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色んなアートをつまみ食い!作品展のギャラリー内を紹介します【神戸市中央区】

小坂裕子フリーランスMC/ライター/ワーママ(神戸市)

楽しく本気でアートと向き合う8作家が集まった「第 4 回KOKO展」が、神戸・北野坂FLORE Artist Galleryで現在開催中です。入口からは想像のつかない広いスペースに、個性豊かな作品が並んでいました。

ここでアート。KOKO展

FLORE Artist Gallery入口
FLORE Artist Gallery入口

インパクトと幸福感

観光客も多い北野坂。ギャラリーの前には大きな横断幕が貼られていて分かりやすく、ガラス張りの開放的な扉も入りやすかったです。すぐ目に飛び込んできたのは、アディスさんの幸福感あふれる絵。不思議と幸せな気分になれるような気がしました。

左壁側:アディス
左壁側:アディス

どの絵も、包まれるような優しくて暖かい雰囲気で、幸福感が伝播するような作品です。

アディス「Peaceful tea party」他
アディス「Peaceful tea party」他

見え方も感じ方も無限大

入口のスペースにあった梶山美祈さんの作品は、見れば見る程興味が湧いてくるものでした。

中央・鏡前:梶山美祈
中央・鏡前:梶山美祈

青い線の書かれた透明の板が並び、波のように見えますが、自分が動けば波も動くし、見る角度や距離、光の当たり具合で変化して面白いです。さらに時間帯を変えて来てみると、また違うものが見えました。線だった波が面で見え、青い海のようでした。

もう一方の作品も、線が1本入っているだけで、なぜシマシマに見えるのか。全体は家のような形にも見え、不思議な感じでした。

梶山美祈「しかく2」
梶山美祈「しかく2」

感じた視線の先に

左右壁側・机上:永田恵理
左右壁側・机上:永田恵理

会場奥へと進むと、永田恵理さんの眼光鋭い墨絵が並んでいます。おどけた表情に見えるペンギンは、手足を動かしてちょこちょことあるく様子が目に浮かびました。ナマケモノの絵は、毛並みが細かく描かれ、モノクロの世界に描かれた細かな表現が素敵です。

永田恵理「緑の山」
永田恵理「緑の山」

はじめて知る日本画の世界

対面には、hiroさんの美しい日本画がかけられていました。色が鮮やかなのにうるさくなく上品に仕上げられています。

壁側2点:hiro「見返らず美人図」他
壁側2点:hiro「見返らず美人図」他

制作過程について伺ったところ、まずは木の枠に布を張るところから始まり、のりや下地材などを塗るなど、天気の良い日に作業しなくてはならず、乾くにも時間がかかります。また生地が縮むことを前提に描く必要があり、手間暇かけて生み出される日本画に、ますます興味が湧きました。

hiro「墨で落書き」
hiro「墨で落書き」

「お坊チャン」のシリーズは、ユーモアがあってクスっと笑えるものばかり。寺院を身近に感じられます。

存在感が薄いという存在

「そんなところにいたの?!」と言いたくなる、竹林子織さんの作品。パッと見て、目と口がどこにあるのかわからないくらい主張がないので、視線は感じず、そこにただあるだけ。でもこちらからじっと見つめると、微笑んでくれているようにも見えます。会場内あちこちにいますので探してみてください。

竹林子織「泉」
竹林子織「泉」

こちらの壁にかけられたオブジェは、何にみえますか。私は子どもの頭を上からみたものに見えたのですが…人によって捉え方が違うようです。

壁側・机上:竹林子織
壁側・机上:竹林子織

作品の持つ世界観

会場のさらに奥へと進むと、関野愛子さんの作品が並んでいます。眺めるだけではなく、じっくり味わうとどんどん好きになるような作風です。

関野愛子「頬を染めて」
関野愛子「頬を染めて」

眺めるだけでは、ただの緑や、ただのスカートですが、実は細かな模様が描き込まれています。規則正しく見えながら、手描きの歪みも感じられる。この模様の一部は、手作りのハンコが多用されているそうです。

リンクしている絵と陶器。ぜひ会場で間近に見て欲しいと思います。陶器の模様も、その質感は色で作られているわけではなく、多数つけられた凸凹です。

関野愛子
関野愛子

関野愛子「育む」
関野愛子「育む」

実物から見えるもの

モリカナコ「ラブラブ」「いつかの思い出」
モリカナコ「ラブラブ」「いつかの思い出」

モリカナコさんの作品は、インスタで見ても「かわいくて素敵だな」と思っていましたが、実物にはもっと多くの感じるものがありました。今にも動きそうな猫たちの描写だけではなく、背景も描き込まれて仕上がっています。それでいて絵はうるさくありません。

モリカナコ「おやすみ」「春の訪れ」
モリカナコ「おやすみ」「春の訪れ」

透明感のある日本画

会場の一番奥に飾られた中嶋真梨子さんの日本画は、写実的に描かれた、他の日本画とは違ったテイストです。特に水の中の鴨の足や、蓮の葉の上の水滴、鯉のヒレの透け感など絶妙で美しかったです。花びらは思わずひろいたくなるようなリアルさがあります。

中嶋真梨子「蓮池水禽図」他
中嶋真梨子「蓮池水禽図」他

中嶋真梨子
中嶋真梨子

写真の作品には会場内が写り込んでしまっているので、ぜひこちらもご自身の目で実際の作品をご覧いただければと思います。

8人の作家それぞれの作風を楽しめるKOKO展は、一般の方にも気軽に入っていただける立地・内容です。29日(火)まで(最終日は~17時)。どうぞ行ってみてくださいね。

イベント情報

第4回「KOKO展」
日程:2022年11月24日(木)~11月29日(火)
時間:11時~19時 ※最終日は17時まで

会場:FLORE Artist Gallery
(フローラアーティストギャラリー)
住所:神戸市中央区山本通1-7-9ブーミン北野1F
電話:078-262-7564

最寄り駅:JR「三ノ宮」、阪神・阪急「神戸三宮」、地下鉄「三宮」各駅より徒歩約8分
入場無料

出品作家:アディス(アクリル画)/梶山美祈(インスタレーション)/関野愛子(アクリル画)/竹林子織(オブジェ)/中嶋真梨子(日本画)/永田恵理(墨絵)/hiro(日本画)/モリカナコ(水彩画)

 フライヤー1(提供:KOKO展)
フライヤー1(提供:KOKO展)

 フライヤー2(提供:KOKO展)
フライヤー2(提供:KOKO展)

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フリーランスMC/ライター/ワーママ(神戸市)

兵庫県神戸市で子育て中(0歳・2歳)のワーママ。フリーランスのウェディング司会者として活動しながら、カフェで隙間時間に執筆。趣味の茶道は、お抹茶といただく季節菓子が楽しみのひとつ。忙しい合間の息抜き時間を、有意義に楽しんでもらえるような地域情報を発信していきます。1984年明石市出身。

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