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【英会話】Since last Monday って言ったら、首を傾げられた。なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 仕事で英語を話し始めて20年ほどになりますが、英語を話し始めた時、意外に困ったのは曜日の表現でした。伝えたい日が微妙にずれるんです。ビジネスでは大やけどしかねない。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は、読むときちんと曜日と日を伝えられるようになるお得なエッセイです。

この前の月曜から探してるんだけどさ。

 いまではだいぶ量が減ってきていますが、わたしはまあまあ本を読む方だと思います。月に10冊ぐらいは読む。とはいっても、難しい学術書やビジネスの本じゃありません。SFを中心とした小説です。純粋に愉しみのための本ですから、量いったって自慢にはならない。私の友人には学術書をたくさん読んでらっしゃる人もいて、7年長期保存できるサプリメントを開発しちゃうような人もいる。頭が下がります。
 ただ、そんなやわらかい小説であろうと月に10冊ずつ本が増えて行けば、当然、部屋には本が溢れかえります。やわらかくったって圧縮できるわけじゃないですからね。本棚は二重に本が立ててあって、入りきらないのは床に置いてある。もう完全に迷宮です。ちょっとあの本が読みたいなぁ~って思っても、なかなかお目当ての本が見つかりません。

 英語を話し始めたころ、Native English SpeakerのRichにそんな窮状を話したことがあります。こんな感じで言ってみた。

I've been looking out for "The Crystal World" since last Monday. (この前の月曜から「結晶世界」って本を探してるんだけどさ)

 久しぶりに読みたかったんです。J・G・バラード。そしたら、Richが首を傾げて、
Since when? (いつからだって?)
 って訊いてきた。発音が悪いのかなと思って、もう一回、
Since last Monday.
って言ったんですが、そしたら今度はカレンダーを持って来る。で、いつ? って訊く。どうも伝わってない。

 みなさん、私の言った英語、どこがおかしいかお気づきでしょうか?

 問題は、since last Monday のlast にあります。この言い方だと、直前の月曜日なのか、その前の月曜日なのか、はっきりわからないんです。どちらの可能性もありえる。
 厳密には、last Monday というのは、先週の月曜日をあらわします。なので、今日4月13日土曜日であれば、4月1日の月曜です。でも、last には前のという意味もあるので、ひとによって4月8日の月曜を指していることもあり得ます。それで、曖昧になってしまうんですね。
 Richが確認してきたのも当然でした。

 この話をしたときは金曜で、わたしが言いたいのは4日前のその週の月曜日から探しているってことでしたから、それをカレンダーでRichに伝えると、
ああ、それなら、last Monday じゃなくて、this Monday だね? と確認。で、since につけるなら、this もいらなくて、

Since Monday

で、充分だよ とのことでした。
 先週の曜日を言うならlast 〇〇day、今週ならthis 〇〇dayなんですね。そして、〇曜日以来の場合はsince 〇〇day 憶えておくと日を間違えるという大やけどしなくて済みそうです。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 そういえば、本当に先週の月曜日から探していると伝えたい場合は、どうしましょう? 本来であれば、since last Monday ですが、書いてきたように使えませんし。
 Richいわく、その場合はもう曜日は諦めて、日付で伝えるのが自然なのだそうです。今日の日付で考えれば、

since the 1st of April

です。

 新年度になって、就職や進学でNative English Speakerと付き合いが始まった方も多いと思います。日の間違いは思わぬトラブルのもとです。last 〇〇day って言われたときは、日付の確認もした方が安全ですよ。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ日本語を英語にする方法で英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任。Native English Speakerのマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されるという経験を多々する。現在は独立し、英会話スキルだけではなく、Native English Speakerとうまく交渉できるスキル習得を目指した英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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