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【福岡ラーメン最前線】親子での参加も楽しい! 製麺所が手掛ける「ラーメン作り体験」が話題

上村敏行ラーメンライター

皆さん、啜ってますか? ラーメンライターの上村です。福岡を訪れたならマストで楽しみたいラーメンですが、今回は“味わう”だけでなく“自分で作ってみる”、そんな“ラーメン作り体験”が楽しめるスポットを3つ紹介します。

【“ラーメン作り体験”のポイントはこちら!】
其の壱)製麺所が手掛ける「ラーメン作り体験」で本格的な麺が作れる「博多製麺処 親子製麺教室」「吟麦製麺 製麺体験教室」、さらに人気ラーメン店のイベント「ちびっこラーメン道」を紹介
其の弍)ファミリーでも気軽に参加可能。子どもへの食育にもぴったり!
其の参)観光客、地元民に人気を集めているだけでなく、ラーメン好きの外国人からも熱視線!

いつもは“食べる側”で楽しませてもらっているラーメン。“作り手側”も体感すると、さまざまな発見と共に、新たなラーメンワールドが広がります。お気に入りの“いつもの一杯”の魅力もより深めてくれ、背筋を伸ばして大切に食べたくなるラーメン作り体験。福岡旅のプランに入れてみてください。では、紹介しましょう。

上村敏行。2002年からラーメンライターの活動をスタート。その活躍はイギリス・ガーディアン、ドイツZDFでも紹介された。「九州の豚骨ラーメンこそ最強」を掲げる「RAMEN WONK KYUSHU」主催
上村敏行。2002年からラーメンライターの活動をスタート。その活躍はイギリス・ガーディアン、ドイツZDFでも紹介された。「九州の豚骨ラーメンこそ最強」を掲げる「RAMEN WONK KYUSHU」主催

1)ラーメン業界の未来のため、一大製麺所が食育に乗り出した。「博多製麺処 親子製麺教室」

福岡県産のラーメン専用小麦「ラー麦」を使った麺を主体に、現在月間約30万玉を製造する「博多製麺処」。ラーメン店主の多様な麺の要望にも応えてくれることでも人気の同製麺所が”食育”も注視し、一般向けの「親子製麺教室」を今春本格スタートさせました。

会場となる「nodoca」。最寄駅はJR二日市駅、西鉄紫駅からも至近
会場となる「nodoca」。最寄駅はJR二日市駅、西鉄紫駅からも至近

場所は福岡県筑紫野市にある「nodoca」。「博多製麺処」は大野城市に工場があるのですが、体験は筑紫ガス運営の施設「nodoca」内のレンタルキッチンで行っています。開催日や予約など詳細は、最後に紹介する「博多製麺処」のインスタグラムをチェックしてください。今回は、筆者が親子で参加したラーメン作り体験の様子をお届けします。

「nodoca」1階奥にキッチンがあります。「博多製麺処」の工場長・新吉隆大さんとスタッフがお出迎え
「nodoca」1階奥にキッチンがあります。「博多製麺処」の工場長・新吉隆大さんとスタッフがお出迎え

1.ラー麦粉を計量する

まずは、材料となる福岡県産のラーメン専用小麦「ラー麦」を200g分計量。ラー麦粉はボウルに出した後、中央にくぼみを入れておきます。

「ラー麦」の知名度も上がってきました。今回はラー麦100%の麺を作ります。香りが良く、細麺にしてもゆで伸びしにくいのが特徴
「ラー麦」の知名度も上がってきました。今回はラー麦100%の麺を作ります。香りが良く、細麺にしてもゆで伸びしにくいのが特徴

ラー麦粉を計量してボウルに入れます
ラー麦粉を計量してボウルに入れます

2. 混ぜた後、粉をまとめて塊にする

塩、かんすいを溶かした水を、数回に分けてラー麦粉に加えて素早く混ぜます。そぼろ状になったら、しっかりとこねて1つの麺の塊に。この“かんすい”はコシへとつながる、ラーメンの麺には欠かせないものです。

ギュギュッと力を入れてラー麦粉を団子状にしていきます
ギュギュッと力を入れてラー麦粉を団子状にしていきます

3.生地を広げた後に、折りたたんで麺を“鍛える”

生地をビニール袋に入れ、しっかりと手で広げます。広がったら折りたたんで、体重と力を入れてもう一度。この工程で麺のコシを鍛えていきます。

ビニール袋に入れて生地を少しずつ広げていく
ビニール袋に入れて生地を少しずつ広げていく

4.おしりに敷いて熟成。待っている間はラーメンクイズ!

ピザのように丸い形にした生地を、ビニール袋に入れたままお尻の下に敷いて、しばらく寝かせます。その間は、楽しい麺クイズ。クイズで出題されていましたが、福岡県は北海道に次ぐ全国2位の小麦の生産量を誇っている、また福岡県内で消費されている国内産小麦はパンやラーメンよりも“うどん”の方が多いそう。なるほど。これは福岡市民も意外に知らないですね。

ビニール袋に入れた麺をおしりに敷いて体温で熟成させます
ビニール袋に入れた麺をおしりに敷いて体温で熟成させます

工場長の新吉さんがラーメンいまつわる楽しいクイズを出してくれます。子どもも大盛り上がり
工場長の新吉さんがラーメンいまつわる楽しいクイズを出してくれます。子どもも大盛り上がり

