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【英会話】makes me happy って言ったら、ちょっと微妙な顔された。なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 20年ほど仕事で英語を話していますが、たまにですが、普通に使っていた英語が実はちょっと違和感があることを指摘されることがあります。まっ、いいんだけどね、でも、ちょっとぉ~ ってやつです。この間も普通に使っていたフレーズがそれにあたると知り、びっくり。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと英語用の心持を得られるお得なエッセイです。

集中することはおれを幸福にするね

 この3月、何人かの生徒様が卒業していかれました。そのなかのひとりは初め英語がぜんぜん得意じゃなかったんですが、かなり頑張られて今月から渡英して向こうで暮らすことになられました。ロンドンで仕事をしながらMBAをとるっていう話です。エネルギッシュな方でしてね、英語さえ何とかなれば世界で活躍するだろうと思っていたんで、少しはお役に立てたかな と嬉しくなる。
 もちろん、こういう方もうれしいですが、日々のレッスンで生徒様の英語のレベルが上がるのを感じるのも嬉しいもので、そんな話をスタッフやRichとよく話す。彼らも嬉しそうなのでいい仲間を持ったなとこれもうれしい話です。

 そんな生徒さんたちのことを話しているときに、ちょっとRichがマジな質問をして来た。
徳さんは、いつが一番幸せなの?
ですって。Native English Speakerってやつは親しくなってくると突然この手のマジバナを振ってくることがあります。ちょっとぎょっとするけど、日本人同士ではなかなかしない話なので、これまた考えを深めることになって愉しい。

 でも、ちょっと考えちゃいますよね~、いつが幸せなのかなんて。生徒様の理解が深まるのも愉しいですし、このエッセイを書くのも愉しい。すきなSF小説やマンガを読むのも愉しいですし、footballを観るのも愉しい。
 ちょっと選べないなぁ~と思っていたら、はっと気づいた。この愉しいことに共通することが一つある。それをRichにこう言ったんです。

Concentrating on something makes me happy. (集中することはおれを幸福にするね)

 ね? 全部に共通するでしょ? どうも集中力を使っていると愉しいタイプらしいんです、わたし。
 へへ~んと、ドヤ顔してたんですが、Richはちょっと微妙な顔。あれ変なこと言ったかなと思って、具体的に説明しようとしたら、
 そのmakeってさぁ~ ってRichが言ってきた。
 みなさん、このよく耳にする"make me happy" のどこがおかしいか気づかれるでしょうか?

 Richいわく、make me happy という言い回しはしっくりこないものがあるんだそうです。でも、ちょっと納得がいかない。みなさん、このフレーズ、海外のサイトや映画でも見聞きしません? しますよね? 絶対する。
 なんで、本当に? と食い下がった。そしたら、Rich、確かに使われてるけどmake の意味をよく考えてみてよ、とのたまう。
 makeの意味? と私が反問したらRichは、
 だって、make って作るだろ? そこから「~を強制的に…の状態にさせる」って意味になるわけだけど、それってつまり、なにかにコントロールされてhappy になるってことでしょ? 変じゃない? という。
 あ、なるほど。と腑に落ちざるを得ない。自分を作り替えられてhappy になってるんじゃ、確かにちょっと微妙です。

 じゃあ、この場合どういうのさ? と訊くとRichはこういうのを教えてくれました。

Concentrating on something brings me happiness.

 なにかに集中することはわたしに幸福を持ってくる か、あくまで自分が主体の上手い言い回しですね。

 ちょっと思うんですが、こういう自分の強さというか、自分を持っているというか、人に自分をコントロールさせないという気分は英語を話すときに重要です。そういうところから自己主張もできるようになる。

 この4月からNative English Speakerとの付き合いが始まった方もおられると思います。彼らは自己主張のはっきりした人々です。英語を話すときは、引き摺(ず)られないことを意識してみてください。結構、英語が出てきやすくなりますよ。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ日本語を英語にする方法で英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任。Native English Speakerのマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されるという経験を多々する。現在は独立し、英会話スキルだけではなく、Native English Speakerとうまく交渉できるスキル習得を目指した英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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