【京都市北区】雨の日も風の日も、絵画的に美しいパンの繊細な味に魅せられて~ショソン・オ・ポム~
旅する作家、つばめです(*^_^*)
京都市北区紫野にあるパン屋さん『雨の日も風の日も』さんを訪れました。
Instagramに投稿されるパンの姿が、とても美しくて麗しくて芸術作品で、この目で見たい、そして、食べたらどんなお味がするのでしょうか?と思い、やって参りました。
南区の自宅から、市バスに乗って、北区まで。随分遠くまで来ました。
市バスで京都市内を縦断するよりも、新幹線で東京へ行く方が体感的に早く感じるのは何故でしょうか。窓の外の景色の動く速さのせいでしょうか。
さて、最寄りのバス停留所は「建勲神社前」です。
スムーズにここまで来たのに地図を見誤り、反対方向へと歩いて行ってしまい、到着に時間が掛かってしまったのはわたしです。
バス停のすぐ傍に交差点があるのですが、そこから目と鼻の先です。
街並みに溶け込んだ、落ち着いた佇まいのお店。一瞬、何屋さんかな?と考えてしまう門構えですが、目の前まで来て、一歩、足を踏み入れると、
ここはヨーロッパだ、と感じました。具体的に言うならフランスでしょうか。ショーケースの中に、様々な種類のパンがお行儀よく並んでいます。
日本のパン屋さんは、店内の棚にオープンスタイルで並んでいることが多いと思いますが、確か、海外・ヨーロッパのパン屋さんは、ショーケース内に山積み状態で、パンが売られています。
カラフルな見た目のお惣菜パンやケーキのようなパンは、日本独特の文化ですよね。和食と言っても差し支えないほど、日本でしか見ないもの。
わたしは幼稚園児の頃に2ヶ月だけ、フランスで暮らしていたことがあるのですが、パン屋さんには、やわらかいフワフワしたパンは無くて、バリッと硬いバゲットや、クロワッサン等が並んでいたのを、ぼんやり覚えています。(硬くて食べにくい!と感じたのはめっちゃ覚えてます)
お店に入って、気分は完全に「ヨーロッパのパン屋さんでお買い物♪」だったのですが、近づいて、商品説明を見てみると、バタールは「京都産小麦100%」と書いてあり、「あ、京都だった」と意識が帰ってきました。・・・何気なくピックアップしましたが、京都産小麦100%って、とても珍しいのでは?!( ゚Д゚)
店主さんイチオシの一つ「ガレット・デ・ロワ」のピース。わたしは少し前からお店のInstagramを拝見していたので知っていますが、こちらはホールで作られているフランスのお菓子で、そのカットする前のホールの姿が、美麗!!ぜひ、お店のInstagramの写真を見てみてください。わたしはホールの状態のガレット・デ・ロワの写真を見てビビッ!!と好奇心のアンテナが立ちました。それから、他のパンの写真も見て、その芸術性の高さに、何とまぁ!と感動しっぱなし。
こちらのお店のパンは、とにかく「まるみ」が独特の美しさを放っています。強く惹かれ過ぎて目が離せないほどに。
こちらのカレーパンと、
こちらのあんドーナツ、まるみが!!美し過ぎて!!・・・ツラい!!( ゚Д゚)(笑)
とても丁寧に、とてもやさしい気持ちで、まるを成形したら、このように魅力的な”まる”になるのでしょうか??どうやって作っているのか、ものすごく気になって仕方がありません。
満月よりも美しい、地上で一番美しい、魅惑的な”まる”です。わたしはそう感じました。
発見!店主さんの芸術性。「パン・オ・ルヴァン」の模様。パンの上に絵が乗っていますよ。
今回は、3つのお目当てがあったのですが、その内の二つがこちら。「レモンケーキ」と「ほうじ茶のカヌレ」です。
レモンケーキも、Instagramの写真を見て「キュン!」と、その形に強いトキメキ。
「か・・・かわいい!!」ーーー何がどうという説明が最早難しいのですが、店主さんは、美しくてときめく形を作れる魔術師です。
ほうじ茶のカヌレは、写真を見た時に「美味しいカヌレが食べたいな」という囁きが、脳内に聴こえまして、変わった直感だなぁと思いつつも「いいね♪」と思ったので、今は、あちこちのパン屋さんでカヌレを見かけますが、今回はこちらで買おうと楽しみにしてました。
ショーケースの前には、全粒粉入りの食パンと、お惣菜パン、クリームパン等が並んでいました。そう、日本のパン屋さんは、こんな感じ(*^_^*)
小ぶりで、ぎゅぎゅっと旨味が詰まっていそうな、まるみを帯びた全粒粉食パンの形にも、トキメキが止まらず、くるみ・レーズン・クランベリーの入ったフルーツの方を買うことにしました。
お買い物が済んだ後に写真を撮ったので、この日一番のお目当てのパンの陳列写真が無いのですが、Instagramで観て、これを見たい!食べてみたい!と思ったのが、
ソテーしたりんごが包まれたパイの「ショソン・オ・ポム」です。
一欠片の言葉の意味も分からない名前なので、レジ前でオーダーする際に「ショソン・オ・ポム」と自分の口から発した時、「何言ってるの?」と自分で即座にツッコんでしまいました。完全なるフランス語ですもんね。