5.生地を伸ばす

寝かした生地を4つに切り分けます。次に打ち粉をまぶし、手動の製麺機に通る厚さ(4mm程度)まで、木の棒を使って伸ばしていきます。

熟成させた生地を約4mm の厚さまで伸ばしていきます
熟成させた生地を約4mm の厚さまで伸ばしていきます

6.生地の厚みをそろえる

生地を手動の製麺機(パスタマシン)のローラーにかけて厚さを均等にしていきます。ローラーの隙間を少しずつ狭くしていくので、ハンドルをまわす手応えが都度強くなります。

ローラーに数回かけて生地の厚みを一定にします
ローラーに数回かけて生地の厚みを一定にします

7.製麺(切り出し)

生地を製麺機の切刃を通して“麺”にします。麺同士がひっつかないよう打ち粉をまぶしたら自家製麺が完成。

ハンドルをまわすと、きれいな線に整った麺が出てきます。子どもたちの歓声が上がる瞬間!
ハンドルをまわすと、きれいな線に整った麺が出てきます。子どもたちの歓声が上がる瞬間!

8.麺を茹でて、盛り付け

切り出した麺。4玉ほどできます。ラー麦の香りが芳醇!
切り出した麺。4玉ほどできます。ラー麦の香りが芳醇!

麺を茹でて、用意された具材、スープを使って盛り付け。麺茹では、安全のため基本はスタッフがやってくれ、小学生高学年からはレクチャーを受けながら体感することもできます。

好みの硬さで麺を茹でます
好みの硬さで麺を茹でます

9.お待ちかねの試食

打ち立ての麺は、ツルシコ感が際立っているのが魅力。残った麺は持ち帰って冷蔵庫で熟成させて、ざるラーメンなどで味わってください。また違った食感、風味が楽しめます。受付から試食まで約2時間。手軽に体験できるのがいいですね。子どもたちも大満足でした。

【博多製麺処 親子製麺教室】
会場:「nodoca」レンタルキッチン(福岡県筑紫野市二日市中央2-10-10)
開催日:毎月第1日曜ほか(要問合わせ)
時間:11:00〜約2時間
参加費:1家族4,000円
※予約、詳細は下記「博多製麺所」インスタグラム参照
https://www.instagram.com/hakataseimensyo

2)子どもからプロ志望まで多彩な製麺コース「吟麦製麺 製麺体験教室」

「吟麦製麺」のラーメン
「吟麦製麺」のラーメン

福岡市・美野島にある「吟麦製麺」は、2019年に開発された小麦「吟麦」を用いる製麺所に、カフェのようなおしゃれなラーメン店が併設されています。平日のみ予約制で開催される製麺教室は、“体験”“初級”“プロ”の3コースを用意。「体験コース」は、子ども連れでも参加できる“製麺体験プラス食事”のコース(所要約90分)。「初級コース」は、製麺工程の座学、製麺体験、食事の、製麺を志す人の入口となるコース(所要約120分)、「プロコース」はより専門的な製麺実技が学べるコース(所要約240分)です。天神、博多駅エリアからのアクセスもいい美野島商店街内にあり地元民、観光客、外国人にもプッシュしたいスポットですね。

美野島商店街の一角。店舗の奥に体験でも使われる製麺室があります
美野島商店街の一角。店舗の奥に体験でも使われる製麺室があります

ファミリーでの手軽なものから、製麺のプロを志す人まで、幅広いニーズの製麺体験に対応しています
ファミリーでの手軽なものから、製麺のプロを志す人まで、幅広いニーズの製麺体験に対応しています

【吟麦製麺 製麺体験教室】
会場:吟麦製麺(福岡市博多区美野島1-9-20)
電話:092-292-4211
開催日:平日(事前の電話か来店しての要予約)
参加費:体験コース1人3,000円、初級コース1人5,000円、プロコース1人10,000円

まだある「ラーメン作り体験」)「拉麺 久留米 本田商店 ちびっこラーメン道」

最後は、久留米ラーメンの人気店「拉麺 久留米 本田商店」で行われている「ちびっこラーメン道」。こちらでは本格的な豚骨「久留米ラーメン」作りが体験できます。開催は不定期ですので、要問い合わせ。 0942-55-4065(拉麺 久留米 本田商店 本店)。

先駆けて食育イベントを行ってきた店主の本田眞一さん
先駆けて食育イベントを行ってきた店主の本田眞一さん

福岡で「ラーメン作り体験」が楽しめる3スポットいかがでしたでしょうか。重ねて言いますが、いつもは“食べる側”で楽しませてもらっているラーメン。“作り手側”も体感すると、さまざまな発見と共に、新たなラーメンワールドが広がります。お気に入りの“いつもの一杯”の魅力も、より深めてくれる「ラーメン作り体験」を福岡旅のプランに入れてみてください。

ラーメンライター

1976年鹿児島市生まれ。2002年、福岡でライター業を開始。同年九州ウォーカーでの連載「バリうまっ!九州ラーメン最強列伝」を機にラーメンライターとして活躍。各媒体で数々のラーメンページを担当し、これまで1万杯以上完食。取材したラーメン店は3000軒を超える。ラーメン界の店主たちとも親交が深く、ラーメンウォーカー九州百麺人、久留米とんこつラーメン発祥80周年祭広報、福岡ラーメンショー広報、ソフトバンクホークスラーメン祭はじめ食イベント監修、NEXCO西日本グルメコンテストなど審査員も務めてきた。ラーメンライターとしての活躍はイギリス・ガーディアン紙、ドイツのテレビZDFでも紹介

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