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《伊豆》ブラタモリで話題の伊東温泉 単純泉の概念を覆す大東館

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏のエモ静ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!(記事一覧twitterInstagram)です。

ブラタモリで話題の伊東温泉。泉質にどんなイメージを持っていますか?

筆者(とらべるじゃーな!)は、いくつかの旅館を訪ねた結果、単純泉で、さほど泉質が良くない温泉だと思っていました。

タモリさんがお湯をかけた七福神
タモリさんがお湯をかけた七福神

しかし、ブラタモリによると、伊東温泉は湯量豊富な温泉。調べてみると、別府温泉(大分県)、湯布院温泉(大分県)に次ぐ湧出量を誇るとのこと。

確かに、町なかに、温泉が湧いている場所は、無数にありますが……。

ブラタモリ伊東編の内容は、【ブラタモリ伊東】ロケ地|タモリさんが伊東温泉や大室山の成り立ちを探る#208(とらべるじゃーな!)で確認できます。

そんな疑問をすべて解決してくれたのは、伊東駅から徒歩12分、大東館という少し古い旅館でした。

大東館は、「温泉ずきの宿 大東館」を名乗っています。温泉マニア専用の宿というと、お湯が良くても、接客が事務的だったり、施設が少し古かったり、そこまで良い思い出はありません……。

しかし、そんな不安もすぐに裏切られました。フロントスタッフは、ややおとなしい感じですが、しっかりし、融通も効きます。

多少古さがあるものの、伊東の町が一望できる広い部屋でした。

大東館の実力が分かるのが、このドアが少し開いた冷蔵庫。

冷蔵庫は、節電のために電源オフにしてある宿もあるのですがそれに気づかず飲み物などを入れて、数時間後にがっかりするケースがよくあります。ドアが少し開いているのは、電源が入っていないというサインだったのです。

また、多くのホテルや旅館では、衛生上という理由で、ポットに水を張っていません。大東館ではしっかり張ってあり、すぐにお茶が飲めます。

枕元にコンセントを持ってゆくのに必須の延長コードもあり、Wi-Fiの子機まで! 宿泊客目線が徹底しています。

大東間では、大浴場(うち1つは露天風呂つき、男女入れ替え制)のほか、3つの貸し切り風呂があり、空いていればいつでも使用できます。

ロビーの表示を見て、ランプがついていないお風呂が空いています。

さっそく、貸し切りの露天風呂へ。お香(蚊取り線香を兼ねているかも?)が炊かれており、良い香りが漂います。また、清掃が完璧です。

足を入れると、単純泉とは思えない、包み込むようなお湯の感覚! ぬめりも十分です。

単純温泉(単純泉)とは、温泉成分の量が基準に達していないもの。筆者のなかでは、正直ハズレの温泉だったのですが、源泉が近くかけ流しになると、ここまでパワーを持つのかと驚きました。

続いて五右衛門風呂へ。更衣室にあたる場所も、きれいです。空気清浄機が置かれ、中には換気扇もありますが、一応人力でも換気しておくと安心です。

空いていれば貸し切りOKの旅館では、「30分以内・洗い場なし・深夜閉鎖」のようなパターンが多いのですが、大東館では、40分以内、洗い場あり(貸切露天を除く)、深夜もOK。温泉旅館の理想形だと思います。

お待ちかねの五右衛門風呂です!

2つあるのは、ぬるめのお湯と熱めのお湯。ぬるめのお湯の方が、包み込むようなお湯の感覚が感じられますので、夏場に訪ねても良い温泉です。

五右衛門風呂のそばには、何と防空壕があります!

大東館は、防空壕がある宿と紹介されることもあり、いっそうマニアック過ぎるイメージを持っていましたが、観葉植物がライトアップされ、良い雰囲気でした。防空壕を通らずに五右衛門風呂へ行くルートもあり、夜中でも安心です。

大東館の防空壕は、火山の噴火による噴出物(スコリア)でできています。スコリアの堆積層を直接見られる場所は、数えるほどしかありません!

伊東温泉と火山の関係は、【ブラタモリ伊東】ロケ地|タモリさんが伊東温泉や大室山の成り立ちを探る#208(とらべるじゃーな!)で確認できます。

3つめの貸切温泉は、寝湯。

浴槽の底には、玉砂利が敷き詰めてあり、寝湯のほか、左手にある腰かける場所を使って足湯にもなります。歩けば足裏健康法になり、玉砂利が痛いお子さん用にマットまで置いてありました。温泉を楽しむ方法を、知り尽くしている感があります。

大東館は、少人数で温泉の泉質に特化して運営しているため、夕食の設定はなし。そのため、写真のスペースは、朝食時以外、自由に使用できます。

ワーケーションにも最適です。

関東でワーケーションをされる方は、【関東で日帰り・宿泊】温泉から田舎までワーケーション29選(とらべるじゃーな!)が便利です。

大東館は夕食がないため、持ち込むなら「祇園」のいなり寿司とから揚げがおすすめ。

祇園は、地元で非常によく使われているお店で、ダシたっぷりのいなり寿司と、片栗粉タイプで肉質がよいから揚げは、逸品です。大東館のから徒歩5分の場所に本店、伊東駅に支店がありますが、15時ごろには品切れが始まりますので、ぜひ取り置きをしてください。

伊東駅は、知る人ぞ知る、昔ながらのお茶容器(駅弁と一緒に売っていた、ポリ茶瓶と呼ぶ)を購入できる、数少ない場所です。

最近は、さらに古い汽車土瓶も登場しています(汗)

ポリ茶瓶の販売 …伊東駅構内おみやげ店、伊東駅構内祇園
汽車土瓶の販売 …伊東駅構内祇園(個数限定)

このお茶とセットで、祇園のいなり寿司を楽しむのもおすすめです。

伊東温泉は単純泉で、お湯はいま一つだと思っていたのですが、源泉が近くかけ流しになると、圧巻の温泉感があり、伊東温泉を見直すきっかけとなりました。

ある有名温泉ブロガーに聞くと、伊東は大規模旅館が多いため、循環式でお湯が薄く感じられるかもとのことでした。大規模旅館には、施設や食事、立地、景色など、総合力の強みがあるのですが、ときには、温泉に特化した宿も良いものだと思いました。

伊東に興味を持たれたら、【伊東】観光モデルコース|日帰りや1~2泊で温泉を楽しむ、電車でもOK(とらべるじゃーな!)で、ぜひ旅行を検討してみてください。伊東近郊の大室山が、とくにおすすめのスポットです。

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穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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