売。アイス業界では、今まで植物性ミルクをベースにして作られたアイス(豆乳アイス)は珍しくありません。しかし、「クーリッシュGreen バニラ」が、なぜこのタイミングでテスト販売から全国販売に販売チャネルを拡大するという大きな一手を打ったのか、ロッテ「クーリッシュ」ブランドマネージャー平井翔大さんにお話をお聞きしました。

 「海外の植物性ミルクの市場が年々拡大傾向にあり、日本でもその傾向が2020年頃から顕著に現れました。当時は健康志向の高まりから動物性ミルクの代替として植物性ミルクが活用されていたため、味わいへのこだわりよりも機能性が注目されていたように思います。しかしながら、グローバルな視点で植物性ミルクの商品に目を向けると、“植物性ミルクなのにおいしい”という味作りに対してこだわる商品が続々登場し、いつもの暮らしの中の選択肢のひとつとして定着しています。」(ロッテ・平井)

 実際に「クーリッシュGreen バニラ」を食べてみると、普段から食べ慣れている乳製品と味わいや食感に違和感を覚えることなく、コクもありスッキリとしていて本当に植物性ミルクをベースにして作られているのか疑ってしまうレベルでした。(※シズリーナ荒井/個人の感想です)

「『クーリッシュGreen』のブランドコンセプトは、植物性ミルク“なのに”ではなく、植物性ミルク“だから”美味しいにこだわりました。最初は、植物性ミルクだけど動物性ミルクの味わいにどうやったら味わいを近づけることができるのかということを課題にして商品作りをしていましたが、途中から植物性ミルクとしての美味しさにこだわった商品づくりへと切り替えて開発を進めました。」(ロッテ・平井)

どうやって、この味わいに辿り着きましたか?

「植物性ミルクの素材本来の味わいを生かしながら、味に深みを入れる方法を調べ辿り着いたのが『クーリッシュ Green バニラ』です。動物性ミルクにはあって、植物性ミルクにはない成分が“ミネラル分”。このミネラル分を数ある塩味素材から探し、最終的に辿り着いたのが“醤油”を隠し味として使用することで味に深みとコクを生み出すことに成功しました。食感の滑らかさには、“えんどうタンパク”を使用することで滑らかで舌触りの良い品質にすることで通常(動物性ミルク)のアイスと変わらない美味しさを実現させることができましたので子供から大人までより多くの方に美味しく楽しんでいただけると思います。乳製品ではありませんが、アイス界のNEXT NEW STANDERD(植物性ミルクでど真ん中)を目指したいです」(ロッテ・平井)

つまり、今回の取材で分かったことは、牛乳の代用品として活用され健康意識の高まりから生まれた植物性ミルクの商品から植物性ミルクの味わいや美味しさにもこだわった斜め上を行く植物性ミルクの商品が増えているということがわかりました。

斜め上をいく植物性ミルクを使用したこだわり系商品をご紹介

●江崎グリコ「植物生まれのBigプッチンプリン」

※画像の桜デザインパッケージについては今季の生産は終了しています。
※画像の桜デザインパッケージについては今季の生産は終了しています。

植物生まれの素材でできたやさしい甘さのプッチンプリン!シリーズ初となる、卵・乳などの動物性原料を使用せずに作った江崎グリコ「植物生まれのプッチンプリン」は2020年3月より発売中。

 2022年4月には原料を一から見直し、こだわり抜いた美味しさへとリニューアル。プッチンプリンの“ぷるるん”とした食感そのままに、豆乳クリーム・国産大豆を使用した豆乳をベースにアーモンドペーストでコクづけし、まろやかな風味を実現。きび糖を使用して甘みづけするこだわりようだ。個人的にオススメの食べ方は、必ず器に移し「プッチン」させてから食べることだ。カラメル部分と一緒にプリンを食べ進めることで「植物生まれのプッチンプリン」の美味しさを再発見できます。

