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ストレスフルな仕事をしている人は、帰り道『シェア自転車』を活用しよう

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■米国調査、ストレスケアに「サプリ」56%

インフォーマグループの米国業界紙「NewHope」でストレス管理において興味深い調査結果がでていた。米国人のストレスマネジメントにおいて、「健康的な食事」「アウトドアや自然の中で過ごす」「運動する」「セルフケア製品の利用」などに続き、「ストレスケアに対する機能性のあるサプリメント」がなんと、56%になっていた。

「サプリメントで、ストレスケアか。さすがアメリカ、サプリメント大国!」と思ったが、振り返ってみれば、日本でも『ヤクルト1000』が「ストレス緩和」「睡眠の質の向上」を訴求し爆発的なヒットを生み出している。

こうした商品が次々と、上市される背景には、現代人がストレスを強く自覚しはじめたことがあるのだろう。

確かに、コロナが始まった2年間は、得体の知れない恐怖に怯えた。連日、テレビをつければ、感染者数や死者数が更新されていく異常さが世界を覆った。在宅ワークになっても、一次は快適と思われたが、人と話す機会が減り、運動の機会が減り、心身に不調を感じた。IT業界でバーンアウト者が続出したのもストレスが溜まりに溜まった結果だろう。

人生100年時代では、メンタルにダメージを負うことは、大きなマイナスになる。その上で、ストレスマネジメントに敏感になることは、ビジネスパーソンのリスクマネジメントの一環として、身につけるスキルや習慣なのだろう。

■オフィスワークのビジネスパーソンは、ストレス溜めやすい

人は、カラダを動かすことで、健康を維持できるように設計されている。

しかし、現代の生活では、成人の約60%が運動不足であり、そのせいでストレスレベルが上がってしまっている。

米国ストレス研究所によると、米国人は、運転やデスクワークなど、1日のかなりの時間を座って過ごしている人は多い。 そのため、およそ77%の人が体の健康に影響が出るほどの強いストレスを感じているという。

ストレスは、肩こり、腰痛、頭痛などのカラダだけではなく、陰鬱とした気持ち、やる儀の減退までメンタルまで影響を与える。それが、自覚しているだけで77%とは、かなり深刻だ。

■冬は、ストレスに注意すべきシーズン

さらに、気をつけることがある。それは、秋から冬にかけての季節的な要因である。

人間のメンタルは日光に大きな影響を受けている。日光を浴びる時間が短くなると、憂鬱な気分になり、やる気が低下していく。これを「冬季うつ(ウインター・ブルー)」という。これが、進むと、「過食」「過眠」「体重増加」などの傾向が高まる。これが、食欲不振や不眠になることが多い一般のうつとの大きな違いだ。日光を浴びる時間が少ない北国ではこの傾向がより強まる。

鬼滅の刃で、善逸が那田蜘蛛山で、鬼との戦いでダメージを受けて、胡蝶しのぶのお屋敷で回復をするシーンがある。そこで、善逸が、ぽかぽかと太陽の光を浴びて療養に専念するシーンがあった。あれは、カラダだけでなく、傷ついたメンタルを癒やすのに太陽の光に治療効果があることを示唆しているシーンだ。作者の吾峠呼世晴氏の健康マネジメントへの深い造詣に感じ入ったものだ。

■ストレスリセットには、自転車が効く

話をもとに戻そう。では、このストレスな環境の中で、我々はどうすればよいのだろうか?

ストレスケアには、認知行動療法や、グリーンエクササイズ、マインドフルネス、リトリート、それこそサプリメントまで様々なアプローチがある。今回ビジネスパーソン向けに攻めの「ストレス・マネジメント」としてご提案したいのは、『シェア自転車の活用』だ。

まず、なぜ、自転車なのか。

実は、軽く息を弾ませるような有酸素運動は、抗うつの薬以上にストレスケアに効果的ということが分かっている。

有酸素運動をすると、交感神経が優位になり、脳内から幸せホルモンのセロトニンが分泌される。これが、ストレスの緩和に役立つのだ。

有酸素運動は、スイミングやランニングもある。しかし、これはハードルが高い。ウォーキングもいいが、ハードルが低すぎて、なんとなく、気持ちが乗らない。そんな中、自転車であれば、着替えることも、汗をかくこともない。実は、最もとっつきやすい有酸素運動なのだ。

■使い勝手がよい『シェア自転車』

では、自転車をもっているか、といえば、ない家庭も多いことだろう。

私が住んでいる福岡では、『チャリチャリ』というシェア自転車サービスがある。東京に出張に行ったときには、『コギコギ』『HELLO CYCLING』『ドコモ・バイクシェア』などを活用している。驚くのが、そのシェア自転車サービスの普及率と、価格の手軽さだ。主要な駅にはたいていピックアップと停車のポートがある。

私は、家から天神のオフィスまで、シェア自転車で通っている。距離にして6キロぐらい。料金は150円程度。初めてシェア自転車を使った日は、その使い勝手の良さ、乗り心地の良さ、価格の安さに驚き「気前良すぎるやろ!」と一人で、目を丸くしたことを今でも覚えている。

■仕事終わりは『シェア自転車』でストレスを洗い流せ

通勤経路によっては、家からオフィスまで、すべてをシェア自転車で通うことは難しいかもしれない。距離が遠すぎる人もいるだろうし、家の近くに自転車ポートがないケースもある。しかし、オフィスから主要な駅まで、5駅分ぐらいをシェア自転車に切り替えてはいかがだろうか。

仕事でたまったストレスを、15分程度、自転車に乗る。

頬をかすめる爽快な風が一日のたまったストレスと疲労を洗い流していく。脳内からセロトニンが分泌され、気分が高揚するかもしれない。調子が出てきたら、ペダルを少しだけ強く漕いでもよい。軽く息が弾む程度だ。全身に血液が巡っていくのがわかる。デスクワークが長かった人は特に、毛細血管の隅々まで、栄養が流れ込むのを感じるかもしれない。エナジードリンクを飲んだ時よりも、エネルギーが充実してくるのを感じるかもしれない。自転車をポートに返却する頃には、仕事終わりとは思えないほどの活力が満ちている。

物価高の中で、お小遣いが少なくなっているビジネスパーソンであっても、ペットボトル1本分ぐらいなら、許容できるだろう。

家にヘトヘトに疲れて老け込んだ表情で帰るよりも、ニコニコと明るい表情で玄関を空けたほうが、家族だって嬉しい。その家族の笑顔を見て、こちらも元気になる。明日のエネルギーの充電は、仕事が終わった時から始まっているのだ。

シェア自転車は、そのきっかけになる。

■攻めの「ストレスマネジメント」という武器を身に着けよう

今までのストレス対策は、受け身なことが多かったように思う。

毎日、ストレスを抱えて、週末になって昼まで寝たり、カチコチになったカラダを整体で解きほぐしてもらうと言った具合だ。

しかしこれからは、攻めのストレスマネジメントだ。その習慣の1つとして、お金もかけず、時間を有効活用でき、リフレッシュ効果も高い、『シェア自転車』を活用しよう。きっと「ストレスケアサプリメント」よりも何倍もよい健康投資になるはずだ。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

■過去の記事

https://creators.yahoo.co.jp/mizunomasahirokenkom

■著書

bit.ly/3AbaGDO

■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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