太陽系の終焉…今から1兆年以内に太陽系で起こる事
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「今から1兆年以内に太陽系で起こる事」というテーマで動画をお送りしていきます。
私たちの太陽系の未来については誰もが一度は考える大きな疑問だと思いますし、古くから数々の研究が行われています。
今回は太陽系の未来について現在考えられていることを時系列で紹介していきます!
135万年後:恒星が接近
地球から約62光年彼方に、グリーゼ710という恒星があります。
この恒星は太陽の質量の6割程度、半径も67%、エネルギーは太陽の10%程度しかない小柄な恒星です。
視等級は9.6程度なので、肉眼では全く見えません。
そんな地味な恒星ですが、この恒星の固有運動を観察したところ、太陽系に向かってきていることが分かったんですね!
今から135万年後の未来に、太陽系の内部にまで侵入してくる可能性があることが判明しました!
最接近時の距離は太陽や地球から16000auのところまでやってくるそうです。
auは地球と太陽の距離1.5億kmを1とした距離の単位で、太陽系最果ての構造であるオールトの雲は100000auあたりまで続いているそうなので、完全に太陽系の内部にまで侵入してくるということになります。
もし16000auまでやってきた場合、地球から見たグリーゼ710の見た目の明るさを示す視等級は-2.7、現在最も明るく見える太陽以外の恒星シリウスでも-1.46なので、圧倒的に一番明るく見える恒星となることがわかります。
16000auに近づいたとき、オールトの雲の天体がグリーゼ710の重力で刺激されて太陽系の内部に落ちて行き、地球にも隕石として衝突しやすくなるなどの影響があるかもしれないと考えられています!
5000万年以内:火星に美しいリングが形成
火星にはフォボスとダイモスという小さな2つの衛星が存在していますが、そのうち火星から近く、大きい方のフォボスは、火星を公転しつつも徐々に接近しています。
そして今から5000万年以内に、フォボスは火星に接近しすぎて粉々に砕かれ、最終的には衝突してしまうだろうと考えられているようです!
そして粉々になってしまったフォボスは火星の周囲でリングを形成すると考えられています。
美しいリングをまとった火星の姿も見てみたい気がします…!
1億年以内:土星のリングが消滅
火星にリングができるとは言っても、太陽系内にある美しいリングを持つ惑星と言えば、やはり土星以外あり得ません。
そんな美しいリングを持つ土星ですが、そのリングも永遠ではないんですね。
NASAの探査機カッシーニによって、現在でも土星の赤道上ではリングを構成する物質が土星表面に降り注いでいることが明らかになったそうです!
リングは徐々に土星に落ちていって今から1億年くらい経てば完全に消滅してしまうと考えられています!
さらに、土星のリングは形成してから1億年ほどしか経過しておらず、46億年の太陽系の歴史の中でこれほど美しいリングを見れる時期は限られている可能性が出てきました。
私たちが生まれた時代は幸運だったのかもしれません。
1億600万年後:太陽系が天の川銀河を半周
最新の研究によると、太陽系は天の川銀河の中心を約2億1200万年という周期で公転しているそうです。
そのためその半分の1億600万年後には、太陽系は天の川銀河の中で現在と真逆の位置にあるはずです。
天の川銀河の中心部は星間ガスや塵の雲の密度が非常に高いため、銀河の中心部や、その背後の宇宙空間からやってきた光(特に可視光)を吸収したりなどして、見えにくくさせています。
そのため現在の太陽系の位置から見て天の川銀河の中心部方向にある遠方の宇宙空間に何があるのかは、実はよくわかっていません。
何か巨大な重力を持った天体や天体群があることは観測から予想されていて、「グレートアトラクター」と呼ばれていますが、その正体ははっきりとはわかっていません。
ですが今後太陽系が天の川銀河を公転し、真反対の位置に移動した時には、これまでははっきり見えなかった方向の宇宙空間に何があるのかが観測できそうです。
とはいえそんなに待たなくてもどこかで人類は天の川銀河の中心部方向の観測手段も確立しているとは思いますので、それに期待しましょう!
