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人類が長年探し求めてきた「幻の星」の痕跡を遂に観測!?

宇宙ヤバイchキャベチ

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「人類が探し求めたファーストスターの痕跡を観測」というテーマで動画をお送りしていきます。

超遠方の宇宙で何を探す?

宇宙はあまりに広すぎるため、1秒間で30万進み、地球を7周半してしまうほど速い光ですら遠方の宇宙に行くには数億年単位で時間がかかってしまいます。

逆に言うと、遠方の宇宙から地球にやってきた光は到達するまでに宇宙空間をはるばる何億年間も旅し続けてきた、何億年も前に遠方にある天体から放たれた光ということになります。

つまり宇宙は遠くを見るほど古い宇宙を見ることになります!

現在科学者たちは、宇宙の歴史を解明するために、初期の宇宙にあると考えられている「ファーストスター」という天体を必死に探しています。

ファーストスターはその名の通り、まさに宇宙で最初にできた世代の恒星です。

Credit:NASA's Goddard Space Flight CenterCI Lab
Credit:NASA's Goddard Space Flight CenterCI Lab

宇宙が始まったビッグバンの瞬間は超高温だったため、宇宙にある物質は原子核と電子がお互い離れて自由に動き回る、電離した「プラズマ」の状態にあったと考えられています。

プラズマの状態だと電離した自由電子の影響で光が直進することができず、宇宙全体が霧や雲に包まれたように視界が開けていない状態が続いていたと考えられています。

ですがその後宇宙の膨張と共に温度が下がり、誕生から38万年ほど経つと、自由電子が原子核と結びつき、光が直進できるようになった結果、宇宙の晴れ上がりが起きたと考えられています。

とはいえまだ恒星やそれが集まった銀河のような明るい天体は存在していないので、それらが誕生するまでは暗黒時代が続いていたそうです。

そんな宇宙の暗黒時代を終わらせ、現在のような美しい宇宙を創ったファーストスターはいつの時代にできたのかを理解するため、科学者たちはそれらを必死になって探しているというわけです!

ファーストスターの探し方

宇宙には元々、ほとんど水素とヘリウムしかありませんでした。

それら以外の元素(金属)は、質量が太陽の8倍以上大きい恒星が核融合で生成したものが、超新星爆発によって宇宙空間に放出されることで徐々に宇宙空間にばら撒かれていきました。

なので、宇宙に存在する金属の比率は宇宙の年代によって異なっているため、恒星に含まれる金属の比率がわかればその恒星が誕生した年代を推定することが可能ということになります!

恒星と言うのは生まれた年代によって3種類に分類され、太陽のように金属が多く含まれる、比較的最近誕生した恒星は「種族I」、金属が極めて少ない、初期の宇宙で誕生した恒星は「種族II」に分類されます。

そして「種族III」、別名「ファーストスター」は、それ以前に恒星が超新星爆発を起こしたことがなく、金属が全く含まれていない、まさに最初の世代の星です。

ファーストスターは超遠方の過去の宇宙ほど存在比が高くなるため、遠方の宇宙を探る事は非常に有効ですが、地球近傍の現代の宇宙でも、無数の星々に紛れて、現代まで生き延びたファーストスターやその痕跡が存在している可能性があります。

ファーストスターの痕跡を発見

Credit:ESO
Credit:ESO

そんな中、今年2021年7月、イタリアのフィレンツェ大学の研究チームは、地球からちょうこくしつ座の方向に約29万光年彼方にある「ちょうこくしつ座矮小銀河」という銀河に属する、「AS0039」という恒星が、ファーストスターが起こした超新星爆発によって形成された可能性があると発表しました!

研究チームがAS0039の組成を分析したところ、天の川銀河外で発見された星の中では、これまでで最も金属比の小さい星であることが明らかになりました。

AS0039自体は種族IIで、非常に古い星であるということです。

Credit:NASA/ESA and the Hubble Heritage Team (AURA/STScI)/HEIC
Credit:NASA/ESA and the Hubble Heritage Team (AURA/STScI)/HEIC

そしてさらに、AS0039は炭素とマグネシウムの量が、他の金属以上に少ないという特徴を持っていました。

つまりAS0039が形成される元となった分子雲(ガスの集まり)は、通常と異なる非常に古い分子雲だった可能性があります。

AS0039の元となった分子雲がどのような現象によって形成されたのかを、シミュレーションを用いて分析した結果、なんと太陽の約21倍の質量を持つファーストスターが、一般的な超新星の10倍ほどのエネルギーで超新星を起こした場合が、最もAS0039の実際の組成とつじつまを合わせることができることが判明しました!

つまりAS0039の組成の分析から、この恒星はファーストスターが起こした超新星によって形成された分子雲から生まれた可能性が高いことが判明したわけです。

このようにファーストスターによる超新星爆発が起きた観測的証拠を得られたのは、今回が史上初とのことです。

人類はファーストスターの謎解明に向けて、確実に歩みを進めることができています。

ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であり、今年末に打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の主要なミッションの一つが、今回の主題である「ファーストスター」を観測することです。

ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡は超遠方を観測するのに非常に長けているので、この望遠鏡が本気を出せば、宇宙最初の銀河や恒星が直接観測できるかもしれません。

今から本当に楽しみですね!

https://www.sciencealert.com/astronomers-may-have-just-found-evidence-of-the-first-stars-in-the-universe
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ac0dc2
サムネイルクレジット:N.R.Fuller/National Science Foundation

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