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運動を継続したい!運動は公園でもできるのになぜ人はジムに行くのか?継続の鍵とは【心理学者が解説】

赤田太郎の仕事に役立つ心理学常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士
ジムに行くってどうなの??

みなさんこんにちは。仕事に役立つ心理学の赤田太郎です。

普段は大学教員として心理学の教育や研究を行い、また学校や企業でのカウンセリングなどの実践から、You Tubeやインスタでこころの健康の大切さをSNSで発信しています。よろしければフォローをお願いします。

皆さんは運動を定期的にすることについて心や体の健康に良いことは分かっていると思います。しかし、運動を継続するとなると、非常にハードルが高く、挫折した人も多いのではないでしょうか?また ジムと契約したものの、なかなかその足が遠のいている人にいるのではないでしょうか?

今回の記事では、運動を継続するための鍵となることについて、スポーツ心理学者からヒントになることをお話ししたいと思います。

運動のメンタルヘルスへの有効性

国際スポーツ心理学会は、運動のメンタルヘルスへの効果について6つの点からまとめています。

  1. 運動は状態不安を軽減させる
  2. 運動は軽度から中程度の抑うつレベルを軽減させる
  3. 長期的な運動は神経症が不安症を軽減させる
  4. 運動は重度の抑うつに対する専門的治療の補助となりうる
  5. 運動は様々なストレス指標の軽減をもたらす
  6. 運動は年齢や性別を問わず情緒的効果をもたらす

このように、運動によるメンタルヘルスの効果はかなり高いことがお分かりいただけたと思います。

運動を継続するためはいかに快適であるかどうか

こんなに効果的にもかかわらず、継続的に運動がしにくいと感じる理由は一体何ででしょうか。

それはおそらく運動をいかに快適に行えるかという視点で運動をしていないからだと思われます。

運動のキツさや強さ、つまり強度について、自分にとって最も快適で楽しく感じられる運動強度を快適自己ペースと呼んでいます。

定期的に運動を続けられる人は、この快適自己ペースの運動強度に近いレベルで行っていると推察されており、メンタルヘルスの改善や向上への新たな1つの方向性として、近年注目されています。

快適なペースが運動のたのしみそのものなのです
快適なペースが運動のたのしみそのものなのです

快適自己ペース(CSEP)とは

快適自己ペース(Confortable self-established pace:⁠CSEP)の特徴についてお話ししたいと思います(橋本・斎藤,2015)。

快適自己ペースは個人差があり自分で選択できる
快適自己ペースはその日の体調や気分で変更ができる
快適運動ペースは快適な状態を維持するために運動中に変更できる
快適自己ペースの運動は常にポジティブな感情をもたらす
快適自己ペースは運動継続を導く可能性がある

まず、快適自己ペースは個人差があり、人によってさまざまです。ですので、自分で選択することができます 。また、その日の体調や気分によって変更することもできます。運動の目標が、回数や重さではなく、自分の快適さを基準にすることになります。

そして快適な状態を維持するために、運動中にもその強度を変更することができます。少ししんどいなと思えば、その強度を緩めるなど自由に変更できます。

そのとき、常にポジティブな感情を感じることが大切となります。それが結果的に運動継続を導く可能性があると指摘されているのです。

要するに、運動中に快適と思える強さに自分で設定することが大切ということになります。

運動継続のために公園よりもジムが最適な理由

運動を継続させるために、公園で運動を行うよりもジムで行う方が最適な理由についてお話ししたいと思います。

それはジムの方が運動強度を目に見える形で自由に選択しやすいからです。

例えば、腕立てをするとき、その運動強度は自分の体重になります。姿勢を変更することで運動強度を多少調整できますが、自分にどの程度の運動負荷がかかってるか認識しにくいのです。

一方、ジムでは運動器具の引っ張り強度を数値で調整できます。自分の筋力に合わせた運動強度を快適に設定することができるのです。

これが公園よりもジムで運動を継続しやすい理由になります。

運動継続のポイントとは

運動を継続させるためのポイントとしてはいかに自分にとって快適な運動強度を、その日の体調にに合わせて調整するかに尽きます。

その運動強度を、強くも弱くも設定できるので、自分がこの運動を快適だな、気持ちいいな、という運動強度に設定すれば、ポジティブな感情がわき上がります。そのポジティブなポジティブな感情を体験したいからジムに行きたいな、という気持ちになれると運動を継続させることができるのです。

ただ、お金や時間でジムに通えない人もいると思います。家でもできる工夫がありますので、軽い運動(快適自己ペース)を日常生活の中で取り入れてみてください。

歯磨きしながらスクワットする
メイクをしながらつま先立ちをする
階段を使って移動する
お風呂の時にストレッチする など

この知識を参考にしていただいて、継続的な運動をメンタルヘルスの向上にお役立ていただきたいと思います。

詳細については、動画の解説をご覧ください。わかりやすく解説させていただいております。

記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

赤田太郎の仕事に役立つ心理学では、社会のおける心理学的な解説そして仕事に役立つ心理学をお届けします。よろしければ フォローをよろしくお願いします。

また次の記事でお会いしましょう!

常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

常葉大学(浜松)健康プロデュース学部心身マネジメント学科/常葉大学大学院健康科学研究科臨床心理学専攻 准教授。立命館大学/武庫川女子大学・大学院非常勤講師。働く人と家庭のメンタルヘルス・ストレス・トラウマが専門。働くみなさんにこころの健康の大切さを伝えるために、誰でもわかりやすい心理学をYouTube・Instagramで発信しています。

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