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【藤沢市】藤沢駅北口に密集する「稲荷神社」。その理由に「まさかそんな歴史があったとは..!」

ころんころライター(藤沢市)

【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~

藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。47カ所目は藤沢駅北口エリアにあった『藤沢遊郭』と、その付近に集中する「稲荷神社」です。

ネット上で散見される「昔、藤沢駅北口エリアには遊郭が存在した」という書き込み。藤沢市の玄関口「藤沢駅」の近くに「遊郭」があっただなんて、にわかに信じがたい話ですが。。。

現在の藤沢駅北口
現在の藤沢駅北口

1601年(江戸時代)、東海道五十三次の6番目の「宿場町」となった藤沢。幕末には70軒以上の旅籠が栄えました。そんな宿場町を陰ながら支えていたのは『万福寺』の記事のなかでお伝えした「飯盛女」です。

「飯盛女」とは、江戸時代の宿場で給仕や雑用を行う、現在の仲居さんのような仕事に従事した女性のこと。宿場町として栄える裏で、客引きや遊女の役割もしていたと言われている。

実はこのあと、藤沢駅北口エリアには昭和初期まで続いたといわれる『藤沢遊郭(女郎屋)』が存在しました(『藤沢市文書館』にも「遊郭」に関する資料が残されているそうです)。そしてその周辺には「稲荷神社」が点在します。

藤沢駅北口に集中する「稲荷神社」
藤沢駅北口に集中する「稲荷神社」

補足ですが...
『ODAKYU湘南GATE』と『さいかや藤沢店』の屋上にも『豊川稲荷神社』があります。しかしこちらの2つは「商売繁盛を願い奉られたもの」で、今回の記事とは意味合いが異なります。

たとえば『サミットストア藤沢駅北口店』のすぐ近くにある『辰巳稲荷神社』

マンション脇にある小さな「稲荷神社」ですが、朱色が鮮やかでとても目立ちます。

祠の中には狐の姿が…。

また『辰巳稲荷神社』から歩いて5分ほどのところには、住宅街にひっそりと馴染んだ『三藤稲荷』があります。

このほかにも『豊川稲荷(相生稲荷)』『鼻黒稲荷大明神』など藤沢駅北口エリアに点在する「稲荷神社」。なぜこのエリアに集中しているのか、また『鼻黒稲荷大明神』の「鼻黒」とは何をさしているのでしょうか…。

遊郭といえば『吉原』ですが、その『吉原』の中にも複数あった「稲荷神社」。もともとは廓の守護神として建てられたようですが「女性を病気から守ってくれる」「女性のさまざまな願い事を叶えてくれる」と信じられ、遊郭の女性たちの信仰を集めていたとも言われています(現在はそれらの神社が合祀され、東京都台東区の『吉原神社』になっています)。

また『鼻黒稲荷大明神』の「鼻黒」を調べると「梅毒の症状(鼻の欠損)からくるものではないか」という情報が見つかります。「遊郭」そして「梅毒」。これらのことから、藤沢駅北口エリアに稲荷神社が集中している理由を推測すると…

かつて『藤沢遊郭』が栄えていた時代、『吉原』と同じく廓の守護神として、またそこで働く女性たちのために建てられた神社ではないかと考えられますよね(あくまで個人的推測で、真実は定かではありません)。

そんな当時の藤沢駅北口のようすは「藤沢市ふじさわ宿交流館」の公式 ホームページ(外部リンク)「藤沢宿「藤沢・柳通り」を歩いてみよう」の記事の中で見ることができます。

今では藤沢駅北口に『藤沢遊郭』があった空気など残されていませんが、機会があれば、藤沢にもそんな歴史があったことに少しだけ触れてみませんか?

基本情報
『辰巳稲荷神社』『三藤稲荷』ほか
住所:藤沢市藤沢(藤沢駅北口エリア)
※駐車場は無いため、行かれる際は公共交通機関をご利用ください。

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ライター(藤沢市)

湘南エリアの複数メディアや紙面、昭文社「まっぷるトラベルガイド」などで、記事執筆&撮影を担当。取材スポットは1000ヶ所近く。そんな取材後記や、徒然なるままのゆるゆる日暮らしを、Instagramに綴っています。ほわっとあたたかくなる「神奈川県藤沢市」の情報をお届けできたら幸いです。※「毎週日曜の20時10分」に約1週間分の記事をまとめてお届けする「LINEでの配信」がスタートしました。ご登録いただくと藤沢市の話題(特に美味しいもの情報)に困りません。

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