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【藤沢市】500円払うと、生ハム製造工場で極上の「切り立て生ハム」が食べられます(期間限定)

ころんころライター(藤沢市)

『湘南藤沢地方卸売市場』に「生ハム」工場ができている。

そんな話を耳にし、移転間もない「有限会社NORMA」直営店舗の『Shoko-Tei(ショウコウテイ)』に取材のお願いをしたのは、約半年前のこと。

その念願がようやくかない、先日取材に訪れました。

『Shoko-Tei』の高橋さん親子
『Shoko-Tei』の高橋さん親子

直営店舗の『Shoko-Tei』は、1階がショップとイートインスペース、そして2階が「ふじさわ生豚(なまはむ)」(以下、生ハム)の製造工場となっています。まずは2階の工場から、オーナーの高橋さん一家に案内していただきました。

階段をあがると、そこには数十本の「生ハム」が吊るされています。

空調管理をせず、藤沢の気候と風土で熟成される「長期熟成生ハム」
空調管理をせず、藤沢の気候と風土で熟成される「長期熟成生ハム」

そもそも「生ハム」は、文字を使用する前の先史時代からあったと言われる食べ物。当時は「豚もも肉」と「塩」の2つの材料だけで作られていました。

その「生ハム」の要ともなる「豚肉」。

実は、神奈川県で最も養豚が盛んな「藤沢市」。高橋さんは藤沢市畜産会と日本大学に協力を依頼し、藤沢市で育まれた豚肉を使ったこだわりの「生ハム」作りに挑戦します。

湘南の土着の微生物が味を決める
湘南の土着の微生物が味を決める

「寒冷地などで多く作られる『生ハム』ですが、温暖な湘南藤沢の気候でも製造は可能です」と話す高橋さん。

添加物や着色料は一切使わず、歴史に基づいた伝統の生ハム製法を用いた「生ハム」作りにこだわりました。温度・湿度の変化を見ながら、水分量(熟成具合い)を微調整。高橋さんはさまざまな歴史的文献史料にも目を通しながら、藤沢産の「豚肉」と豊富なミネラル分を含む「自然海塩」の2つだけで「長期熟成生ハム(16カ月以上熟成の原木生ハム)」の製造に成功しました。

こうして作られた「生ハム」は、近隣のレストラン(茅ヶ崎市の『MOKICHI全店(熊澤酒造)』や藤沢本町の『3+3CAFE (サンタスサンカフェ)』)など、神奈川県内広域に卸されるほか、1階のショーケースで小売り販売(一般の方でも少量から購入できます)。

「生ハム」以外にも『打戻(うちもどり)』『羽鳥(はとり)』『大庭城南(おおばじょうなん)』『葛原(くずはら)』という藤沢市の地名がついた、フレーバーの異なる「藤澤之腸詰(サラミ)」や…

「イワシ」に塩を加えて発酵させ、うま味成分を凝縮した「鵠沼魚醤(1本850円)」、また「藤沢産にんにくダレ(1本1,200円)」「本返し(1本1,000円)」「自家製ピクルス液(1本1,000円)」といったこだわりの調味料も販売しています。

さらに、メニューは限られるものの「切り立てふわふわスライス生ハム(10月末までの夏季限定/25g500円)」や「フレッシュトマトの冷製パスタ(1,100円)」「自家製ツナのトマトパスタ(1,100円)」などのランチメニューも用意されています(パスタには切り立て生ハムとピクルスの前菜が付きます)。

自家製ツナもおすすめ!
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店内のイートインスペース
店内のイートインスペース

取材後、切り立ての「牛の盲腸詰め生ハム」(以下、生ハム)と「長期熟成生ハム(16ヶ月熟成の原木生ハム)」を試食させていただきました。

生ハムスライサー
生ハムスライサー

まずは「生ハム」。

「生ハム」は、口に運ぶととろけてしまう「極薄切り」と、歯ごたえを感じる厚みの「薄切り」があります(夏場は脂が溶け出してしまうため「薄切り」のみの販売です)。

薄切りの「生ハム」
薄切りの「生ハム」

軽やかな「生ハム」は、ナチュラルな塩気でしっとりとした食感。スーパーなどで販売されるパック商品とは異なり、自然本来のふくよかな香りを楽しめます。サラダはもちろん、バゲットに乗せてカナッペに、またパスタにあわせても美味しさが増します。

続いて「長期熟成生ハム」。16ヶ月熟成された「豚肉」は、水分が抜け、本物の原木のような質感。口にする前から、濃縮された味わいが伝わってくるほどです。

16ヶ月の時を刻む「長期熟成生ハム」
16ヶ月の時を刻む「長期熟成生ハム」

2センチ角ほどの小さなカットでも、噛むごとにまるで味噌のような味わいを醸し出す「長期熟成生ハム」。一般的な「生ハム」とは段違いの熟成度合いで、普段は口にすることない濃厚な旨みに圧倒されます(取材中にもかかわらず「今すぐワインで流し込みたい!」と感じました。笑)。「先人の知恵」と「自然の恵み」に本当に感謝したい食べ物ですね...。

「生ハム」と「長期熟成生ハム」の味わいの違いについて、高橋さんは「わかりやすく表現すると『生ハム』はカマンベールチーズのような軽さ、そして『長期熟成生ハム』はブルーチーズのような深みですね」と教えてくれました。私は「長期熟成生ハム」が好みかな…。

そして、おうちでも楽しめる「盛り合わせパック」も購入してみました。

私が購入したのは「3種盛り合わせパック(70g2,000円)」です。「極薄切り」の「生ハム」と「藤澤之腸詰(サラミ)」が入っています。

「生豚(生ハム)」は赤身と脂身のバランスが良くマイルドな塩味。わずかに唐辛子が含まれた「藤澤之腸詰」の「打戻」サラミは、泡のお酒にもよく合いました。

高橋さんも「一般のお客様には、まだまだ知られていないと思います」と話す『Shoko-Tei』の貴重な「生ハム」。秋の夜長を楽しむちょっとした贅沢に、地域に根付いた「本物の生ハム」を味わってみませんか?

《ギフト用やパーティ用に》
大きめの特注ブロックカットや、生ハム原木の注文も承っています。ご注文はお電話で。

基本情報
店名:NORMA直営店舗 Shoko-Tei(ショウコウテイ)
住所:藤沢市稲荷520「湘南藤沢地方卸売市場」内
アクセス:JR「辻堂駅」から車で10分
電話:090-8504-9835
駐車場:有り

公式 ホームページ(外部リンク)
公式 Instagram(外部リンク)
公式 Facebook(鵠沼魚醤/外部リンク)
公式 Facebook(ふじさわ生豚/外部リンク)
※詳細は『有限会社NORMA』の公式サイトをご確認ください。

取材・撮影協力 NORMA直営店舗 Shoko-Tei 高橋 様

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ライター(藤沢市)

湘南エリアの複数メディアや紙面、昭文社「まっぷるトラベルガイド」などで、記事執筆&撮影を担当。取材スポットは1000ヶ所近く。そんな取材後記や、徒然なるままのゆるゆる日暮らしを、Instagramに綴っています。ほわっとあたたかくなる「神奈川県藤沢市」の情報をお届けできたら幸いです。※「毎週日曜の20時10分」に約1週間分の記事をまとめてお届けする「LINEでの配信」がスタートしました。ご登録いただくと藤沢市の話題(特に美味しいもの情報)に困りません。

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