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ウワサのレシピで国民的な駄菓子「うまい棒」の価値を10 倍にさせてみた

シズリーナ荒井アイス研究家/リサーチャー

 今年に入り“クリームチーズ”と“ふりかけ”を混ぜ合わせただけのアレンジレシピが女性週刊誌やグルメ系WEBニュースなどで話題になっていることをご存じですか?

アレンジレシピの材料はこの2つ
アレンジレシピの材料はこの2つ

 パンのお供にはクリームチーズであり、白米のお供にはふりかけという組み合わせは我々が食卓を囲むシーンでは当たり前の光景である。しかし、今までそれぞれを掛け合わせる発想には至らなかったがこれがむちゃくちゃ旨いらしい。

 材料は、「フィラデルフィアクリームチーズ」(森永乳業)と「すきやきN.P.」(丸美屋)の2つだけ! 作り方は、「フィラデルフィアクリームチーズ」を大さじ3杯に対して「すきやきN.P.」を大さじ1杯が黄金比らしい。実際に作って食してみると…。むちゃくちゃマッチしている。

アレンジレシピ盛り付けイメージ
アレンジレシピ盛り付けイメージ

 このアレンジレシピをさらにアップグレードして各メーカーのブランド担当者へ食べてもらう企画を考えうまい棒の穴にこの「クリームチーズ×ふりかけ」を注入し持っていくことにしました。

■森永乳業へ

チーズ事業マーケティング部 大森 茜子さん
チーズ事業マーケティング部 大森 茜子さん

 「フィラデルフィアクリームチーズ」ブランド担当をして丸10年の大森さんへそれぞれ食していただくことに…。

 まず、このうまい棒の穴に何かを詰めようとした発想に驚いていただきました。

用意した味は「チーズ味」、「コーンポタージュ味」、「やさいサラダ味」、「めんたい味」の4つ。

どこにでも入手しやすい「うまい棒」フレーバー
どこにでも入手しやすい「うまい棒」フレーバー

 それぞれにアレンジしたクリームチーズを注入したうまい棒をご試食いただきました!

大森:「まず、『フィラデルフィアクリームチーズ』と丸美屋さんの『すきやきN.P.』がとても相性がよくビックリしました。クリームチーズとあわせることで不思議とうま味が強くなりサラミのような味わいになって、斬新なアレンジだと思います。好みとしては『うまい棒 やさいサラダ味』でした。味わいがシンプルでいい意味で主張して来なかったですし、このパフスナックの感じも良かったです。おそらく、うまい棒にクリームチーズだけ、だと少し物足りない感じもあるかもしれませんが、『すきやきN.P.』と合わせたことで、よりバランスが取れた味わいになっていると思います。これは、口の中に強い味わいが残るのでビールや炭酸飲料と合わせてもいいですね。」

■ズバリ! これがお店で出てきたらいくらだったら許せますか!?

大森「クリームチーズ入りのうまい棒は、1本100円(税別)出す価値はありそうですね!(笑)」

おー、約10倍ですか! ご協力いただきありがとうございました。

■丸美屋へ

マーケティング部ふりかけチーム井原さん
マーケティング部ふりかけチーム井原さん

 丸美屋食品工業が1963年から販売しているふりかけ「すきやきN.P.」は今年で60周年を迎えるロングセラー商品。

60周年「すきやきN.P.」
60周年「すきやきN.P.」

 丸美屋の看板商品と言えば、たまごと海苔の組み合わせが特徴のふりかけ「のりたま」は誰もが通ってきた白米のお供だったに違いありません。おかずが少ない時でも丸美屋のふりかけさえあれば、胃袋だけでなく心も満たされたことでしょう。今回は、「すきやき」を炊きたての白米にかけるのではなく、クリームチーズに混ぜ合わせるアレンジレシピということで、ふりかけチームである井原さんも驚かれていました。

井原:「『すきやき』を使用したアレンジレシピは数が少なく…。クリームチーズと合わせるレシピは社内含め初めての経験でした。実は、『すきやき』自体は、あえて加工方法のちがう牛肉のそぼろを2種類使用しています。“ふっくら牛肉そぼろ”は食感が楽しめるようになっていて、“フリーズドライの牛肉そぼろ”は牛肉本来の旨みや風味を楽しめるようにしています。」

■えっ!? 大豆ミートとか代替品を使用しているんではなく、本物の牛肉を使用されていたんですか!?

井原:「そうなんです。だからこそ、クリームチーズの水分が牛肉そぼろに移行してより風味が良くなったのではないかと思われます。それにしても、『すきやき』は『フィラデルフィアクリームチーズ』とよく合いますよね。」

 「すきやき」担当の井原さんに「クリームチーズうまい棒」をそれぞれご試食いただきました!その結果、気に入っていただけたうまい棒の味は「うまい棒 チーズ味」。

井原:「私は、チーズ味でした! よりチーズの味わいが楽しめる感じがしましたし、弊社の『すきやき』の味わいもしっかりと立っていてお酒のおつまみとしては間違いなく合うと思います。『うまい棒 やさいサラダ味』も相性抜群ですね! 驚きました。」

 「フィラデルフィアクリームチーズ」と「すきやき」のアレンジレシピは誰が食べても納得する味ということが今回の取材でよくわかりました。

 一番驚いたことは、「すきやき」に本物の牛肉が使用されていたこと。だからこそ、クリームチーズと合わせた時にリアルな牛肉の旨みが馴染んでいたのかもしれません。丸美屋のふりかけはバリエーション豊かなラインアップでおよそ100種類もあり、他のふりかけより内容量多く、一番お得なふりかけが「すきやき」でした。ぜひ、この機会に「フィラデルフィアクリームチーズ」と合わせて「すきやき」を手にとってみてはいかがでしょうか。

取材協力:森永乳業、丸美屋食品

※配属先は取材当時のものを使用

アイス研究家/リサーチャー

1歳1ヶ月からこれまでに食べたアイスの数は、およそ6万個以上。(初めて食べたアイスは「ガリガリ君 ソーダ味」)「アイスは単なるデザートではなく冷凍食品」であることに気がつき東京藝術大学へ進学、年間4,000種類ものアイスの食べ方を研究しイートデザイナーとして「魔法のアイスレシピ」(KADOKAWA)を出版し話題に。様々なメディアを通じて独自の視点でアイスの魅力を発信し続けるアイス評論家としても活動中。

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