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H3へと続がる歴代大型ロケット達を一挙紹介!N-IやH-IIA、あなたの推しロケットは?

歴代の大型液体ロケット©JAXA

2月17日、JAXAの新型国産ロケット「H3」は打ち上げに成功し、日本の宇宙開発史に新たな1ページを刻みました。

本記事では、H3が誕生するまでの歴代ロケットを一挙紹介していきます。皆さんも見慣れたH-IIAや、知る人ぞ知るN-Iロケットなど、あなたの推しロケットを一緒に見つけていきましょう。

H3ロケットが描く将来打ち上げ計画、増強型H3ロケットとは?

■国内初の液体ロケット「N-I」

N-Iロケット©JAXA
N-Iロケット©JAXA

N-Iロケットは商用衛星の打上げを目指して設立された宇宙開発事業団(NASDA)が開発し1975年に初めて打ち上げられました。液体エンジンは固体エンジンに比べ、構造が複雑で開発に時間も費用もかかるため日本独自の開発は諦め、アメリカのデルタロケットの技術を段階的に習得していきました。同時代のM-3Cロケットと比べ、6倍以上の荷物を宇宙に打ち上げることができ、技術試験衛星の「きく1号」などを打ち上げました。

■技術発展した改良ロケット「N-II」

N-IIロケット©JAXA
N-IIロケット©JAXA

N-IIロケットは、静止軌道に350kg級の衛星を送る能力を確保するべく、N-Iロケットを改良したモデルで、1981年に初めて打ち上げられました。当初は国産化した第二段エンジンのLE-3の性能向上によって打ち上げ能力を向上する計画でしたが、技術の蓄積が不足していたため引き続きデルタロケットの技術導入を行い、国産化率は低下しました。気象衛星の「ひまわり2号」などを打ち上げています。

■初めて国産エンジンを搭載したロケット「H-I」

H-Iロケット©JAXA
H-Iロケット©JAXA

第3基目は「H-Iロケット」です。、第2段と第3段ロケットや慣性誘導装置を国産化したHロケットシリーズの初号機で、1986年に初めて打ち上げられました。LE-5型エンジンを日本独自で開発できたことは、次世代のH-IIロケットのエンジンの実現に道筋をつけた点で意義が大きかったです。実用静止衛星の打上げを順調にこなし、さらに「あじさい」などの複数衛星の同時打上げの技術習得も行いました。

■純国産ロケットながら不遇を味わった「H-II」

H-IIロケット©JAXA
H-IIロケット©JAXA

第4基目は「H-IIロケット」です。、国産の第1段用エンジンLE-7・固体補助ロケットブースターが開発された初めての純国産ロケットで、1994年に初めて打ち上げられました。開発試験中の一人の死亡事故を含む爆発・火災事故などの難航の上の打ち上げ成功でした。しかし、打上げコストは1機あたり190億円でアリアンなどの諸外国製ロケットより遥かに高く、100億円以下が標準とされる国際市場での競争力はありませんでした。

そして、1998年からは更に暗雲が立ち込めていきます。覚えている方も多くいらっしゃいますでしょうか。宇宙開発事業団はH2ロケット打ち上げに連続で失敗をしてしまい、組織改革に追われ2000年8月、宇宙計画の全面的な見直しを宣言しました。そして、H-IIロケットの打ち上げを停止して、新型のH-IIAロケット開発に全力を注ぐことが決定されます。

■お茶の間の主役ロケット「H-IIA」

H-IIAロケット©JAXA
H-IIAロケット©JAXA

第5基目、「H-IIAロケット」です。皆さんがテレビのニュースなどで最も多く見られるロケットではないでしょうか。H-IIAロケットはH-IIロケットの信頼性を高めながら,簡素化や海外製品の利用などで,コスト競争力を高めたモデルで、2001年に初めて打ち上げられました。現在日本で主力大型ロケットとして用いられているロケットで、「はやぶさ2」などの多くの人工衛星がH-IIAロケットで打ち上げられました。ロケットの大きさは、 H-IIA試験機1号機の場合、本体は直径4メートル全高53メートル。敷地が六畳ひと間の17階ビルといった感じです。重量の異なる衛星に合わせて、4形態の標準型ロケットから選択できるなど、運用面でも柔軟に対応しています。現在で45号機までが打ち上げられていおり、6号機ではブースターが打ち上げ後分離されず、空中で指令破壊となりましたが、その他47機は打ち上げに全て成功しており、連続42機の打ち上げに成功しています。そんなH2Aロケットですが、2024年度までの打ち上げで運用が終了することが発表されています。

■打ち上げはパーフェクトで成功「H-IIB」

H-IIBロケット©JAXA
H-IIBロケット©JAXA

第6基目は「H-IIBロケット」です。国際宇宙ステーションへの物資補給を行なうHTV(コウノトリ)の打ち上げ用に開発し、2009年に初めて打ち上げられました。第1段エンジンを2基束ねた日本初のクラスターロケットでもあります。HTVの質量は当初15トンと設定され、H-IIBはH-IIAの2倍の量の荷物を運ぶことができます。 全9回の宇宙ステーションへの物資補給は全て成功し、2020年5月の9号機を持って最後の打ち上げとなりました。

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