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高齢者との会話がはずむ魔法の言葉「さしすせそ」困った時にはこう言ってみよう【介護福祉士が漫画で解説】

みなさんこんにちは!認知症の支援サポーター『夢 はるか』です。

わたしは、介護現場で15年以上働く介護福祉士です。

これまで、デイサービスや訪問介護の職員として、多くの高齢者の方と楽しい時間を過ごさせていただきました。

しかし、新人の頃はお年寄りとの会話がかみあわず、どう話したらいいのか戸惑うこともよくありました。

今日は、高齢者の方との会話がスムーズに進み、相手も自分もうれしい気持ちになる魔法の言葉『さしすせそ』をご紹介します。

お年寄りとの会話に困ったら、ぜひ使ってみてください。

さ 『さすがですね』

5分前の出来事を忘れる認知症の人でも、若い頃に体で覚えた縫い物の技術など、手続き記憶と呼ばれるものは、忘れないことが多いのです。

デイサービスの手芸の時間に、わたしには絶対に真似出来ない、素敵なぬいぐるみを作るお年寄りが何人もおられました。

その姿を見ると、自然と『さすがですね』と言葉が出ました。

し 『知らなかったです。勉強になりました』

スマホ時代になって、ますます本を読まなくなったわたしにとっては、ことわざや四字熟語など、お年寄りから初めてきく日本語がたくさんあります。

自分たちが暮らす地域の歴史も、お年寄りはよく知っています。

お年寄りとの会話によって、自分の知識がどんどん増えていきます。

ここで、みなさんに読んでいただける文章を書けるようになったのも、お年寄りの皆さんとの会話のおかげ…感謝です。

す 『すごいですね』『素敵です』

季節ごとに、庭で育てたお花をデイサービスに持ってきてくださる方がおられました。

お花がきれいなのはもちろんですが、そうやって、わたしたちのことを気遣ってくださる気持ちが、とても「素敵ですね!」

わたしも、そんな気配りのある人になりたいです。

せ 『センスがありますね』

今では絶対にお店に売っていないヴィンテージの服で、デイサービスにビシッと決めてくるお年寄りもおられます。

若者には真似できない素敵さに思わず、

「センスがありますね!」

洋服のおしゃれ以外でも、周りの人に対する言葉遣いにセンスを感じさせる方もいらっしゃいますよ。

そ 『そうなんですか』

腹の立ったことや、嫌な思いをしたことを、何度も繰り返し話される方もおられます。

明らかにつじつまの合わない話や、自分勝手な思い込みもありますが、一旦は否定せずに聞くことも大事です。

『でも』『だって』『違うよ』と頭ごなしに否定されると、悲しい気持ちになりますね。

否定はネガティブな感情を増幅させてしまいます。

「そうなんですね」

「そんなふうに思われたんですね」

事実確認よりも、まずは、その人の気持ちに寄り添うことがコミニュケーションの第一歩です。

「そうだね」

「そういうこともあるよね」

共感のことばでワンクッション。

ちょっとだけ、心がなごみます。

まとめ

『さしすせそ』は、相手のことを受け入れ、共感する肯定的な言葉です。

これらを使うときには、一つ条件があります。

それは、心からそう思って言うことです。

心にもないことを口先だけでいうと、それはかえって人を嫌な気持ちにさせてしまいます。

心からの『共感と肯定』の思いを、自然な笑顔と明るい口調で話してみましょう。

介護福祉士としてデイサービスや訪問介護の現場で働いてきました。職場の上司の指導で、研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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