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健康不安ランキング1位)脳/心臓 2位)骨関節 3位)視力 4位)メンタル 一気に解決するには?

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特に40代からは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■変わる「若者の健康観」

「健康って、カッコいいですよね」

先日、あるファッション雑誌の編集者と話をしていたときのことである。話を聞くと、20代30代の若者の健康意識がずいぶんと変わってきて、

・ 不健康は、かっこ悪い

・ 健康は、カッコいい

となってきているようだ。

「時代は変わったな」と思う。私の若い頃は、仕事をしながらタバコを吸うことは当たり前だったし、残業飯があると、カップラーメンが当たり前だった(ちなみに私が新卒で勤めた会社は、『福利厚生』として カップラーメンの自動販売機が設置された)。今では、タバコは、臭いし、かっこ悪い。カップラーメンより、プロテインバーとなっているという。

時代は変わったな、と思う。

■変わる中高年の、健康観

変わる健康意識の中で、中高年の健康意識はかわったのだろうか。今の中高年世代は健康を後回しにして働いてきた世代だ。私は新卒からベンチャー企業で働いていたこともあり、残業代をつけるという概念もなかったし、21時になったら吉野家の牛丼を先輩たちの分まで買い出しに行き、終電を逃してオフィスやサウナで寝るのが普通の生活だった。

そんな健康を後回しにしてきた世代は、健康に対してどのような意識なのだろうか。日本の記事ではないが、先日読んだ米国業界誌NEW HOPEが米国の中高年を対象に行った調査を興味深く読んだ。「老化とともに気になる健康課題は?」という問いの答えが

1位が「脳の健康」「心臓の健康」で同率。

2位が「骨と関節の健康」

3位が「視力」

4位が「メンタルヘルス」

となっていた。

視力は、分かるが、1位が脳と心臓とは。時代は変わったな、と思う。人生100年時代という、人類史上、最長の人生を前にして人は、認知症をおそれ、QOLの土台となる骨や関節の健康を気にするようになったのだ。

私は新卒から約10年間、介護・看護の仕事についていた。何百人、何千人という人の老後に触れ分かったことがある。それは、「認知症」と「寝たきり」には治療法がないということだ。対策は、普段の生活習慣しかない。上記のアンケート調査でも直感的に感じ取っている結果なのだろう。

■気になる健康課題を一気に解決するには何をすればよいのか?

では、人生100年時代を前にして、何をすればよいのか?脳と心臓の対策。骨と健康。視力、メンタルヘルス。これだけを一つずつ対策をしていくだけでも、大変だ。サプリメントだと何種類飲まなくてはならないのだろう?

できたら、ボーリングのセンターピンを倒すように、1つの健康習慣で、その後ろにあるピンも一気に倒れるような健康習慣があれば理想だ。実は、それが、ある。ウォーキングだ。一つ一つ見ていこう。

●1位 「脳の健康」「心臓の健康」

ボストン大学医科大学院の研究チームの心筋梗塞や脳卒中の効果的な予防策を調べるための大規模研究である「フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)」では、ウォーキングなどの軽い運動に費やす時間が1日に1時間増すごとに、脳の老化は1.1年遅くなることが明らかにしている。国立障害者リハビリテーションセンター研究所は、ウォーキングやジョギングが脳機能を高める効果についても解明してる。ウォーキングで足が着地する時に、適度な衝撃が頭部に伝わり、脳機能の維持・調整につながるという。

●2位 「骨」と「関節」

東京都健康長寿医療センター、シンガポール国立大学などの共同研究チームでは、1日10分程度のウォーキングのような、骨や体に衝撃が加わる運動が骨と関節の健康維持につながり、骨粗しょう症を遠ざけることを報告している。

●3位 「視力」

慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田先生の報告では、屋外に出てウォーキングをすることが視力維持にも効果的としている。1日2時間以上、外で遊んでいる子どもは、両親が近視でも近視になりにくいことが知られている。屋外光にのみ含まれる『バイオレット』光を浴びている時間の違いだったと考えると説明ができます」と、述べている。

●4位 「メンタルヘルス」

オーフス大学のクリスティーン エンゲマン氏の研究では、緑豊かな公園でウォーキングなどを行うと、2型糖尿病や高血圧、脂質異常症などの慢性疾患のコンディションが改善する。それに加えてメンタルヘルスにも良い効果を及ぼすという研究が発表された。

まさに、ボーリングのセンターピンを倒すが如く、人生100年時代の健康の悩みを一気に解決していくのが、ウォーキングなのだ。私はこれを知ってから、オフィスに行く一駅手前で降りで15分ほどウォーキングをして出社。仕事の後は45分ほどウォーキングをして帰るようになった(45分に深い意味はない。オフィスから自宅まで約5kmなので、早足だとこれぐらいで着いてしまうのだ)。

実際にやってみると、日中の身体的な疲れもリセットされる。さらには、メンタルの疲れもリセットされる。家庭に仕事の疲れや悩みを持ち込むこともなく、笑顔で帰宅ができる。さらに、上記にあるように、自覚はせずとも、脳や心臓の健康、骨や関節、視力にもよいのだから一石二鳥どころの話ではない。健康投資としては最強のコスパかもしれない。

健康マネジメントは、投資信託と同じ

以前、香港で仕事をしていたときに、某大手金融会社で勤務するビジネスパーソンと懇意になった。彼は同世代ながら健康面でも規則正しく、運動、食事、睡眠、ストレスケアのすべてにおいて健康的な生活を実践していた。私の資産運用も依頼していたためよく話す機会があった。

彼は「健康マネジメントは、投資信託と同じ」とよく表現していた。つまり「将来、お金持ちになりたいのであれば、その対価を毎日コツコツと支払い続けること。これしかない。健康も同じ。将来も健康でありたいのでれば、その対価をコツコツと支払い続けること。これしかない」

幸せな人生を送る要素はいくつもある。その中でも、お金と健康は外せない。これは誰にも否定出来ないはずだ。資産形成と同じように、健康習慣形成もコツコツやっていこう。ウォーキングはその対価として十分するぎるエビネンスを持ってリターンを約束してくれる。

まだ寒い日が続くが、歩いていくうちに体は、ぽかぽかと温かくなる。頬に当たる風が気持ちよく感じるはずだ。エネルギーがいるのは初めの一歩だけ。春を迎えに行くように、自分から健康を迎えに行こう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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