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この宇宙は膜状の世界だった!?【ブレーン宇宙論】

宇宙ヤバイchキャベチ

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どうも宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「この宇宙は膜のような存在だった!?」というテーマで動画をお送りしていきます。

●超弦理論とブレーン宇宙

あらゆる物質は原子からできています。

原子はさらに小さな「素粒子」からできています。

現在の素粒子物理学の標準理論では素粒子を大きさのない点として扱います。

この素粒子を点ではなく1次元の広がりをもつ「ひも」だと考えるのが「超弦理論」、もしくは「ひも理論」という理論です。

現在発見されている素粒子の数は17種類ですが、超弦理論では1種類の同じひもだけであらゆる素粒子について説明できます。

超弦理論の「弦」は弦楽器の「弦」に似ています。

弦楽器は、弦の振動のしかたを変えることで色々な高さの音を出すことができます。

同じように超弦理論ではひもの振動のしかたの違いによって、質量や電荷など、素粒子の性質の違いが生じると考えます。

超弦理論は1次元のひもをベースに構築された理論です。

ところが、研究が進むにつれて、ひもは11次元という高次元世界に存在している必要があることがわかりました。

つまりこの3次元の宇宙は、より高次元世界の中にある、限られた低次元の空間に存在しています。

これは3次元空間から見た2次元の膜のようなものであることから、「膜(ブレーン)宇宙」などと表現されています。

超弦理論のひもの形状には、両端が開いたひもと、両端がくっついて輪になっているひもがあります。

開いたひも」は、物質をつくる素粒子や重力以外の力を伝える素粒子、「閉じたひも」は重力を伝える重力子です。

このうち、開いたひもの端は必ずブレーンにくっついている必要があります。

開いたひもは両端をブレーンにくっつけたままブレーン上を滑るように移動します。

重力子を表す「閉じたひも」はブレーン上を動くことも、他の次元方向に移動することもできます。

超弦理論が成立するためには10次元の空間(時間を含めると11次元)が必要となります。

3次元以外の7次元(余剰次元)は小さく丸まって隠れていると考えられていました。

しかし、ブレーン宇宙論ではより自然に余剰次元の問題を解決することができます。

先に述べたように、電子などの素粒子や、光子などの重力以外の力を伝える素粒子は開いたひもで表現され、ブレーンにくっついています。

そのため、開いたひもでできた物質は3次元空間であるブレーンから離れられず、余剰次元の方向には移動できません。

光も余剰次元の方向には出ていかず、反対に余剰次元の方向から光がやってくることはありません。

そのために私たちは高次元空間を見ることができないのです。

一方閉じたひもである重力子は3次元空間のブレーンから飛び出して余剰次元の方向にも移動できます。

そのために重力子が高次元空間に染み出てしまい、それだけ3次元空間での重力が弱くなってしまうのです。

実際、電磁気力と重力の強さを比較すると、驚いたことに重力は電磁気力の10の42乗分の1程度しかありません。

ブレーンの外側に広がっている次元は観測できません。

しかし、ブレーンの外側に重力が漏れている効果は非常に近い距離で、「万有引力の法則」とのずれとして確認できるかもしれません。

3次元空間のブレーンを拡大してみると、たくさんの閉じたひもが集まってできています。

閉じたひもは重力子を表現します。

一般相対性理論では重力は空間の曲がりとされています。

ブレーン宇宙論は、一般相対性理論が描く重力と時空のイメージにも合っています。

実際に、物理学者のリサ・ランドールは、ブレーンモデルが一般相対性理論の基本方程式であるアインシュタイン方程式の解になっていることを示しました。

●ビックバンはブレーンの衝突?

高次元空間ではブレーンがいくつも生まれています。

私たちの宇宙のブレーンだけでなく、他の宇宙のブレーンも複数存在するのです。

重力子を表す「閉じたひも」はブレーン上に拘束されることがなく、自由に動けるので、ブレーンから飛び出して高次元空間を漂うことも考えられます。

ブレーンから飛び出した閉じたひもが他のブレーンに到達することもあるでしょう。

これはブレーン同士に重力が働くということになります。

2つのブレーンが重力によって引き寄せられた結果として、ブレーン同士の衝突が起きることが考えられます。

Credit:NASA_s-Goddard-Space-Flight-CenterCI-Lab
Credit:NASA_s-Goddard-Space-Flight-CenterCI-Lab

現在の宇宙論では、宇宙は高温・高圧の火の玉のような状態から大きく膨張して現在の姿になったというビッグバン宇宙論が定説となっています。

「ビックバンというのは、2枚のブレーンの衝突なのではないか?」と考えた二人の物理学者がいました。

アメリカの物理学者スタインハートと南アフリカの物理学者トゥロックです。

彼らは、この発想を元にして宇宙創成のシナリオを考え、新しい宇宙論の構築に専念しました。

彼らによると、私たちの宇宙であるブレーンが隣り合うブレーンと衝突したときに、その巨大なエネルギーによって火の玉のような状態になります。

これがビッグバンの原因なのです。

●膨張と収縮を繰り返す「サイクリック宇宙」

標準的なビックバン宇宙論では、宇宙は138億年前に始まったとされます。

しかし、スタインハートとトゥロックは「宇宙に始まりがある」という考えが気に入らなかったようです。

宇宙創成の前には、時間も空間も存在しないとしたら、宇宙はどのようにして始まったというのでしょうか?

本当に何もないのであれば、物理法則すら存在できません。

そのような疑問を解決するために、スタインハートとトゥロックは新たな宇宙創成モデル「サイクリック宇宙」を提唱しました。

その理論によると、宇宙にはそもそも時間的な始まりなどはなく、収縮→衝突(ビックバン)→膨張→収縮→…というサイクルを際限なく繰り返しているというのです。

例えば、ボールをある高さから落とすと重力によって加速しながら地面に近づき、地面に衝突するとはね返ります。

これと同じようにブレーン宇宙も近づく、ぶつかる、離れる、また近づくという動作を繰り返していると考えられます。

私たちの宇宙はこのようなサイクルを何度も繰り返してきたのでしょうか?

このモデルが本当に正しいかどうかは分かりませんが、生成と消滅の輪廻を繰り返す宇宙というのはまるで仏教的な世界観ですね。

今回の関連で、超弦理論について以下の動画でより詳細に解説しているので、併せてご覧ください!

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75706

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