葉っぱの切り込みが美しくて、ぜひ、生でじっくり見てみたかったのです。
訪れた時刻が遅めの午後だったので、パン屋さんの来店タイミングとしては完全に出遅れており、色々と売れてしまった後でしたが、買いたいものが変えて大満足(*^_^*)
コンクールで金賞を受賞されている最推しの「上弦の月」というクロワッサンが買えなかったことは、少し残念でしたが、また次の機会に出逢いたいと思います☆
お買い物の後、店主さんとお話をする機会を得まして、聞いてみたかったことを聞いてみました。ーーー「もしかして、絵を描くのがお好きですか?」と。
すると、まさにその通り!でした。絵を描くのがお好きで、しかも、今これから、絵を描こう(デザインをしよう)と思案されているタイミングでした。
こんなにも芸術的な、絵画作品のようなパンは見たことが無かったので、これは「絵が好きな人が、パンを焼いているのでは?」と予想していたのですが、大正解でした。
お店のロゴは、店主さんが手描きしたものを、デザインに落としてもらったそうです。
店主さんに、こちらの名刺をお渡しすると何故か、わたしがライター業だけではないことを見破られ(笑)わたしも絵が好きで、これから絵を描きたいと思っていたので、パンについての取材はそこそこに、絵の話になってしまいました(≧▽≦)
店主さんは「人と同じことはしたくない」と仰っていて、その思い・こだわりが、このお店でしか出逢えない唯一無二の美しいパンを生み出しており、店主さんの創造性と芸術センスに感服しました。
帰宅後は、購入したパンの実食タイムです。ずっと鑑賞していたい気持ちもありますが、こうして手に取ると、パンなので即食べたくなりました(笑)
葉っぱの形が美しい「ショソン・オ・ポム」は、中にソテーしたりんごが入っているとのことで、アップルパイみたいな感じかな?と思い、少し、温めてみることに。
サクッと、少し、しっとりの、パイ生地の中のりんごがものすごく美味しい。火の入りも味の浸透も均等で、舌触り・歯触りともに滑らか。見た目の成形だけでなく、りんごのソテーも、とても丁寧に繊細に調理されているのを感じました。
アップルパイではありますが、食べたことのあるアップルパイとは違う。
りんごは、りんごとして食べても美味しいですが、りんごの持つ果物としての魅力を別の角度から引き出した、この「ショソン・オ・ポム」でしか味わえないりんごの美味しさです。
妥協のない職人技を感じて、感嘆の溜息が出る逸品です☆
「ほうじ茶のカヌレ」は、外側がカリッとしていて中はモチモチ。甘さ控えめで、とても好みの味( *´艸`)
「美味しいカヌレが食べたい」という願望を叶えることが出来ました♪
「レモンケーキ」は、特製レモンあんが包まれており、外側はレモンのクッキー生地という、見た目だけじゃないレモン尽くしのパン。
レモンのほのかな苦みと酸味を感じる、絶妙な甘さのレモンあんがとにかく美味しい。
最高です。
そして、こちらは「全粒粉50フルーツ」です。全粒粉小麦が50%で、くるみ・レーズン・クランベリーが入っています。
カットして、トーストしてみます。(断面も美しい~)
クランベリーとレーズンがたくさん入っているので、とっても甘い!!(果物の甘み)
わたしはそのまま食べましたが、もし何か塗るとしたら、少しのバターかオリーブオイル・・・いや、クリームチーズがとっても合いそうです。
小ぶりなので手に持ちやすいサイズ感、全粒粉入り特有の風味と重みは食べ応えがあり、モチモチとした弾力も、ザクッとしたクルミの食感も楽しめます☆
見た目がとても美しいパイとパンでしたが、中に包まれているものも、とても繊細な味がして、見も食べても、店主さんの芸術性と職人技をヒシヒシと感じることが出来ます。
食べ終わって思い浮かんだのが、りんご、レモン、クランベリーの味わい。果物の美味しさの余韻が暫く続き、この感覚も珍しい体験でした。
人と同じことをしたくない、というのは、自分らしさを表現したい、ということで、店主さんは見事にそれを実現されています。
「美味しいパンを食べたい」「美しいパンを見てみたい」はもちろん、「自分らしさはどうやって表現したらいいんだろう?」と思うことがあれば、こちらのお店のパンを見て、買って、食べてみてください☆きっと、何かを感じて、素敵な閃きが起こるかもしれません(*^_^*)
雨の日でも心晴れる、風の日でも心安らぐ、そんなパンに出逢えます☆☆☆
【今回のお買い物】合計:1264円(税込)
★ショソン・オ・ポム:390円
★パン屋のレモンケーキ:180円
★ほうじ茶のカヌレ:200円
★全粒粉50フルーツ:400円
―――≪店舗情報≫―――
【名称】雨の日も風の日も
【住所】京都府京都市北区紫野東野町6
【アクセス】京都市バス「建勲神社前」から西へ徒歩3分ほど/交差点のすぐ傍
【営業時間】8:00〜18:00
【定休日】日曜日・木曜日
【公式インスタグラム】@amenohimokazenohimo