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大磯町:願いや想いを結んでみよう!くっついたら離れない、愛と絆の結蛸(むすびたこ)

tamaki散歩好きリモートワーカー(大磯町・二宮町)
結蛸

日本の海水浴場発祥地である大磯町照ヶ崎海岸。入口には、海水浴場を開いた松本順先生の謝恩碑が立っています。その西側に現れた、モニュメント「結蛸(むすびたこ)」。独特の形と鮮やかな色が目を引きます。

この「結蛸」とは何者なのか?改めて、大磯町のご担当者に取材させていただきました。

Love&Bond(愛と絆)のモニュメント~結蛸(むすびたこ)~

「このオレンジ色の部分はタコの脚です。ここに願いごとを書いた木札を結びます。これが吸盤になって、タコが完成するのです。タコの吸盤は吸い付いたら離れません。そこから連想して『愛と絆のモニュメント』としています」
結蛸が設置されたのは、昨年11月。今月に入り、看板も設置されたので、改めてお披露目中とのことです。

モニュメントの本体は、東京藝術大学の学生さんがデザイン・制作されたもの。木札を結ぶ人と一緒に完成させるアートになっているとのこと。「願イフダ」と名付けられた木札は、左義長(※1)で焚き上げられます。

今年の左義長では、前日までに結ばれた「願イフダ」が焚き上げられ、一旦はまっさらに。その数日後に訪れた時は、制作者の方の「願イフダ」が結ばれていました。

「結蛸には、もう一つ仕掛けがあります。時間帯によって、影がハートの形になるのです。願いや想いを伝えたい相手と一緒に見ると何か御縁があるかも」とのことです。

季節によってハート型になる時間帯が変わります。今日はこんな形でした。

着想の元は「照ヶ崎海岸」に伝わる蛸の伝説

「結蛸」の取り組みは、「恋するなぎさ灯台プロジェクト」という大磯港「みなとオアシス大磯」エリアの賑わい創出策プロジェクトの一環。モニュメントの設置が企画されたきっかけは、「コロナ禍で希薄になった、人と人とのつながりを取り戻したい」との想いだったとのこと。

「人と人の『愛と絆』を取り戻す。もちろんペットともです。アートの力を活用したいということで、東京藝術大学の学生さんたちにコンペに参加してもらい、選ばれたのが『結蛸』でした」

蛸の着想の元は「照ヶ崎海岸」に伝わる蛸の伝説。「700年以上昔、漁師の蛸江之丞が海中から光を放つタコを見つけ、船に引き上げたところ、タコが千手観音像に姿を変えた。光り輝く観音像が引き上げられた場所ということで、照ヶ崎と呼ばれるようになった」という伝説です。

照ヶ崎海岸夕景
照ヶ崎海岸夕景

なお、引き上げられた観音像は旧高麗寺に奉納され、現在の高来神社「御船祭(※2)」の由来ともなっています。

結蛸の色は、神社の鳥居を彷彿とさせる「朱色」。町担当者は、恋の炎で茹でられて赤くなった蛸のようにも見え、「誰かを想う恋の力で大磯をここから暖めたい」と力を込めておられました。

願いと共に天に登る「願イフダ」

願いを書いてモニュメントに結ぶ「願イフダ」にもタコの脚が描かれています。「願イフダ」は大磯町の間伐材を利用しており、いろいろな形があります。同じものはなく、すべて一点もの。丸いものが多いようですが、中には下の写真のようなヒョウタン型も。

2024年2月時点の「願イフダ」販売場所は、大磯駅前の観光案内所と、OISO CONNECT 1階の物販コーナーです。最新情報はチラシなどに記載されている QRコード*を読み取って確認できるようになっています。