36億年以内:トリトン衝突
今から36億年以内には、海王星最大の衛星であるトリトンも海王星に接近しすぎて粉々に砕かれ、最終的には衝突してしまうと考えられています。
火星の衛星フォボスは直径が27km程度でしたが、トリトンに至っては実にその100倍の2700kmもの直径を持っています。
そのため形成されるリングの大きさも、火星の物とは桁違いに壮大なことでしょう!
45億年後:天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突
今から45億年後には、天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突すると言われています。
その頃の惑星から見た景色はこのように見えるそうですが、本当に美しいですね!
恒星同士の間隔は想像を絶するほど広く、その密度は太平洋にスイカが数個ある程度に過ぎないと表現されます。
そのため何千億もの恒星で成り立つ巨大銀河同士が衝突しても星々が直接ぶつかる可能性は極めて低いようです。
とはいえ銀河衝突によって、太陽系が天の川銀河とアンドロメダ銀河の合体後の銀河から投げ出されてしまう可能性はあるそうです。
そうなると太陽系はどこの銀河にも属さない恒星系になるので、かなり寂しくなりますね…
50億年後:太陽が赤色巨星に進化
今から50億年程度の時間が経過すると、太陽の中心部での水素の核融合が終了し、今度はヘリウムを使って核融合を起こす段階に移ります。
太陽は少しずつ膨張して低温になっていく、赤色巨星に進化します。
それから20億年ほどかけてさらに巨大化していき、最終的には現在の半径の250倍以上にまで膨張し、放出するエネルギーも現在の2700倍にまで増大すると考えられています!
太陽が膨張すると外層のガスにかかる表面重力が弱まるため、宇宙空間に大量の恒星風を放出することになります。
その結果太陽系の周囲に惑星状星雲と呼ばれる美しい星雲が形成されると考えられます。
大量のガスを放出した結果、太陽は現在の3分の1程度もの質量を失うそうです!
太陽の重力も弱まるので、太陽系内の惑星の軌道は太陽から遠ざかります。
膨張に伴い水星はほぼ確実に太陽に飲み込まれ、金星や地球も太陽が軽くなることで軌道が大幅に外側に追いやられない限り飲み込まれてしまうとされています。
70億年後:太陽が白色矮星に進化
太陽の膨張がピークに達してからも数億年程度は収縮や膨張を続け、今から70億年ほど経過すると、太陽は完全に核融合を起こせなくなり、エネルギーの供給がストップしてしまうと考えられています。
このように核融合を起こせなくなって残った高温で高密度の星の燃えカスは、白色矮星という天体に分類されます。
白色矮星は高温ですが地球程度の大きさしかないため、周囲に放つエネルギーは恒星より非常に弱いです。
その結果白色矮星を公転する太陽系は極寒の世界となり、どんな生命も存在できない死の環境となるそうです…
1000億年以内:太陽系外の恒星の侵入で惑星総辞職
最近の研究によると、今から1000億年以内には外部からの恒星の接近によって太陽系の惑星の軌道が乱され、生き延びた全ての惑星が、白色矮星となった太陽の周囲を公転するのをやめ、宇宙空間に飛び立つそうです。
自由浮遊惑星となった元太陽系の惑星たちは、延々と天の川銀河やその外の宇宙空間を旅し続けることになります。
最後はみんなで解散することになるのは寂しいですね。
1兆年後:太陽が黒色矮星に
そして今から1兆年も経過すると、表面が高温だった白色矮星も冷え切り、人間の目で見える可視光線を放たなくなります。
そのような天体は、黒色矮星と呼ばれます。
こうして孤独に細々と続いていた太陽の輝きも失われ、太陽系は完全に終わりを告げることになります。
このように太陽系の終焉は寂しいものが予想されていますが、今から遥か未来の出来事なので、少なくとも私たちが気にすることは全くなさそうです。
今の美しい太陽系の中で生きていられることに感謝しましょう!