【水戸市】笠間産の栗が「これでもか!」と入った栗むし羊羹は1日に600本売れる日あり!梅の形の最中も
こんにちは〜、かごマルシェです!
秋も深まり、栗の美味しい季節、真っ只中。
美味しい栗むし羊羹を食べたいと、水戸市南町の和菓子店「釜人 鉢の木」を訪れました!
蔵のような外観、趣きがあります。こじんまりしていますが、さすが老舗、風格が漂います。
店内のようす
ショーケースには、詰め合わせの見本がたくさん。
木の看板には、「最中の店」と書いてありますね。このお店の看板菓子は、そう、梅の形をした最中!
有名な婦人誌の特集にも掲載されたほど。
これについては、後ほど〜。
そして、お店の一番目立つところに並んでいるのが、今回の目玉「栗むし羊羹」!この季節になると店頭にお目見えします。
他にも、梅の形をした「梅吹雪最中」、しおがま、どら焼き、本煉りの羊羹、玉子饅「香雪」などが並びます。
詰め合わせだけでなく、バラで購入することもできます。
しおりも店頭に置いてあるので、この表を見ながら個数を選ぶことができます。
取材をお願いしたところ、工場も見学させていただくことに!急にお尋ねしたのにも関わらず、店主自ら丁寧にご説明くださいました。
工場のようす
工場は、お店のすぐ近くの街中にあります。
今の季節は、栗の仕込みの真っ最中!栗は9月初旬〜10月中旬頃と、出回る季節が短いため、集中的に1年分の栗の蜜漬けを作るそうです。よって、今はとても忙しい季節。朝の4時から毎日栗と向き合います。
1年分で2tも仕込むそう!
笠間産のむき栗を煮て蜜に漬け、
1日寝かせて、翌日もう一度煮ます。蜜の糖度を見ながら、もう一度蜜に戻します。とても手間がかかりますね。そして出来上がったのがこちら。
なんと綺麗な栗の蜜煮!黄金色に輝いています。
一つご馳走になりました。栗の凝縮した甘みと風味が口一杯に広がります!これぞ秋の味覚!
そして、こちらが餡のもとになる豆。餡はもちろん自家製です。
左が、つぶ餡用の大納言、大きな粒です!右が、こし餡用の小豆。どちらも北海道産。使い分けることで、それぞれの豆の良さを活かしています。店主の「和菓子は素材が命」の言葉、この豆の輝きからもわかりますね。
やはり大納言はたいへん高級で、材料費も高騰している中、仕入れるのが困難だそうですが、お客様のため尽力されているとのこと。ありがたいです。
そして、これが「白双糖(はくそうとう)」。グラニュー糖よりも粒が大きいですね。お菓子に使う中で最高級のランク。こちらを使うと素材を引き立て、まったりすることのないスッキリとした甘さになるそうです。
こちらは、どら焼きを焼く銅板。皮を手焼きで1枚ずつ焼いているそう。このような厚みのある銅板を使っているところは、なかなか無いとのこと。
こちらのどら焼きは、小麦粉:卵:砂糖を1:1:1の割合で配合した、卵多めの作り方。卵は茨城産にこだわっているそうです。どら焼きの日持ち期間が短いのは、保存料が入っていないから。日持ちは翌日まで(涼しくなったら翌々日まで)です。
お店の歴史と想い
「釜人 鉢の木」は、昭和31年11月6日に創業、今年で67年になります。現在は2代目です。「鉢の木」とは、謡曲(能の曲)「鉢木(はちのき)」に由来します。
ある大雪の日に、身分を隠して宿を求める北条時頼。家の主人は、薪が無いほど今は落ちぶれてしまった武士で、客人に大切にしていた鉢の木の梅・松・桜を火に焚べて部屋を温めます。「鎌倉に一大事が起これば、真っ先に駆けつける覚悟」と話す主人。やがて季節が巡り、鎌倉で兵を集めるとの知らせに、痩せ馬にむち打ち、駆けつけた主人を見て、北条時頼は、忠誠に感動し、梅・松・桜の名のついた荘園を主人に与えた、というのが「鉢の木」の物語のあらすじです。この謡曲が包装紙に文字で綴られています。ここでもこだわりが感じられますね。
「良い材料と素材にこだわって仕入れ、そして手間ひまをかけて、手作りをする」、これを信念として和菓子を作り続けているとのこと。このようなお店には、いつまでも長く通いたいものです。
お家にて
3時のおやつに、煎茶と共に、いただきました。
栗むし羊羹
笠間の栗が、ぎっしり詰まっています。
餡は、「笠間産の自家製の蜜漬け栗」の蜜を餡に入れて練り上げ、そこに「笠間産の自家製の蜜漬け栗」をたっぷりと入れて、ボイラーで蒸し上げて作っています。
毎年9〜12月末まで販売。1日に400〜600本作るそう。水分が多めで、保存料が入っていないため、日持ちは翌日まで。常温保存が良いそうですが、気温が30度を超えるときはラップに包んで冷蔵庫へ。
では、煎茶といただきます!
水分多めで作られているので、他のお店のものより、しっとりと仕上がっていて食べやすいです。そして、ほんのり塩味が効いています。栗がこんなにたくさん!餡の美味しさ、栗の美味しさが一つになって、なんて贅沢なんでしょう。断面も美しい!毎年、これを楽しみに待っているお客さんが多い理由がわかります。意外と年末にも人気なのだとか。おせちの一品として楽しまれる方が多いそうですよ。
梅吹雪最中
梅の花を形どった最中。偕楽園の梅をモチーフに作られています。包装紙に包まれていないのがつぶし餡2種(大納言・白手亡)。包まれているのが、こしあん・くりあん。
今回は、白手亡を選びました。白手亡とは、白いんげんのこと。北海道産です。
皮は、東京の最中の皮の専門業者に焼いてもらっているそうです。和菓子店の多くは、最中の皮は専門業者に発注するのが普通だそう。硬さ・色・風味の希望を伝えて焼いてもらっているとのこと。パリッパリに焼くと、餡を入れた時に膨張して割れてしまうため、程よい硬さが重要。勉強になります。
白餡が濃厚で、風味が強く、香ばしい最中ととても良く合います。
こしあん・くりあんも食べてみたいなぁ。
どら焼き
とても焼き色がきれいな、どら焼き。銅板で焼いているからこそ、この美しい仕上がり。
中は、つぶあんがギッシリ。しっかりと煮詰められて、旨みがギュッと凝縮しています。さすが北海道産の大納言!皮はふんわり、というよりはしっかり、という感じです。卵の美味しさも伝わってきます。
その他
お店は京成百貨店の近くです。大通りに面しているので、わかりやすいですよ。
栗むし羊羹はもちろんのこと、季節によって、柏餅、水羊羹なども並びます。
これからは温かい飲み物が欲しくなる季節。煎茶、お抹茶と共に、ぜひこちらの和菓子を食べてみてくださいね。
店舗情報
釜人 鉢の木
住所:茨城県水戸市南町3-6-28
アクセス:JR常磐線水戸駅下車 北口よりバスにて5分 バス停「泉町一丁目」より徒歩5分
JR常磐線水戸駅下車 北口より徒歩にて15分
電話番号:029-221-5874
営業時間 9:30〜18:30
定休日:木
駐車場:無
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