*「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です。

OISO CONNECT 1階の物販コーナー
OISO CONNECT 1階の物販コーナー

価格は1枚500円(税込)。売り上げの一部は大磯左義長保存会へ寄付されます。

先日は、結蛸に「願イフダ」を結ぶために、東京からドライブしてきたカップルがおられたそう。来年までくっついて離れずに、二人の願いが左義長で焚き上げられ、天に登りますように。

おすすめ周遊ルートで「恋する灯台」へ

「願イフダ」を結んだら、デザイン灯台まで歩いてみましょう。

結蛸の奥の階段を上がり、防波堤上の歩道を進みます。右手には「照ヶ崎海岸」。振り向けば富士山が見えます。

門を通り、大磯港西防波堤遊歩道に入ります。しばらく進むと灯台が見えてきます。

デザイン灯台からは、晴れた日は江の島まで見えるそうです。

「江の島には『恋人の聖地』と呼ばれている『恋人の丘 龍恋の鐘』があります。大磯港も『恋人の聖地』にしたいと思っています。今は江の島に片想いしているところです」

湘南平にも、恋人たちが永遠の愛を誓う南京錠モニュメント「ainowa」があります。「ainowa」と「結蛸」で、陸と海の恋人の聖地にしたいとのこと。

帰りは富士山を仰ぎながら。

岸壁の向こうに湘南平も見えます。

駐車場まで戻ったら、OISO CONNECT 2階のOISO CONNECT CAFE で、海を眺めながらティータイムやランチを楽しむのもいいですね。

この日は、OISO CONNECT 1階の軽食コーナーでソフトクリームをいただきました。鴨の群れを眺めてのんびり。

だいぶ暖かくなってきました。一人でも、大切な誰かと一緒でも、願いや想いを結びに、春の港へお出かけください。

※1 左義長:大磯の左義長は、400年前から続いており、国の重要無形民俗文化財に指定されています。北浜海岸に9つのサイトが並び、一斉に燃え上がる様子は、まさに壮観。正月飾りやダルマに込められた家内安全・無病息災の願いと共に「願イフダ」に記された願いや想いも空に登ります。

※2 御船祭:毎年7月に開催される高来神社の夏季例大祭。偶数年には舟形の山車が曳かれ、大磯町の民俗資料(無形民俗文化財)に指定されています。13基の神輿が高来神社から「照ヶ崎海岸」まで、町内を練ります。蛸江之丞が海中から海中から千手観音像を引き揚げたといわれる日が、この祭の日となっており、700年余りの歴史と伝統をもって受け継がれてきた祭です。港湾管理事務所展示ルームに模型が展示されているので、ご覧になってください。

【結蛸(むすびたこ)】

設置場所:大磯町大磯1398付近 松本順先生謝恩碑西側

「願イフダ」販売場所

・大磯駅前観光案内所(大磯町観光協会)大磯878-1

・OISO CONNECT 1階 大磯1398-6

※随時追加されます。最新情報はチラシや看板のQRコードから確認を。

ペンは販売していません。別途ご用意ください。

大磯港西防波堤遊歩道開放時間

・10月~1月 8:30~16:00

・2月~4月、9月 8:30~17:00

・5月~8月 8:30~18:00

※次のイベント時には開放時間を延長することがあります

ダイヤモンド富士(4月、9月)、初日の出(1月1日)

問合せ先:大磯らしい潤いづくり協議会(産業環境部 産業観光課 観光推進係)

〒255-0003

神奈川県中郡大磯町大磯1398-18

電話番号:0463-61-4100(内線:334)

大磯町ホームページ 「恋するなぎさ灯台プロジェクト」ページ

大磯町公式Instagram
「おすすめ周遊ルート」紹介記事 OISO CONNECT から結蛸、灯台までの道程が動画で紹介されています。

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・大磯町:海を眺めながら、パンケーキでゆったりティータイム「OISO CONNECT CAFE」

散歩好きリモートワーカー(大磯町・二宮町)

東京都から猫と一緒に大磯町に転居してきました。散歩やお出かけに役立つ情報を発信していきたいです。

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