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ビジネスは、カラダが資本。健康に良いことの前に、「健康に悪いこと」を遠ざけよう。

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■糖質、トランス脂肪酸、塩分

あなたに子供がいると「仮定」して、次の質問に答えてほしい。 

【質問1】あなたの子供が、角砂糖10個をジャリジャリと食べていたらどうしますか?

【質問2】あなたの子供が、心疾患を引き起こす人工的な油を食べていたらどうしますか?

【質問3】あなたの子供が、1日の塩分量を超える塩をなめていたらどうしますか?

私は、企業、行政、大学で健康マネジメントの研修講師をしている。同時に、受験シーズンには、受験生がベストコンディションで本番に臨めるよう受講講師や保護者に健康マネジメントのサポートもしている。オンラインセミナーで、上記の質問をすると、保護者から「とんでもない!」「そんなことをするわけがない」「万が一そんなことをしていたら、すぐにやめさせます!」と答えが返ってくる。

もちろん、愛情を注いだ子供を、「あえて」不健康にするようなことをするわけがない。

ポイントは、「無自覚に」という点だ。

■あなたの子供は、あなたの健康

例えば、あたなの子供が角砂糖10個を水に溶かして飲んでいたら、あなたは慌てて止めることだろう。

しかし、子供が健康に良さそうな乳酸菌飲料やスポーツドリンク、塾に行く前に、勉強を頑張るぞ!とエナジードリンクを飲んでいたらやめさせるだろうか?それらの中には、シュガースティック10本をゆうに超える糖質が含まれている。

また、子どもが塾に行く前に、小腹を満たすため、コンビニの菓子パンを食べていたとする。あなたは止めるだろうか。

それらの中には、海外では使用を制限または禁止されているトランス脂肪酸がたっぷり含まれている。トランス脂肪酸は、水素系の薬品を添加して作られた人工的な油だ。トランス脂肪酸を取り続けると、悪玉コレステロールを増やし血管の流れを悪くし、心疾患、脳疾患の健康リスクを招くと報告されている。そのためトランス脂肪酸は、「狂った油」とも表現される。

また、夜遅くまで勉強を頑張る子どもが、夜食にカップラーメンを食べていたら止めるだろうか。カップラーメン1杯には、1日3食の塩分量をゆうに超える塩分が含まれている。過剰な塩分を取り続けると、高血圧状態、心疾患、脳疾患のリスクを招きます。高血圧は喫煙と並ぶ、最大の生活習慣病リスク要因だ。

「勉強」を「仕事」に置き換えてみたら、なにか気が付かないだろうか。言うまでもなく、「あなたの子供」というのは、「あなた自身」のことだ。

■健康によいことをする前に、健康に悪いこと控えよう

私達ビジネスパーソンは、仕事のパフォーマンスを上げるために、常にプラスすることを目指してきた。売上を伸ばしキャリアアップさせるために、スキルを上げ、経験を積み、資格を取るといった具合だ。こうした経験を積んできた私たちは、ついついを健康も同じように考えてしまう。ビタミンをプラスして、ミネラルを追加して、プロテインを投入して、という具合だ。

確かに、どれも大切なことだ。しかし、足元が地盤沈下している上には、あなたという城を建てることはできない。まずは、過剰な糖質、トランス脂肪酸、塩分を遠ざけることから始めよう。

【1】ペットボトルの清涼飲料水を控えよう

ペットボトルの清涼飲料水には、10%の糖質が含まれている。まず、水分補給をする時は、清涼飲料水ではなく、ミネラルウォーターか、お茶にしよう。特にお茶は、抗酸化成分のカテキンが入っているため、生活習慣病の予防、血糖値の上昇を抑える効果、肥満を予防する効果、虫歯や口臭を予防する効果など、いいことばかりだ。

【2】菓子パンを控えよう

前述したトランス脂肪酸は、菓子パンだけでなく、スナック菓子、マーガリン、フライドポテト、ねぎとろ、ケーキ類、クラッカー、ラクトアイスなど、驚くほど私達の生活に入り込んでいる。トランス脂肪酸は、サクサクやふわふわした食感を演出するのにとても便利な原料なのだ。まずは、こうしたものを食べる量を減らそう。小腹が空いたら、無塩のナッツを食べよう。無塩ナッツは、ビタミンEやポリフェノールを含む、天然のサプリメントと表現されるほどだ。

【3】(カップ)ラーメンを控えよう。

日本人の3人に1人は高血圧だ。1日の塩分摂取量(食塩摂取量)の基準は、WHO(世界保険機関)では1日5g未満とされている。しかし、日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は、男性 11g、女性9.3gと、約2倍になっている(厚生労働省平成30年『国民健康・栄養調査』)。ところが、(カップ)ラーメンを食べると、一食でかるく1日の塩分摂取量を超えていく。これでは、高血圧になり、心臓にダメージを蓄積し、血管のストレスが増し、動脈硬化へまっしぐらだ。

■賢明なビジネスパーソンは、健康の危険運転はしない

孫子の兵法には、「戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり」という言葉がある。

健康に置き換えるのであれば、そもそも血糖値が上がってから、血糖値を下げるサプリメントを飲む。コレステロール値があがってから、トクホのお茶を飲む。高血圧になってから、薬を飲むという、後手の戦いはもっとも愚かだということだ。

私はイタリア、香港、アメリカでの海外生活があり、香港では2年間、飲食店の経営をしていたため、つぶさにグローバルで活躍するビジネスパーソン達の食生活を観察する機会に恵まれた。彼らは、「あらゆるパフォーマンスは、健康から生み出される」と分かっているため、そもそも、健康を害するものには近づかない。運転に例えるのであれば、安全運転に徹しているのだ。

私達も自分自身の人生のハンドルを握るからには、健康の危険運転をひかえよう。その一歩を、過剰な糖質、脂質、塩分は控えることから心がけよう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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健康マネジメントスクール

水野雅浩

https://healthylifepj.com/

■プロフィール

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績

【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格

日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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