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本は1冊も捨てなくてOK!東大卒収納アドバイザーがお勧めする、本好きのための本棚整理術

片付けの中でも、最も難易度が高いと言われているのが、本棚の整理です。

本には「使う・使わない」という概念がなく、他のアイテムと比べて劣化も起きにくいため、分類が難しいアイテムです。本屋さんに行くことが趣味な方、電子書籍よりも紙派の方。編集者や研究者の方など職業柄本を読む方は、自宅に何千冊もの本を持っていることも珍しくありません。

「本は自分のアイデンティティだから、いつでも手に触れるところに置いておきたい」と考える人も多く、片づけること自体を放棄する方も多いです。それでも、本の片づけを諦めるのではなく、たとえ結果的に捨てなくとも、愛の大小に応じて、収納場所を決めることができるので、1冊1冊手にとって意味を考える作業が必要です。

本に関しては使用頻度で分けるというより、「最初から最後まで、読んだか、読んでないか」という基準でまず分類し、そのうえで、用途によって分類することをおすすめします。

その上で人により、適切なグルーピングは異なります。「なぜ、自分はこの本を持っているのか?」を考え、持っている本を4〜6種類に分類していきましょう。
一旦、数の制限は考えず、モノの意味を考えていきます。この段階では1冊も、捨てる必要はありません!ただ純粋な気持ちで、自分の手持ちの本と向き合っていきましょう。

人が本を持つ、グルーピングの例をご紹介します。

1.まだ読み終わっていない本

 (a)これから読もうとしている本

 (b)読みかけている本

 (c)買ったものの、今は読む気がない本

 (d)人から借りている本

2.読み終わった本

 (a)参考書として、頻繁に手に取りたい本

 (b)内容が気に入っていて、もう一度、いつか読みたい本

 (c)文献として存在が貴重なので保管しておきたい本

 (d)人に貸したい本

 (e)コレクションとして収集している本(雑誌や漫画)

 (f)インテリアとして飾りたい本

本棚に入れたままで整理を進めると、本と十分に向き合うことができません。必ず本棚からは取り出し、グループごとに重ねて山を作りながら、分類を進めていきましょう。

自宅の収納スペースが十分な方は、分類が終わったあと、グループごとにまとめて棚に戻してしまってOKです。家の本棚がギチギチだ、という方は、本の分類が終わった段階で、いま一度、「手に取る・手に取らない」を分けていきます。期限としては、「今年中に手に取る可能性があるか?」で考えていきましょう。

「手に取らないかも。」と思った本は、捨てずとも、必ずしも家に置いておく必要はありません。たとえば、「2(c) 文献として存在が貴重なので保管しておきたい本」は、当然ながら捨てる訳にはいきませんが、それでも今年手に取って読む可能性は低いかもしれません。
家の収納環境次第では、外部トランクルームに預けたり、図書館に寄贈して他の方の役に立てるというのはどうでしょうか。

「2(d) 人に貸したい本」は、自宅に置いておくよりも、職場のロッカーや、共有の書庫に置いておくほうが良さそうです。

「今年手に取る可能性がある」と分類した本は、さらに手に取る可能性ある頻度別に、細分化していきましょう。

収納の段階で、毎週のように手に取る参考書は、机のそばなど、取り出しやすい「特等席」に配置し、当分手に取らなさそうな本は、手が届きにくい場所に配置しましょう。

「本を捨てたくない」という気持ちが強いと、整理する行為自体が億劫になってしまうもの。
目的は捨てることではなく、自分の本のコレクションと向き合うことです。
ぜひ”捨てるプレッシャー”から解放されて、自分らしい本棚作りをしてみてくださいね。

【米田まりな】1991年生まれ。整理収納アドバイザー1級。モノを愛してやまない人に向けた「捨てない片づけ」を考案。著書に「あの人に、イライラするのは部屋のせい」「集中できないのは部屋のせい」(PHP研究所)「捨てない片づけ」(ディスカバー21)。日経新聞NIKKEIプラスワンにて連載中。東京大学経済学部を2014年に卒業後、総合商社でベンチャー投資を担当し、現在は不動産ディベロッパーに勤務。平日は会社員として働きながら、副業で片付けの普及活動をしている。

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