●カバヤ食品「ソイ・デ・ショコラ」

 コクと旨みといった良いところを引き出しつつ、豆っぽさや青臭さをマスキングし、豆乳とカカオマスの風味とのバランスを考えて作られたカバヤ食品「ソイ・デ・ショコラ」は2022年9月より発売中。

 チョコレートは良い原材料を選定するだけではなく、カカオマス・豆乳(通常は動物性ミルク)・甘味料などを配合とバランスが重要になります。「ソイ・デ・ショコラ」の場合は豆乳をたっぷりと使用していますが、独自製法によって豆乳の独特な青臭さを軽減しているからこそ植物性ミルクの美味しさを引き立てながら今までにない味わいのチョコレートに仕立てられていました。豆乳とカカオどちらも植物性ですので相性は間違いないことは明瞭簡潔。

 しかし、このスッキリとした味わいを出せたのはカバヤ食品が見つけ出した豆乳とカカオの黄金比だからこそ植物性ミルクを使用したチョコレートとして楽しむことができました。

●ギンビス「厚焼きたべっ子どうぶつSOY」

ギンビス「厚焼きたべっ子どうぶつSOY」は2022年3月より発売中。同社「たべっ子どうぶつ バター味」は全46種類のどうぶつ型ビスケットで楽しく外国語が学べるため、子供と一緒に学びながら楽しめるお菓子です。今回は、「厚焼きたべっ子どうぶつSOY」なので、通常品の「たべっ子どうぶつ」よりもぷっくりと厚みがあり食べ応えがあります。

※「厚焼きたべっ子どうぶつSOY」は全47種類(全46種類などの商品もあります)
※「厚焼きたべっ子どうぶつSOY」は全47種類(全46種類などの商品もあります)

感覚的には1.5倍かそれ以上の厚さはあると思います。生地には豆乳パウダーを練り込み、卵不使用で、大豆イソフラボンを配合されており、素朴な味わいではあるものの満足感が得られ腹持ちがいい印象です。一番、インパクトがあるのは食感。サクッと香ばしく、一度食べたら手が止まらなくなります。正直驚いたのが、豆乳らしい風味はほとんど感じられませんでした。

●森永乳業「マウントレーニア ソイラテ」

 森永乳業「マウントレーニア ソイラテ」は、2020年9月から発売中。「マウントレーニア」からは、コーヒー飲料初(※NPO法人ベジプロジェクトジャパンにおいて)となる動物性原料不使用「プラントベース」シリーズ(ヴィーガン認証取得商品)の商品として今年の2月よりリニューアルして発売。

「マウントレーニア ソイラテ」はこだわりのエスプレッソにたっぷりの豆乳を加えているが、アフターブレンド製法※により 豆乳の青臭さが減り、雑味のないすっきりとした味わいに仕上がっていました。このことにより、牛乳が苦手な人でも美味しいソイラテを楽しむことができる品質になっていたのでオススメしたい。

※アフターブレンド製法とはエスプレッソと豆乳を別々に殺菌し、後からブレンドする独自製法

 いかがでしたか。余談ですが、私としては、正直、乳製品(動物性ミルク)の味に慣れてしまっているせいか、植物性ミルクは独特なクセを敏感に察知してしまうため、積極的に手を伸ばせていませんでしたが、今回の取材を通じて各社の植物性ミルクを使用した商品のこだわりを知り、実食して植物性ミルクの味わいが好きになりました。気になる商品があったらぜひお試しください!

【取材協力先:株式会社ロッテ】

アイス研究家/リサーチャー

1歳1ヶ月からこれまでに食べたアイスの数は、およそ6万個以上。(初めて食べたアイスは「ガリガリ君 ソーダ味」)「アイスは単なるデザートではなく冷凍食品」であることに気がつき東京藝術大学へ進学、年間4,000種類ものアイスの食べ方を研究しイートデザイナーとして「魔法のアイスレシピ」(KADOKAWA)を出版し話題に。様々なメディアを通じて独自の視点でアイスの魅力を発信し続けるアイス評論家としても活動中。

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