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路線バスを徹底レビュー!慣れ親しんだこの機能知ってた?

矢田部明子自動車ライター

クルマ好き女子の矢田部明子です。今回は、三菱ふそうの大型路線バス「エアロスター」についてレポートしていきたいと思います。ちなみに皆さんは、路線バスを間近でジックリ見たことはありますか?かく言う私も、利用することはありますが、装備されている機能の1つ1つを知っているわけではありませんでした。街中でよく見かける慣れ親しんだクルマですが、意外と知られていない機能があったのでご紹介していこうと思います。

この記事では最低限押さえておきたいポイントを、動画では重箱の隅をつつくように詳しく解説&若干辛口コメントもしているので、宜しければご覧になってみて下さい↓

三菱ふそう エアロスター のことを詳しく解説したYouTubeはコチラ!

エアロスターはこんなクルマ

毎日の交通手段として、日本中の街を駆け巡る大型路線バスです。15標準仕様ノンステップバス認定制度に対応し、お子様やお年寄りの方、車いすやベビーカーを利用される方も安心して乗車できるように、車両仕様や機能など、色々な工夫が施されています。さらに、環境にも優しいバスとなっています!

今回ご紹介するのは、中扉をなくすことで座席数を増やした「前扉仕様車」というタイプで、企業や学校向けの送迎が主な用途となる車両です。

その① 外観

車体は大きいですが、ウインカー部分がほっぺたに見えて、なんか可愛い……スタイリッシュというよりは、親しみやすい雰囲気があるなと感じました。それでは、詳細を見て行きましょ~!

フロントガラス下部についているハンドル&ライト下に付いているステップは、高い場所を掃除する時に使います。例えば、こんな感じでフロントガラスを拭きます↓

ステップの幅が狭いので、つま先をプルプルさせながら登りました(笑)。フロントの右下にあるのは、前扉開閉スイッチです。運転席からだけではなく、外からも操作可能になっています。

同じく、フロントの右下には窓ガラスがあります。これがあることによって、運転席から見にくい左前方が見えやすくなります。

ミラーの位置は、風切り音を極力抑える&ミラー自体がブルブル震えないような 形状と取り付け位置 になっています。

一般車両では見られないようなホイールの形状は、ISO規格となっているそうです。

前輪タイヤのすぐ後ろにある給油口からは、155ℓの燃料が入ります。乗車人数や走行場所にもよりますが、燃費は4.45km/ℓくらいとのことでした。

後輪タイヤのすぐ後ろにあるのは、アドブルー挿入口。

その② 内装

車内は、お客さんがいかに快適に乗車出来るかがよく考えられていて、おもてなし感満載でした。それでは、詳細を見て行きましょ~!

入口部分に付いているステップは、濡れた靴でも滑りにくいようにボコボコした仕様になっています。

運転席左側には、ラジオ&運行管理をする機材が設置してあります。

この車両はAT車なので、運転席左横にはATの操作が付いています。坂道発進をする時は、モードというボタンを押して「パワーモード」に切り替えるなどしているそうです。路面状況に応じて切り替えが出来るとは……!バス、なかなかやりおる!

また、ハンドル左横には「非常ブレーキボタン」が設置されています。例えば、運転手さんの身に何か起こったときにこのボタンを押すと、ドライバー異常時対応システム(EDSS)が作動して徐々に減速し、バスが止まる仕組みになっています。実際に試してみましたが、大きなクラクション音が鳴り、ハザードランプを点滅させながら周囲に警告し、ゆっくり停車するという感じでした。いつ起こるか分からないトラブルに備えて、色々考えられているのです。

ちなみに、この非常ブレーキは乗車席にも付いています。

最後尾にあるシート付近には非常口もあります。シートを倒してレバーを引けば、10秒くらいで簡単に扉が開くようになっています。

ハンドル右横には、バッテリーリレースイッチなどの走行性能に関わるボタン が付いています。運転席右側には、照明&換気扇のスイッチなどのボタンが付いています。そして、火災の時のために消火器も常備されています。

その③ 走り

今回は、「三菱ふそうトラック・バス株式会社 喜連川研究所」内のテストコースを特別に走行させて頂きました。時速60kmを超えると、さすがに揺れて 突き上げ感が気になるなと感じました。ですが、街中を走っている路線バスのスピード(だいたい時速40km)で走行してもらうと、乗り心地はGoodでした。

アイポイントが高い&フロントガラスが大きいので、運転席からの眺めは最高です。車体のサイズ的に、運転するのにテクニックが要求されますが、視界的な部分だけでみると、かなり運転しやすそうだと感じました。

エンジンは7.5ℓ 直列6気筒インタークーラーターボ。エンジン音が大きいと、住民の方の迷惑になってしまうこともあるため、消音材を使用するなどの工夫が施されているそうです。

その③ 居住性&使い勝手

実際に乗ったことのある人が多いかと思いますが……。一応レビューしていきましょう!

一見シートは薄く見えますが、内側は固めで、表面がフワフワしているので座り心地は◎です。

ヘッドクリアランスは充分なので割愛させて頂いて……。前のシートとの距離は、だいたい拳2.5個分です。

床はフルフラットになっているので、車内を移動しやすいです。

ということで、今回は大型路線バス「エアロスター」をご紹介しました!皆さんも街中で見かけたら、注意深く観察してみて下さい!

自動車ライター

幼い頃からガンダムが好きで、ロボットや車に興味を持つようになる。その後、工業高等専門学校に入学し、物質工学・機械工学など専門工学を学ぶ。現在は自動車雑誌など多くの媒体で執筆。愛車はランドクルーザー76でオフロードコースを走るのが趣味。

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