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ブラックホールの中に無限個の別の宇宙が存在していた!?

宇宙ヤバイchキャベチ

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「原始ブラックホールの中に無限の宇宙があるかも」というテーマで動画をお送りしていきます。

宇宙が始まった直後のインフレーション期には、現在発見されている通常のブラックホールとは発生メカニズムが異なる「原始ブラックホール」という特殊なブラックホールがあったのではないかと考えられています。

そんな原始ブラックホールの中には、なんとこの宇宙より小さな「子宇宙」が存在している可能性があるのだとか!

非常に面白い理論なので、今回は原始ブラックホールと子宇宙について紹介させていただきます。

●一般的なブラックホール

ブラックホールは、重力があまりに強すぎるために一度でもその中(事象の地平面より内部)に入ると出てこれない究極の天体です。

光や情報すらも出てこれないので、外の世界からはその中身のことを知ることは絶対にできません。

こんな常識外れの天体ですが、現時点で人類はこの宇宙で多くのブラックホールらしき天体を発見することができています。

2019年には史上初めてブラックホールの直接観測にも成功し、その存在はもはやほぼ確実なものとなっています。

そんなブラックホールは、太陽の30倍以上の質量を持つ超大質量の恒星が一生を終え、超新星爆発を起こした後にその中心部に残るものであると考えられています。

つまり現在発見されているブラックホールは、星の死と密接に関りがあるのです。

●原始ブラックホール(PBH)とは?

Credit:NASA/WMAP Science Team
Credit:NASA/WMAP Science Team

ですが一方で、そのような一般的なブラックホールの形成メカニズムとは異なるメカニズムで誕生したブラックホールも存在するのではないかと考えられています。

この宇宙は今から138億年前に非常に小さい状態から始まり、その直後急激に膨張(インフレーション)を起こすことによって現在のような巨大な宇宙に成長したと考えられています。

そしてインフレーションが起きていた際に、宇宙全体の平均密度よりも30%程度密度が高い空間が存在すると、その空間では重力が大きくなりすぎて、ブラックホールが形成されていたと考えられているんですね!

このように星の死の瞬間ではなく、宇宙誕生直後のインフレーション期に誕生していたのではないかと考えられているブラックホールを、特に原始ブラックホール(Primordial Black Hole, PBH)と呼んでいます。

●PBH=ダークマター説

これまでに明確に原始ブラックホールが発見されたことはまだありませんが、仮にこの原始ブラックホールが存在すると、多くの未解決問題が解決されるとされています。

まず挙げられるのが超大質量ブラックホールの問題です。

太陽の何億倍以上も重い超大質量ブラックホールは、宇宙誕生から数億年後にはすでに存在していたとされていますが、なぜそのような短期間でブラックホールがそこまで巨大な質量を獲得することができたのかは、未だに明確なことは分かっていないそうです。

そこでもしも宇宙に原始ブラックホールがたくさん存在しているとすれば、ブラックホールの成長を促進できるので、初期宇宙にすでに存在していた超大質量ブラックホールの成長メカニズムをうまく説明できる、というわけなんですね。

Credit:NCSA, NASA, B. Robertson, L. Hernquist
Credit:NCSA, NASA, B. Robertson, L. Hernquist

そして原始ブラックホールの存在によって、この宇宙の最大級の謎とも言える「ダークマター」の正体も解明されるかもしれません。

銀河の回転運動や他の銀河との相互作用など、マクロなスケールで宇宙を観測すると、人間が存在を知っている物質だけでは明らかに質量が足りないほど強い重力が働いているような振る舞いをしていることが知られています。

具体的には人間が知覚できる通常の物質の5-6倍程度の質量を持った未知の物質がないと、この宇宙の様々な運動を説明できないことになります。

この「未知だが確実にあると考えられている物質」を、ダークマターと呼びます。

ダークマターは人間が知っている物質の5-6倍程度の質量を持っていることは間違いありませんが、その正体は全くわかっておらず、未知の天体説、未知の素粒子説など様々な説があります。

そんなダークマターの正体の候補の一つに、今回の原始ブラックホールがあるんですね!

確かに人間が知らないだけでこの宇宙に無数の原始ブラックホールがあれば、未知の質量を上手く説明することができそうです。

●PBH=子宇宙!?

Credit: Kavli IPMU
Credit: Kavli IPMU

そして原始ブラックホール関連の理論の一つに、原始ブラックホールは実はインフレーション時にこの宇宙に誕生した、より小さな宇宙にあたる「子宇宙」が収縮してできたものであるという理論もあります。

この理論によると、私たちの宇宙(母宇宙)のインフレーションの間により小さい子宇宙ができ、その子宇宙の中でさらに小さい孫宇宙ができ…と続いて、宇宙が無限に出来上がるんだそうです。

その際形成された子宇宙はあまり大きくなければ勝手に収縮していくそうなのですが、それが収縮してできたのが原始ブラックホールなんだとか…

そして2020年のノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズ博士は子宇宙についてさらに面白い現象を予言しています。

形成された子宇宙の質量がある一定よりも大きい場合、外の世界(母宇宙)から見るとただのブラックホールですが、子宇宙の内部から見ると膨張し続ける宇宙に見えるんだそうです…

このように、なんと子宇宙を内部から見るのと外部から見るのとでは全く違った姿が見えるのだそうです!

余りに奇妙でもはやSFかと思えるほどの設定ですが、これもしっかりと理論的に語られている説です。

Credit Springel et al. (2005)
Credit Springel et al. (2005)

東京大学のカブリ数物連携宇宙研究機構とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の国際共同研究チームは現在、このような子宇宙の考え方をもとに原始ブラックホールの観測を試みています。

原始ブラックホールが実在してダークマターの正体が明らかになったらおもしろいですし、その内部に別の小さい宇宙=子宇宙が広がっていたらもっと面白いですよね!ロマンしかないので、今後の新発見に期待です!!

今回の関連で、宇宙に始まりのビッグバンは存在せず、それ以前の過去が無限に続いていたという非常に面白い理論も以下の動画で紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください!

https://www.ipmu.jp/ja/20201224-PBH-multiverse
https://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/docs/kouen_satou.pdf

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